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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第8章:【純愛?】ナニワの看板娘、恋という名の『計算不能』に、ソロバンを弾き損ねる
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【無一文】からの逆転劇? ――ドレスのまま、路上で「エドガー」を売る



「…………無一文。ウチの全財産が……」



 豪華な会場の外、冷たい夜風に吹かれながら、エリザベスは空っぽの財布を逆さにした。


 出てきたのは、さっきエドガーから渡された「口座凍結」の通知書一枚だけ。


「……お嬢様。私のヘソクリも、ギルとコツコツ貯めていた『美味しいお肉貯金通帳』も、全てエドガー卿によって没収されました。……パン一つ買うお金もございません」


 カシムが、いつになく殺伐さつばつとした無表情で告げる。


 豪華なドレスのギルが、涙目で腹の虫を鳴らした。


「お、お嬢……お腹空きすぎて、その辺の馬車の馬が、美味しそうなチキンに見えてきた……」


「……あかん。国際問題になるわ」


 エリザベスは、ぐいっとドレスのすそまくり上げ、歩きにくいハイヒールを脱ぎ捨てた。


「……エドガーのアホ。甘いわ! ウチを誰やと思ってるねん。ナニワの看板背負って、ゼロから世界を買い叩いてきた女やで!」


 瞳に、獲物を狙う「商売人」の輝きが戻った。


「カシム! そこらのゴミ箱から、綺麗きれいな紙とペンを拾ってきなはれ! それと、夜会の厨房から最高級の牛フィレ肉をパクってくるんや! ギル! アンタは一番高い声で、今夜の『特大イベント』を宣伝!」


 ギルは喉の奥を鳴らすと、言葉の代わりに熱線を空へ放ち、夜空を火柱で染め上げた。


「……お嬢様。……まさか、路上で商売を?」


「当たり前や! 元手がないなら、『知識』を切り売りしたるわ!」





 夜会から出てくる着飾った貴族たちの前に、異様な光景が現れた。


 豪華なドレスをまとったまま、地面に堂々と座り込んだエリザベスと、「世界一高い抜け殻」と書かれた看板を持つカシム、そして口から火を噴いて客寄せをするギル


「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい! 今夜だけやで! 伝説の古代竜による『一瞬で焼き上がる直火焼きステーキ』! そして、ウチが教える『エドガー様の倒し方・極秘メモ』! 一口・金貨一枚からや!」


 エドガーに憧れる令嬢たちが「極秘メモ」に食いつき、役人たちが、竜の火力に驚いて足を止める。


「……お嬢様。……ただの紙切れが、爆速で売れていきます。……利益率一〇〇パーセント。さすが、『ミーハー心』をお金に変えさせたら、右に出る者はおりませんね」


 カシムが、拾った空き箱を金庫代わりに、次々と投げ込まれる金貨を回収していく。


「ふん、当たり前や! ……さぁ、軍資金は集まったで。エドガー、覚悟しなはれ!」

 お読みいただきありがとうございます!


 無一文になっても、エリザベスのソロバンは止まりません。


 「ないなら作ればいい、売れるなら何でも売る!」の精神で、エドガーのプライバシーすらも軍資金に変えました。


 エリザベスが「路上の実業家」として覚醒します。


 さて、次に何をやらかすのか……引き続き、お付き合いいただけると嬉しいです!

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