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大樹の元に~前提条件が壊れた結果  作者: 秀


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23_最初の順位戦_1

ゲームのスティーブンは学園にアーサーが居なかったこともあって騎士科で満足してました。

※元々体を動かすのが好きで、勉強は苦手

ここではアーサーの護衛として特待クラスに入れと責められていたので騎士科所属ですが文官科の授業を多めに取ってます。

春の茶会が終わると次は騎士科の順位戦である。

7月前期最後の武闘会と違い、参加者は騎士科のみで学年別

4月は全学年でチーム戦は無く、全員参加で剣、槍、弓のどれかに出場する。

花形は剣部門で人気が高くあぶれたものは槍または弓に出ることになる。


寮での夜食会

「アンナ先輩は、剣ですか。」

「普段は兵站戦の方に出るんだけどね。4月だけは無いから。」

「ポリーは?」

「剣を狙っている。でも希望者が多いから抽選かなあ。

サーシャ、何かこつは無い?」

「うーーん、私のは我流だからなあ。

大体、魔獣、害獣相手に騎士向けの剣術なんて意味ないから。」

「それもそうか。」

「私が騎士科を選ばなかったのって半分それが理由なんだよね。

ネロでの対人戦って、相手が盗賊か密猟者だから正々堂々って何?って世界だし。」

「サーシャは人相手も経験しているの?今まで獣と戦った話しか聞いてないけど。」

「うん。こっちに来る前に何度かね。

ネロの素材って高い値が付くから。

でも危険度も半端じゃなく高いから入場を制限しているだけど。」

「で、入れない人達が密猟者になると。」

「うん、でもね。制限するのは獣に人の味を覚えさせたくないからなんだよね・・・」

「「・・・」」

「近隣の街や村から密猟の疑いはある人達がいるとか密猟者の痕跡を見つけた報告があると捜索隊を出すんだけど。」

「だけど?」

「大抵は死体探しになる・・・辛うじて全滅は免れても四肢欠損なんてざらだし。

食ったって思われる獣は狩らないと麓で人を襲う様になるからね。

自分達の安全にかかわるから近くの村に密猟しそうな冒険者が姿を見せると速攻でこっちに連絡が来る。

ネロは人が少ないからある程度の年齢になると捜索に駆り出されるんだよね。男女関係なく。」

そこでお茶を一口。

「・・・」

「流石に子供一人で捜索は無いから。大体大人か年長者と組んで行動する。

まともな戦闘になるのは魔の森の入り口付近で見つけた場合位。

ま、ネロの住人の相手になる密猟者なんてまずいないんだけどね。

相手になるようなら素直に研修を受けるから。」


「で、どうするの?練習相手が必要なら手伝うけど。」

暫く考えてポリーは言った。

「お願いします。負けたくない相手がいるんだ。」

その言葉にアンナが聞く。

「質の悪いのがいるの?」

頷くポリー。サーシャは首を傾げた。

「質の悪い?新入生で?」

「居るのよね。順位戦は男女の別が無いから男子が女子にマウントを取ろうとするのが。

そう言う男って高位貴族出身で特待クラスを入れなかったとか文官科に入るほど頭良くないとか。

大体、6月までには鼻をへし折られて大人しくなるんだけど。」

「なんで6月?」

「6月の順位戦は学年別じゃなくなるからね。

教師もそういう生徒には実技で強い上級生と当たらせるから。」

「成程」と頷いているサーシャを横目にアンナはポリーに聞いた。

「敵討ちを狙っている?」

「はい、頑張っていい成績が取れそうだったのに邪魔してくれたので。」

えっと驚くサーシャにポリーは現在の騎士科一年の状況を話した。

本来第二王子の側近として特待クラスに居なくてはいけないスティーブンは少々浮いているらしい。

伯爵家(高位貴族)の嫡男で騎士団長の息子

男爵家や騎士爵家それも次男三男の多い騎士科の他のメンツとは異なる立場故遠巻きにされやすい立場だ。

当人は気のいい少年なのだが言葉や行動の端々に育ちの良さというか癪に障る振る舞いが出る。

その上、ここ最近は騎士科の授業には殆ど出ず、それでいて出れば頑張っている自分達よりも好成績を出す。

そんなこんなで不満が溜まっていたところで茶会の失態が伝えられた。

彼と親しい者はともかく、そうで無いものはそれ見たことかと厳しい目を向けているとのこと。


・・・そんなイベントあったけ?・・・

サーシャはゲーム内のイベントを思い返すが特に覚えはない。

・・・確かに仲良くなるまでは台詞が癇に障るものが多かったような・・・

ゲームで中級ヒーロー達はスタータスが上がるまで出てこないので入学したての時期のイベントはない。

会話に出てこないので知らなかっただけでゲームでも裏では色々問題が起きていたのかもしれない。

もしかしてスティーブンは特待クラスの編入を狙っている?

このゲームで所属する科が変わることがあるのはヒロインの他はスティーブンだけ。

他のメンツは選ばなかったヒロインを含め、入学した科で卒業する。


スティーブンが特待クラスに移るのは「一緒に特待クラス編入イベント」を起こした場合だけでその発生難易度がSに設定されていた。

このイベントを起こすには以下の条件が必要である。

・入学時点でヒロインが特待クラスに入れるだけのステータスがある。

・騎士科に入学

・最初の順位戦でスティーブンに勝つ。(順位戦に出場できるのは騎士科だけ)

・スティーブンとの一緒に勉強イベント発生(これがないとスティーブンが編入出来ない。)

・ヒロインとスティーブンが特待クラスに編入試験を受けた。

・最初の期末パーティの相手役としてスティーブンが登場


ゲームと違って学園にアーサーが居る以上、スティーブンは特待クラスに居ないと色々問題がある。

そしてスティーブンのステータスで足りないのは主に学力。

編入するには文官科の授業を多くとらないといけない。

ゲームでスティーブンに勉強させるのに苦労したなとサーシャを遠い目をした。


元々浮いている上に騎士科の授業に出ない、その上茶会での出来事

スティーブンがヘイトを集める要因は多い。

ある程度知り合いで無ければ彼が編入試験の為に文官科の授業を受けていることを知らないのだろう。

サーシャも編入を目指しているが足りない教養をメインに学べる淑女科にいるのでクラス内では非常に熱心な生徒と見られている。

・・・熱心過ぎて目立っている部分はあるが・・・

そうやって頑張っているサーシャの足を引っ張っるようなことをしたのでヘイトに油を注いだらしい。


サーシャや他のヒロイン二人が騎士科に居ない以上、条件の一つである順位戦でヒロインがスティーブンに勝つは発生しない。

なんでこうなったと頭を抱えるサーシャだった。

閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


ゲームのイベントは発生頻度や難易度でD~SSに設定されています。

アペンディックスのイベント参照画面で発生難易度と条件が確認できます。

サーシャは全員のエンディングを見てますが、スティーブンの一緒に編入イベントは見てません。

友人から聞いただけです。



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