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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第7章:【航空】空の王者に「ナニワ」のロゴを。――翼があるなら、麺を運搬(はこ)びなはれ
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「空を見上げたなら視聴料(カネ)を払いなはれ」。――伝説の翼、広告塔へ

 軍事帝国ガリアの王都広場。


 ようやく息を吹き返した族長バハムは、慣れない手つきで、ナニワ麺の「まかない」をすすっていた。


「……う、うまい……。音速を超えて羽ばたいた甲斐かいがあったというものだ……」


「……でしょう? 頑張った後のマシマシは格別ですよ、族長」


 ギルが、ドラゴンのうろこをポリポリといてやりながら、動画の再生数を確認している。


 だが、平穏を打ち破ったのは、カシムが差し出した、最新型の魔導通信機スマホだった。


「……族長、お嬢様から追加の指示です」


「……あ、もしもし? 出前、評判ええみたいやん」


 通信機から響くエリザベスの声に、族長は直立不動になった。


「はっ! お嬢様! すでに納品を完了し、次のフライトに備えて……」


「あぁ、それなんやけど。目的地に着くたびに、ハンもらうの効率悪ない? 時間の無駄やわ」


「は……? 効率、でございますか?」


「せや。次からは、空域を飛びながら『ナニワ・ドライブスルー』を開始しなはれ。あと、その翼、ただ飛んでるだけやったら、もったいないわ。……カシム、例の『空中広告ラッピング』の準備はできてる?」


「……はい、お嬢様。すでに全竜の翼の裏側に、蛍光魔法で『ナニワ商会、深夜まで営業中』の文字を刻む準備が整っております」


 族長は、持っていた割りばしを落とした。


「誇り高き我らの翼に、直接文字を刻んで光らせろと……?」


「何言うてんの。空飛ぶ『看板』になれるんやから、光栄に思いなはれ。それと、ついでに空域の下にある国々に『ナニワの看板が空を通過した通行料』を請求しとき。広告を見たんやから、視聴料払うのが筋やろ?」


 もはや物流ですらない。


 エリザベスは、空そのものを「ナニワのサブスクリプション」に変えようとしていた。


「……というわけです、族長。三秒以内に完食しなさい。……。次は、帝国の防空圏を『広告宣伝飛行』として往復します。一秒でも止まれば、損害賠償を請求しますよ」


「……っ! 我が一族、全速前進だぁぁ!! 翼に文字を刻め! 恥をかき捨てて、ナニワの看板になるんだぁぁぁ!!」


 族長の悲痛な咆哮ほうこうとともに、金色の文字をきらめかせたドラゴンたちが再び空へと舞い上がる。


 空の覇者が「広告塔」へ成り下がったその日、世界の空域権はエリザベスの手中に落ちた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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