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逆ハーレムの熱い視線――聖女という名の「一発逆転(当たりクジ)」

 「奇跡のバーゲンセール」を終え、セレスティーヌは心地よい疲労感と、売れ残りを見事に救済したという聖女らしい高揚感に包まれていた。


 彼女は広々とした馬車に乗り込み、レオンハルト、そして合流した三人の「有志」たちと共に、「ナニワ・アヴァロン・アウトレットモール」へと向かっていた。



「聖女様……。今日の広場での御姿おすがた、拝見いたしました。……素晴らしい光でした」


 没落した美形貴族、ヴィクトールがひざまずく。家紋入りのマントのすそは擦り切れ、ナニワ商会の「督促状とくそくじょう」が何枚も隠されている。彼にとってセレスティーヌは、聖女ではなく、借金を物理的に踏み倒すための「最終兵器」だった。


「まあ、ヴィクトール様! 見ていてくれたのね。……でも、これはまだ序の口よ。いよいよ、アウトレットモールを浄化しに行くんだから!」


 セレスティーヌが明るく笑うと、暗殺者、シオンの瞳が鋭く光る。


「……警備網の配置は頭に入っている。あんたの光で派手に暴れてくれれば、俺たちが裏から乗り込める」


 彼の「亡命」の本当の理由は、暗殺ギルドがナニワ商会への借金が払えず、その保証人になっていたからだった。


「……ナニワの牙城がじょうさえ崩せば、我が商会が返り咲く」


 豪商の息子ハンスもまた、ナニワ商会の拠点を破壊する好機を虎視眈々こしたんたんと狙っていた。


(ふふ……。やっぱりこれよ! 絶世の美形イケメンたちが私一人のために命をけて戦ってくれる……。これこそが『ルミ・ラヴァ』の醍醐味たいごみだわ!)


 セレスティーヌの脳内では、三人が自分を愛するあまり必死になっているように見えていた。しかし、彼らが時折交わす視線は、「聖女という『当たりクジ』を、誰が一番有利に使うのか」という、すさまじい損得勘定に満ちている。


 ワインを傾けるレオンハルトが、静かに口を開いた。


「準備は万全だね。……セレスティーヌ、君がアヴァロンの地で杖を振るえば、世界の『価値』は書き換えられる。……プラチナ・カードも、さらなる『奇跡』を呼び込むはずだよ」


「ええ、任せて! 私は、限界げんどがくを突破するヒロインになるんだから!」


 聖女は愛を信じ、男たちは「一発逆転」にけ、商人は数字を信じる。それぞれの「信じるもの」が、アウトレットモールで残酷に激突しようとしていた。

 第41話をお読みいただき、おおきに(ありがとうございます)!


 セレスティーヌの脳内は「バラ色の逆ハーレム」ですが、周りの美形たちの脳内は「ナニワ商会への返済計画」でいっぱいです。愛より重いのは、いつだって現実の借金なのかもしれません……。


 「この愛(損得勘定)、先が気になる!」「セレスティーヌの限界突破(限度額突破)を応援したい!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク】や【評価(★★★★★)】という名の投資をお願いします! 皆様の応援が、執筆の何よりの資本金になります!

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