20_春の茶会、想定外の出会い
サーシャとスティーブンの出会いイベント
突然教師からイレギュラー対応を命じられた上級生は災難です。
・・・なんでここで出会うんだ・・・
春の茶会でサーシャに割り当てられた役割は女性側の主役の親戚
客と言うよりはホステス寄り、ただし社交界デビュー前でこの茶会の出席者と面識無し。
客にすると会話が問題なので、下手な役割は振らず、マナーはあります、領地育ちでお茶会初心者です。
ある意味そのままを設定とした。
同じテーブルの上級生に割り当てられた役は彼女の親戚で補助担当。
結構有りそうなシチュエーションである。
お茶会初心者をどうフォローするか?
うまくフォローできれば好成績が付くけど失敗すると・・・
補助役の上級生としてはサーシャが知識不足なだけで頭が悪い訳ではないのが救い。
さてここで冒頭のセリフに戻る。
用意された席に作法通りに席に着くとその席にスティーブンが案内されてきたのだ。
当然、ゲームでこう言う形で出会うイベントは聞いたことが無い。
そもそも騎士科関係者が淑女科イベントに関わることは少ないのだ。
仲良くなればダンスパーティーで一緒に踊ることもあるが。
少なくともこの一年目の春の茶会で出会う可能性があるのは淑女科ライバルのナウシカアだけである。
実際、準備段階で用意された茶器や茶葉の説明をしてくれた。
サーシャとしてはアリサについて聞きたかったがそこまで親しくなれた訳で無し。
彼女と面識が出来ただけ良しと思っている。
「最初に角兎を倒したのは・・・・」
「狩猟祭で獲った獲物は・・・」
はい、サーシャとスティーブンで会話が盛り上がりました。
・・・同席する他の令嬢達を置き去りにして・・・
最初、茶会に慣れない二人の為に、補助役の上級生が領地での過ごし方について聞いた。
初めの内はぽつぽつと言葉を交わしていたのだがお互い狩りについて話し始めたら止まらなくなった。
これはサーシャと言うよりスティーブンが悪い。
騎士の家系に生まれ育った彼はこの手のお茶会での会話のネタが乏しい。
勉強中のサーシャよりも会話の接ぎ穂が無く、困っていたところで自分の話についてこれる女性が居たのだ。
打てば響く会話にスティーブンは夢中になった。
サーシャの方は上級生の目線で何とか会話の軌道修正を図ろうと努力した・・・
話題の内容を淑女科の女生徒でも理解できるようにかみ砕き、そこからお茶会向けの会話に繋げようとした。
それをぶった切って騎士向けの話題にしたのはスティーブン
結果、騎士向けの会話に終始することになってしまった。
「茶会でここまで話の合う方は初めてだ。」
満面の笑みのスティーブン
対するサーシャはと言うと引き攣った笑みである。
終わった後、サーシャは同席の上級生二人に頭を下げた。
「済みません。合図を何度も頂いたのに・・・」
その言葉に補助担当の上級生は静かに首を横に振る。
「あれは仕方がないわ。」
「私達も会話を戻せなかったから・・・」
今回の茶会のこのテーブルの評価は作法は問題無し。
淑女科で修行中(作法だけはかなりの好成績)のサーシャ
サーシャの補佐役の上級生二人は問題児の対応を任される程の成績上位者
スティーブンは騎士系とは言え高位貴族、伯爵家の令息
作法は問題無し・・・問題は会話・・・
普段のスティーブンなら適当に令嬢達に合わせて無難な会話しただろう。
が、同席していたのはサーシャ。
騎士見習いとしてそれなり経験を積んでいる彼を初心者扱いできる実力の持ち主がいた。
スティーブンは茶会の礼儀をすっ飛ばして自分の興味を充足することを選んだ。
結果、上級生二人、およびサーシャは彼の熱量に力負けしたのだった。
「ゲスト(スティーブン)が満足しているみたいだから失敗ではないわ。」
「夜会でも自分達の興味のある話題に夢中になってパートナーを置き去りにする殿方達を偶に見掛けるけど・・・」
「茶会であれはマナー違反よ。」
「淑女科として彼を寄越した騎士科に苦情を申し入れることになるわね。」
そもその春の茶会は学園イベントであると同時に淑女科授業の一環。
各テーブルには審査員が最低一人付いていて採点される。
出席した生徒の成績に関わる問題であり、その振る舞いは趣旨を理解していないと非難されて然るべきことだった。
済みませんと再度謝るサーシャに二人は苦笑い。
「貴方のせいじゃないわ。
本来私達がフォローしなくていけないことだったのに。」
「サーシャさん、凄く詳しいのね。
バルバ令息の話、半分も理解できなかった・・・
貴方が色々補足してくえたお陰で何とか会話に加わることが出来たわ。」
「私もです。
夜会で狩りについて殿方が夢中になって会話しているのを聞いたことがあったけど・・・
ここまで詳しくなかったわ。
今度、婚約者に自慢してみようかしら。」
「ええ、本当に、貴方、騎士科に行くべきだったんじゃないの?」
サーシャは乾いた笑いを返すだけだった。
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サーシャとスティーブンがこの茶会の参加者になったのは騎士科上層部の依頼
サーシャを特待クラスに上げて、王族の護衛にしたいという思惑有
餌としてスティーブンを召喚しました。
ただし、餌としては失格
スティーブンの好感度は爆上がりしましたが
サーシャは空気が読めない男として思い切り下げてます。
スティーブンはこの後教師から淑女科の茶会で何をやっているんだと叱責されました。




