【逆転】「法の番人」を、ナニワ商会の事務員に再就職させました
「……ご報告します」
カシムがパチンと指を鳴らすと、法廷の壁に大きな『請求書』が映し出された。
「中央大審問所を建てる時に借りたお金がまだ返せていませんね? ソロモン王、貴方は借金を『中通』に押し付けていましたが……」
エリザベスが、ソロモンの机に足を乗せる勢いで身を乗り出した。
「借金、全部ナニワが買い取ったんや。建物も、椅子も、手にした木槌も……全部、うちの備品やで」
「な……何を馬鹿な……!」
「カシム、条文言ったげて」
「はい。同盟法では『大審問所の維持費を払えない者は、裁判をする権利を失う』とあります。……ソロモン王。身銭を切らない貴方の肩書きは、ただの『不法占拠者』です。オーナーであるエリザベス様を裁く権利など、最初からありません」
エリザベスは扇子でソロモンを指し示した。
「立場が逆や。ジジイ、どきなはれ。ここは今日から、ナニワ商会の『相談窓口』や!」
「ひ、ひぃぃ……! 私は王だぞ! こんな仕事ができるか!」
数時間後。
ソロモン王は、豪華な王冠を脱がされ、山のような書類の前に座らされていた。
首には、逃げ出そうとするとピリッと電気が走る『ナニワ式・社員証』が光っている。
「王様やろ? 法律には詳しいはずや。ナニワ商会の『書類チェック係』として、死ぬ気でハンコを押しなはれ」
「そ、そんな殺生な……!」
「嫌やったら、今までネコババした税金を全部一括で返してもらうで? ……カシム、ノルマは?」
「はい。今夜中に一万枚です。終わらなければ、晩ごはんは麺の残り汁のみですね」
エリザベスは、半泣きでペンを走らせるソロモンを背に、悠々と法廷を後にする。
「看板は『同盟』のままでええわ。他のお客さんも安心するやろ? ……ただし、中身は全部うちの言いなりやけどな!」
こうして、世界を牛耳っていた「法の番人」は、ナニワ商会の「一番こき使われる新入り事務員」へと再就職させられたのであった。
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法の番人だったソロモン王も、ナニワ商会の前では「ノルマに追われる事務員」です。
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