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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第4章:『合法ぼったくり』の回収期限――暴力による踏み倒しは可能か?――
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【無双】デートの延長(5分)がかかってんのよ! ~秒で整理整頓される先遣隊と、現場に突き刺さる罰金看板~

 ナニワ商会まで、あとわずか。

 自由貿易同盟が誇る「鋼鉄の先遣騎士団」が、砂塵さじんを上げて爆走していた。


 最新鋭の魔導輸送船を投入し、旧帝国の防衛網を力技で突破しての強行軍。


 あまりの速度スピードに、エリザベスもさぞかし肝を冷やしているだろう――と、団長は確信していた。


「聞け! 我々は不当な借金を無効化し、特使レオンハルト卿を救出する! 相手はたかが商人、最新鋭のゴーレムの前には無力よ!」


 団長が剣を掲げ、士気を高める。


 その時、天が割れる轟音ごうおんと共に、黒銀の閃光が、大地へ突き刺さった。


「――ちょ、マジで邪魔なんだけど! 一分一秒が超貴重なわけ! どいてくんね!?」


 爆煙の中から現れたのは、髪を振り乱し、苛立いらだちを隠さないギャル美女――ギルだった。


「な、なんだこの女は!? 出所不明の魔導生命体か!? 構わん、全機、一斉掃射……」


「あー、マジうるさい。はい、強制終了シャットダウン~」


 ギルが面倒くさそうに指をパチンと鳴らした瞬間、周囲の魔力が「逆流」した。同盟が誇る最新鋭のゴーレム百体が、内部から破裂して、ただの「粗大ゴミ」へと変貌へんぼうする。


 重厚なよろいの騎士たちが、彼女の威圧感だけで地面にめり込んだ。


「……う、嘘だろ。我が国の誇る魔導技術が、指先一つで……。貴様、一体何者だ……!」


「は? ただの『恋する乙女』だし。カシムとのデート時間が5分延びるかどうかの瀬戸際なの。あんたたちがトロトロ進軍してるせいで、タイムスケジュール、マジぴえんなんだけど!」


 ギルは空中を浮遊して、手元の魔導端末スマホでタイマーを確認した。


「よし、開始から20秒。……あと5秒で片付けたら『おまけの5分』確定っしょ。……おじさんたち、悪いけど物理的に『整理整頓せいりせいとん』させてもらうね。マジ、バイバーイ!」


 ギルの両手に黒銀の魔力が収束する。

 かつて一国を滅ぼした極大魔法『終焉の咆哮 ラグナロク』――の、ギャル向け省エネ版。



「食らいな! 『マジでわからせ・エクスプロージョン』!!」



 ドォォォォォォォン!! というすさまじい衝撃波が荒野を駆け抜けた。    



 

 綺麗きれいに整列させられ、すべての装備を「ぎ取られた」状態で気絶している騎士たちの山と、全壊したゴーレムのスクラップが整然と積み上げられていた。


「ふぅ……。秒で終わらせたし。これならカシムも文句ないよね?」


 ギルが満足げに髪をかき上げると、後方からエリザベスの高笑いが響いてきた。


「ええわぁ! ギルちゃん、完璧な仕事や! カシム、今の録画した? 同盟に送りつければ、『戦意喪失による和解金』が上乗せできるで!」


 エリザベスは、全裸同然で転がっている騎士団の横に、一枚の大きな立て看板を突き刺した。



【不法侵入および公道占拠罰金:金貨一億枚。お支払いはナニワ商会まで】



「……。社長、ギル様の討伐時間は28秒。デート時間を『4分40秒』延長するようスケジュールを修正しました」


 カシムが、淡々と報告書に書き込む。


「マジで!? カシム、神!! ラブ度ぶち上げなんだけど!!」


 先遣隊は、ナニワ商会の看板娘(魔竜)と、推し(最強騎士)のコンビプレーによって、身ぐるみをがされた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます!


 自由貿易同盟が誇る最新鋭騎士団も、恋する乙女(魔竜)の前では「邪魔な障害物」に過ぎませんでした……。


 そして秒単位でデート時間を管理するカシム。

 4分40秒の延長を勝ち取ったギルのラブ度は、今頃カンストしていることでしょう。


 一方、エリザベスはちゃっかり罰金看板を設置。

 「金貨一億枚」を取る経営判断に、迷いはありません。


 「面白かった!」「ギルちゃん可愛い!」と思われた読者様は、ブクマや評価で応援いただけると嬉しいです!

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