【世紀の合併披露宴】! ――祝儀は国家予算級? 愛と金が舞い踊る大式典
ナニワ商会のエリザベスと、監査卿エドガーの結婚式。
「……お嬢様。……本日の参列者は各国の王族、大商人、そして紛れ込んだスパイを含めて三万人。ご祝儀の総額は、すでに国家予算を上回っております。……記帳が追いつきません」
カシムが、金粉が散らされた豪華な礼装に身を包みつつ、十台並べた魔導計算機を爆速で叩く。
巨大な竜の姿のギルが、首に巨大な純白のリボンを巻き、幸せそうな笑顔で口を開く。
「お嬢、おめでとう! お祝いに、空から特大の火力をプレゼントしちゃうよ!」
「……ギル、火を噴くのは演出だけにしなはれ。客席を焼いたら『賠償金』で大赤字やからな!」
純白のドレス――それも、一ミリごとに魔結晶が編み込まれた、時価総額が計算不能な逸品を纏ったエリザベスが、ギルの背の上で仁王立ちした。
隣には、漆黒の軍装に身を固めたエドガーが、愛おしそうにエリザベスの腰を抱き寄せている。
「エリザベス、準備はいいかい? ……結婚生活という名の『長期投資』。配当が、こんなにも早く得られるとは思わなかったよ」
「ふん。アンタを『専属の財布』にしたんや。ド派手に宣伝せんと、元が取れへんわ!」
ギルが咆哮し、空へと舞い上がる。
披露宴会場と化した街に、エリザベスは拡声魔道具を構えて叫んだ。
「ナニワ令嬢と監査卿の『結婚記念日』や! 振る舞い酒も、料理も全部タダ! その代わり、帰り道に、『新事業出資説明会』に、強制参加してもらうで!」
空から、祝儀への返礼として「ナニワ商会・生涯割引クーポン」が、雪のように舞い散る。
他国の王族たちは、あまりのスケールの違いに、戦慄した。
「この波に乗らなければ、自国の経済が買い叩かれる……!」
彼らは慌てて、財布の紐を緩め始めた。
「……結婚式で『出資』を募る花嫁なんて、世界中に君だけだろう。……だが、そんな君だからこそ、私は全てを賭けたんだ」
エドガーが、エリザベスの額に、深く口づけを落とす。
「……っ!? ……ア、アンタ、人前で何してんねん! お小遣い、生涯ゼロにすんで!」
顔を真っ赤にしながらも、エリザベスはエドガーの胸に深く寄り添った。
計算不能な愛の力。
それは今、巨大な「資本」へと姿を変え、世界の理さえも加速させていく。
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盛大な式となりましたが、エリザベスにとって結婚はゴールではなく、エドガーという最強のパートナーを得て、手に入れた「新たな経営基盤」に過ぎません。
披露宴で集めた軍資金で、次はいったいどんな世界を買い叩こうとするのか。




