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大樹の元に~前提条件が壊れた結果  作者: 秀


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22_お茶会後

・・・このエピソード、元々考えていたのものだったのですが・・・

王立学園内の食堂は複数用意されている。

一般クラス向けは騎士科向け、文官科向け、淑女科向けと分かれていている。

利用者は別に制限されていないので騎士科の女子生徒が淑女科向けの食堂にデザートを食べに行く。

反対に文官科の生徒でもがっつり食べたいときは騎士科向けの食堂に行く。

流石に淑女科向けは婚約者と一緒でないと男子生徒は行き辛いが。


これらの他に高位貴族向けのサロンがあり、個室で食事をすることが出来る。

中には王族しか予約できない貴賓向けのサロンもある。

ゲームでは王太子ルートに入るとイベントで招待される部屋だ。

※デートイベントに見せ掛けた密談イベント、

話題は如何にラスボス(第三王女)を追い詰めるか・・・

部屋には王太子の他にイーダと謎の少年(アーサー)がいる。

平民や下位貴族の利用が禁じられている訳ではないが値段が一般クラス向けの3倍以上、

部屋数も限りがあって、満室になった場合は高位貴族、それも爵位が高い方が優先される。

なのでお祝い事で下位貴族以下が利用する場合は、高位貴族達が利用する日や時間を避けるようにしていた。


春の茶会が終わって少し経った頃、王族向けのサロンで食事会が開かれた。

出席者はピエールとアーサーの王子二人に、ファビアン、ボリス、スティーブンの5人

特待クラスのピエールとアーサーは時々騎士科の実技に参加する。

それにファビアンとボリスが付き合い、スティーブンを交えて昼食をとることにしたのだ。

普段特待クラスのエリアにいる王子が一般クラス向けのエリアに出てくる数少ない機会であり

サロンに向かう5人は女子生徒達の歓声に包まれている。

全員婚約者が居ないこともあって、少しでも目に留まろうと取り巻きはするものの護衛に阻まれ必要以上に近付けない。


そんな様子をサーシャは離れた場所から気配を消して見ていた。

・・・ゲームでよく出会いイベント起こったな・・・

サーシャが騎士科にいる時、ここでよくあるベタなぶつかりイベントが起こる。

サーシャの身体能力なら取り囲む生徒や護衛をすり抜けて王子達に近付くことが出来るだろう。

が・・・ネロで鍛えられた索敵能力で王子達に気が付かないと言うことはあり得ない。

そしてここでそれをやれば間違いなく護衛に捕まる。

「何を見ているの?」

そこへポリー達3人がやってきた。

「あれ」と指差す先の王子一行を見て、

「あー、そういや今日の訓練場、妙に警戒が厳しいと思った。」

「一緒じゃないの?」

「クラス違うからな。俺達は射的場の方だった。」

「この時期、剣の道場は上の連中に押さえられていて使えないのよね。」

4人はサロンの方に近付くことなく去っていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


サロンでは食後のデザートと珈琲が出され、給仕が部屋を出ていった。

「おっ、これ新作か?」

スティーブンは嬉しそうにミルクレープにフォークを突き刺した。

「お前なあ。」

その様子に呆れたように見つめるアーサー。

特待クラス組は女子寮からレシピを伝えられて既に食べているので感動は薄い。

自分達しか居なくなったのを確認したファビアンが結界の魔道具を起動する。

一瞬で周囲のざわめきが途絶え、部屋の雰囲気が変わった。

「スティーブン、茶会の話は聞いた。

一体何をやっているんだ。」

スティーブンは気まずそうに下を向く。

「えっと霊峰の麓の話を聞けて舞い上がってました・・・」

「気持ちは分からないでもないけど、あれはただの親睦会じゃない。

淑女科の授業の一環だ。」

「お前のしたことは同席した生徒の成績を傷付ける行為だと分かっているのか。」

「はい・・・それで詫び状を送りました・・・」

「受け取って貰えたのか?」

「いえ、淑女科に対する詫びは受け取って貰えましたが個人の方は・・・」

「拒否されたか。」

「再教育が終わるまで淑女科への接近禁止を申し付けられました・・・」

「全く・・・確認したら同席の3人に対する減点は無いと言っていたよ。」

それじゃと顔を上がるスティーブンに冷たくボリスが言葉を続ける。

「代わりに良い成績も取れなかった。

お前の振る舞いが無ければ最低でもAランク評価だったのに、標準のBランク評価

お前の評価のDにならなかっただけましだがな。」

「新緑のダンスパーティには出すなと淑女科から言われている。」

「そんな・・・」

会話を黙って聞いていたピエールが口を開いた。

「東方騎士団の秘蔵っ子である彼女には後期から姉上の護衛騎士を務めて貰うことを予定していた。」

「はい・・・」

「今回の一件でそれが厳しくなった。」

副音声で「お前の振る舞いでな」と聞こえてくる。

「スティーブン・デ・バルバ、お前にはアーサーの側近を予定している。

前期の編入試験に合格せよ。良いな」

「分かりました。」


閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


これ、本来サーシャのやらかしイベントになる筈だったのですが

・・・全くそうならなかった・・・

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