「空は我らドラゴンの聖域」? ――なら、その羽ごと買い叩いて、ナニワ麺を運ばせたろか
ナニワ商会の会議室。
エリザベスは、広大な地図を広げたカシムの報告を聞いていた。
「……お嬢様。新大陸の物流は飽和状態です。
陸路は山岳地帯に阻まれ、これ以上の速度向上は見込めません。
ナニワ麺を『できたて』の鮮度で遠方へ届けるには、空を支配する必要があります」
「空、ねぇ。ええやん。もっと大型の船を飛ばせば、一気に数万食運べるわ」
「ですが、隣国『天教国スカイハイ』を拠点とする古代竜の一族が、空域のすべてを自らの領土として主張しています。
族長によれば『翼なき者が空を汚すのは許さん』とのことで、我が社の飛行船舶が近づけば、焼き払うと警告してきました」
エリザベスは黄金の扇子をパチンと閉じ、窓から悠々と飛ぶドラゴンの影を睨みつけた。
「……空を汚す? 翼があるから偉いんか? ……アホらし。そんなん、ただの『物流独占』やないの」
「おっしゃる通りです。彼らは空域を我が物顔で支配し、地上の国々に、不当な貢ぎ物を要求しているのが実態です」
エリザベスの瞳に、強欲な光が宿る。
「決まりや。カシム、すぐにトカゲどもに『ナニワ商会・航空輸送部門』への出向を提案しなはれ。
空を飛びたいなら、プライドを捨てて、ウチの麺(荷物)を背負って飛ぶんや。
……拒否するなら、連中の住処の山ごと手に入れて、高級ドラゴンステーキ店として売り出したげるわ」
今回もお読みいただき、ありがとうございます!
ドラゴンは「敵」ではなく、「物流のパートナー(過酷労働枠)」として迎え入れる……これがナニワ商会のやり方です!
誇り高きドラゴンたちは、果たしてナニワ麺を背負って飛んでくれるのでしょうか?




