表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/55

聖女、突撃! ――そこは「全品10%還元セール」の真っ只中でした

「――いざ、浄化の時よ! けがれた聖域を、私たちの手に取り戻しましょう!」


 セレスティーヌは、ヴィクトールやシオンたち「逆ハーレム騎士団(自称)」を従え、馬車から颯爽さっそうと降り立った。背後には、レオンハルトがあおりに煽った民衆たちが、暴動寸前の熱気で押し寄せている。


 だが、彼女が杖を掲げて突撃しようとした先で、耳を疑う声が響いた。


「いらっしゃいませー! 本日は『聖女様ご光臨記念・全品10%還元セール』にお越しいただき、誠にありがとうございまーす!」


 モールの入り口に立っていたのは、泥にまみれた「ナニワ商会」の制服を着て、必死にビラを配るアルベルト(元)王子の姿だった。


「ア、アルベルト様……!? 何してるの、そんなところで!」


「あ……セ、セレスティーヌ!? 来たのか……! 頼む、入館料の銀貨3枚、先に払ってくれ! じゃないと俺の今日の給料が天引きされるんだ……!」


 ガタガタと震えてビラを差し出すかつての婚約者に、セレスティーヌは絶句した。すぐ隣で、バニーガールならぬ「精霊風」の衣装を着せられた帝国令嬢たちが、笑顔でポイントカードの入会案内をしている。


「な、なによこれ……! もっとこう、禍々まがまがしい魔物がいて、私が倒すんじゃないの!?」


「お困りのようですわね、セレスティーヌ様」


 モールのテラス席から、扇子を片手に優雅にエリザベスが姿を現した。


「せっかくの『ご来店』や。入館料くらい、魔法のカードでパパッと切ったげたらどう? ……それとも、お金払わんと『浄化(不法侵入)』しはるつもり?」


 エリザベスの背後には、抜刀した騎士ではなく、魔道端末に「損害賠償算定ソフト」を起動させた事務員たちがずらりと並んでいた。


「くっ……! こうなったら、問答無用よ! レオンハルト様、やっちゃってもいいわね!?」


 セレスティーヌが振り返ると、レオンハルトは優雅にうなずき、懐から「記録用」の魔導カメラを取り出した。


「ええ。君の正義を、世界に見せつけるんだ」


「行くわよ! ルミナス・ジャッジメント!!」


 ついに、セレスティーヌの杖から、全てを白く染め上げる極大の光が放たれた――。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


 セレスティーヌの「浄化」vs エリザベスの「商売」。

 淡々と損害賠償を計算する事務員たちのシュールな光景……。


 アルベルト元王子も、今や「10%還元」のためにビラを配る立派な労働者(?)になりました。


 次回も、どうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ