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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第4章:『合法ぼったくり』の回収期限――暴力による踏み倒しは可能か?――
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【宣戦布告】借金の総額、国家予算3年分。――追い詰められた同盟は「物理」で踏み倒しを決意。

「……これは、我が同盟に対する明確な宣戦布告と受け取って相違ないな?」


 自由貿易同盟の本拠地、聖都アイギス。豪華な円卓を囲むのは、異大陸の広大な領土を牛耳る数か国の王、そして経済を支配する大商長たちだ。普段は利権を巡って醜い争いを繰り広げる彼らだが、この瞬間だけは、一様に苦虫をつぶした表情で正面の魔導スクリーンを見つめていた。


 映し出されているのは、エリザベスが全世界に有料配信した『更生ドキュメンタリー』のダイジェスト映像だ。



『さあ、スマイル! 笑顔を欠かしたら、延滞金上乗せやで!』



 画面の中で、かつて「自由貿易同盟の至宝」とうたわれた特使レオンハルトが、衣装をぎ取られ、薄汚れたTシャツ姿で「スマイル0円」と殴り書きされた看板を首から下げていた。虚ろな瞳で、ナニワ商会の社歌を小声でハミングしながら、泥を運ぶ台車の横で愛想を振りまいている。


「『帳簿の魔女エリザベス』め……! 我らが誇る特使を、よりによって無料タダの商品として扱うとは!」


 一人の商長が机を叩いて立ち上がった。


「見ろ、この同時接続数とSNSの拡散数! 同盟のブランド価値は地に落ちた。関連株は軒並み暴落、加盟国からは『特使一人救えない同盟に、加盟し続ける価値はあるのか』と突き上げを食らっているのだぞ!」


「それだけではない。エリザベスめ、レオンハルト卿が特使権限でナニワから引き出した借金の支払い期日が過ぎていると、加盟各国に通告してきおった!」


「……おい、口座から強制決済チャリンされたのは、レオンハルトの個人資産と同盟が差し出した担保分だけではなかったのか!?」


「ああ、それは『着手金』だ。エリザベスめ、こう付け加えてきおった。――『テロリストセレスティーヌ破壊兵器プラチナ・カードを持たせて放流した同盟の管理責任。これに伴う精神的苦痛と、今後の治安維持費……しめて、加盟各国の国家予算3年分、期限内に耳を揃えて払ってもらおか』と!」


 場が凍り付いた。


「踏み倒せ! あんな女、力でねじ伏せればよかろう!」


「馬鹿を言え。我らが共有している『魔導通信網』や『物流ポータル』の権利の一部は、すでにレオンハルトが担保としてナニワに差し出しておる。無理に踏み倒せば、同盟の経済インフラそのものがナニワの手によって凍結ロックされるぞ!」


 同盟のリーダーたちは、自分たちの足元にいつの間にか「ナニワ」という名の巨大な地雷原が広がっていることに気づいた。レオンハルトの不始末を切り捨てたいが、彼が勝手に結んだ「極悪な契約条項」のせいで、切り捨てれば自分たちの国まで連鎖倒産しかねない。


「経済交渉の段階は、もう過ぎた。あの女が『契約』と『帳簿』を盾に世界のルールを書き換えようとするなら、我らは『物理』で回答するまでだ」


 円卓の最奥に座る、同盟最強の軍事国家の王が冷たく告げた。


「……諸君、これは人道支援でもレオンハルト奪還作戦でもない。『世界最大規模の踏み倒し』だ!」

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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