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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第7章:【航空】空の王者に「ナニワ」のロゴを。――翼があるなら、麺を運搬(はこ)びなはれ
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敵襲かと思えば「マシマシセット」。――王都を埋め尽くす、黒い雪(カップ麺)

 軍事帝国ガリア。


 この国は、鉄壁の防空網を誇る「空の要塞」として恐れられていた。


 だが、平和な午後は、突如として空を裂く「衝撃波ソニックブーム」によって破られた。


「て、敵襲だぁぁぁ! 上空より正体不明の高エネルギー体が急接近! ……マッハを超える速度です!」


 迎撃に出ようとした帝国騎士たちが、愛竜にまたがる暇もなかった。


 雲を突き抜け、王都の広場に降り立ったのは――コンテナを背負い、白目をいて泡を吹く古代竜の群れだった。


「ひ、ひ、ひぎぃぃ……! ……着いたぞ。三十分以内……間に合った……!」


 族長バハム・ズ・アゴが、地面にキスをしながら、震える声で叫ぶ。


「……目標時刻より十二秒短縮。お疲れ様です、族長」


 族長の眉間みけんから軽やかに飛び降りたカシムが、呆然とする帝国の門番に「受領印」の書類を突きつけた。


「……ナニワ商会・航空貨物部門です。ご注文の『ナニワ麺・特製マシマシセット』一万食、お届けに上がりました。……ここにサインを。……お嬢様からお預かりした『試供品』は、今から空域全体に配布します」


「……えっ?」


 門番が空を見上げた瞬間、ギルが指を鳴らした。

 

「おっけー! みんな、ナニワのおまけ、受け取ってよね!」


 上空で待機していた若竜たちが、一斉にコンテナを解放する。


 空から降り注いだのは、雨ではない。


 パラシュート付きの「ナニワ特製・カップ醤油麺(限定版)」が、黒い雪のように王都を埋め尽くした。


「空からドラゴンが、麺を運んできたというのか!?」


 恐怖は、「食欲」へと塗り替えられた。


「……さあ、帝国中に広めなさい。……空を支配するのは、もはや翼ではありません。……お嬢様の『鮮度へのこだわり』です」


 カシムが不敵に微笑む傍らで、族長は「もう二度と飛びたくない……」と、干からびていた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


「空を支配するのは翼ではなく、鮮度」


 お嬢様のビジネス哲学が、帝国を美味しく侵食しました。


 降ってきたのは弾丸ではなく、お湯を注ぐだけで幸せになれる一杯。


 族長、過酷な輸送任務、本当にお疲れ様でした。

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