表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第9章:【150億の債務超過編】――救世主(ウチ)に頼むなら、まずは仕様書を出さんかい!
PR
98/100

【お別れ】と「金のソロバン像」 ――感謝するんやったら、ホンマは現金とちゃいまっか?



 オーバーライド・エンパイアの経営再建が完了し、エリザベスたちが元の世界へ帰る日がやってきた。


 『中央演算聖域』の広場には、150億人を代表する各エリアのリーダーたちが集結し、地鳴りのような歓声が響き渡る。


「お嬢様。広場の中央、巨大な布で覆われた物体を確認。魔力波形から推測するに、純度99.9%の黄金。嫌な予感しかいたしません」


 カシムが事務的に、そして眉間みけんを深く寄せて報告する。


「……アンタら、ウチらが帰るからって、まさか変な『記念品』とか用意してへんやろな?」


 エリザベスが不審げにソロバンを鳴らした瞬間、アリスが満面の笑みで合図を送った。


「エリザベスさん、私たちの感謝の形です! せーの、公開っ!」


 バサァァァッ! と、巨大な幕ががれ落ちた。


 そこに現れたのは――高さ50メートル、全パーツが純金で作られた、『世界を救った黄金のソロバンを掲げるエリザベス像』。


「「「お嬢様、ありがとうございまーす!!!」」」


 全員による大合唱。


「あ、あほ抜かせぇぇぇ!!!」


 エリザベスの怒声が、聖域の空を突き抜けた。


「誰がこんな、維持費と固定資産税がかかりそうなもん建てろ言うた! 

像なんて一銭の利益も生まん『死に資産』や! 

50メートル? 邪魔や! 掃除する身にもなりなはれ!」


「えっ……。でも、感謝の気持ちを込めて、皆で魔力を結晶化させたんですよ……?」


 シュンとするアリスと民衆。


 圧倒的な熱量に、さすがのエリザベスもこめかみを押さえる。


「……ふふ。エリザベス、落ち着きなさい。

彼らにとって、君はそれだけ巨大な存在だということだよ。

もっとも、私の書斎に置くには、少々サイズが大きすぎるがね」


 エドガーが、楽しそうに肩を揺らして笑う。


「笑い事やないわ、エドガー! 

カシム! この『黄金のゴミ(像)』、今すぐ解体して細かくしなはれ! 

その金で、各エリアに『ナニワ商会直営・職業訓練所』を100個建てるんや! 

余った分は、レインの旦那の『新生活支援金』に回しなはれ!」


「承知いたしました。これが本当の『歴史の塗り替え』ですね」


 カシムが即座に計算機を叩き、民衆の「感謝」を「実利」へと書き換えていく。


「ありがとう、エリザベス。君は最後まで、俺たちに『生きるための力』をくれるんだな」


 レインが、ナニワ商会の制服(特注の白衣)をまとい、晴れやかな笑顔で手を振った。


「ふん。アンタがしっかり働いて、『配当』を送ってくるのを楽しみにしてるで!

ほな、エドガー、カシム、ギル! 帰るで! 

本拠地ナニワ・アベニューが、帰りを待ってるわ!」


 エリザベスは、光の渦の中へと足を踏み入れる。


 大歓声と、解体されていく黄金像の欠片かけらがキラキラと舞い散る中、最強の商売人一行は、意気揚々と自分たちの世界へと「凱旋がいせん」するのだった。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます!


 像を即解体して再利用するあたり、エリザベスらしい決断でしたね。


 これまで「金」を武器に駆け抜けてきた一行。


 最終回まで残り2話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ