第7話 入学準備1
前回のあらすじ
休憩→ハイモンスター→ドラゴン→転移
大穴を抜けて、村の周辺に転移したエルク達は村に向かって歩いていた。遠目でしか見えないが、村は騒がしいようだ。それもそうだろう、エルクやクラウ、メルが子供を捜しに森へ入ったまま長い時間帰ってこないからだ。これ以上村の人たちに心配をかけないようにと、エルク達は出来るだけ早く村へ戻っていった。戻っている途中でクラウとメルはドラゴンを見たことに喜んでおり、村へ帰ったら、皆に話そう等盛り上がっていた。エルクも初めてドラゴン種を見たため、仲間に欲しいな~と思っていた。そんなこんなで話しながら歩いていると、村までもう少しのところまで来た。いつにも増して騒がしいと思ったクラウとメルはちょっと心配かけすぎたと思い走って村へ向かっていった。エルクはというと、のんびり歩いていた。歩きながら大穴での戦いについて考えていた。
「やっぱり前衛が欲しいな~ 今はウルがいるからいいけど強いモンスターが2体出てきたとき対処できなくなるしな~」
『エルクの兄貴ぃ。おいら達スライムだと足りないッスか?』
「スラ達も十分強いんだけどね。スラ達は魔法が得意じゃんね! だからスラ達を守れる盾が欲しいんだよ。僕も武器がほしいなぁ~。欲しい物だらけだ!」
『確かに僕達だとあの大穴で戦ったハイマンティスと接近戦できませんからね。』
「なんとかしたいものだね~。ははは。あ! 僕ってテイマーだよね! 魔物使いって感じじゃん! 武器決めた! 鞭にする! パシンッ! ってやってみたい!」
『おぉ! 何かかっけぇッス!』
『まぁ何も無いよりはいいかもですけど理由が・・・』
「いいのいいの! まだ当分手に入らないだろうし!」
『新たに仲間にするならドラゴンだな。強いしな。』
「それが出来たらいいんだけどね~まず会えないじゃん! まぁのんびり探そ!」
話をしていたらいつの間にか村へ着いていた。村の広場ではクラウとメルが大人たちに囲まれていた。心配されていたのだろう。エルクも広場に向かって歩く。クラウとメル達と別の場所に村長と武器防具の揃った、騎士らしき人が数名話し合っていた。村長がエルクを見つけるや素早くエルクに向かって歩き出した。村長の後ろには騎士達も着いてきていた。
「クラウ達から話は聞いたぞ。あの子らを助けてくれてありがとう。それとこちらの方々なんじゃが・・・」
「私の名はガウンだ。よろしく頼む」
挨拶してきたのは騎士達の隊長だろう男だ。鎧で体は見えていないが、筋肉がかなり付いていることが伸ばされた腕から分かる。エルクは握りつぶされないかと思いながら手を握った。
「エルクって言います。よろしくお願いします。で、何か用ですか?」
ガウン達騎士は王都からこの村周辺の調査の為に来たらしい。この村の周辺でモンスターの大移動が起きたこと。大きな洞窟が出来たこと。モンスターの動きが活発になってきていること等。
「君は隣村から来たと聞いたんだが、話せるところまででいい、聞かせてくれないか?」
「はぁ・・・」
エルクは渋々村での出来事、子供を捜しに行って穴に落ちたこと等を説明した。
「で、今に至る感じです」
「ふむ。すまないな、嫌な話をさせてしまって。協力感謝する。王都に報告しなければいけないのでこれで失礼する。では。」
そう言ってガウン達騎士は王都に向かって歩きだした。その様子を伺っていたのか、ガウン達が去った後すぐにクラウ達が来た。
「何の話だったんだ?」
「まぁ~ 最近の出来事かな~」
「あぁ~ なるほどね。だから王都の騎士か」
「エルク! 本当に今日はありがとう。命の恩人だわ!」
「あぁ! そうだ! 俺からもありがとう! エルクが居なかったら今俺たちも居なかったよ」
「そんな感謝されることもないよ~ ただ、村に帰ってこれて良かったね!」
クラウとメルに感謝された後、村の人々達からも感謝されていた。
「もう今日は夜になってしまうぞこの村に泊まっていくとよい」
「じゃあお言葉に甘えて!」
エルクは村に泊まることにした。この村はイェール村というらしい。夜イェール村では宴会騒ぎであった。エルクに感謝する人が大勢居て、エルクは宴会が終わるまで寝ることが出来なかった。イェール村に着いてから様々なことがありエルクは疲れていたため、すぐに寝てしまった。従魔たちも一緒に寝てしまった。
エルクは朝起きて村長の家へ向かった。村長は起きていた。
「おはようエルク君」
「おはようございます! え~と村に泊めていただきありがとうございました!」
「かまわんかまわん! して、これからどうするのじゃ?」
「そうですね。旅を続けようと思います!」
「そうか、王都の学び舎には行かんのか?」
「あぁ~ 勉強が嫌いでして・・・ ははは」
「クラウとメルもそろそろ入学だから一緒にどうかとも思ったのだがね」
「通うためのお金も無いので・・・ ははは」
「クラウとメルを助けてくれたお礼に何も出来ておらんのでな、そのくらいなら出しても良いと村の皆言っておってのう」
エルクは今やっと分かった。この村長僕を王都の武魔術学園に通わせようとしていることに。なんとか切り抜けようと話をしていたところにクラウとメルがやってきてしまった。その後村長、クラウ、メルによる、説得が始まってしまい。エルクは武魔術学園に通うことになってしまった。
「僕、旅がしたかったんだけど・・・」
「若い内は学んでおいて損は無いぞ!」
「いや~ こんなに仲良くなったのに~ 寂しいな~」
「エルクさんが居れば学園生活楽しくなると思うんです!」
「学園へはわしが手続きしておくわい!」
などなど。ああいえばこういうではないが、ずっとこんな空気に耐え切れなかった。武魔術学園に入学するとなったことでエルクは数日暇になってしまったので、新たな仲間を探しに森へ行くことにした。一旦宿に帰り荷物を持ち森に向かう。
「エルク~ どこ行くんだ?」
「森へ行こうかと」
「逃げるんじゃないだろうな!」
「違うよ! 新しい仲間を探しに行くんだよ!」
「なに!? メル! メ~ル~!」
クラウが大声でメルを呼んだ。すると少し離れた場所に居たメルが走ってきた
「どうしたの兄さん? 大きな声出して」
「エルクが新しいモンスターを仲間にするんだってさ! 一緒に行こうぜ!」
「え!? 本当!? 邪魔じゃなければ・・・」
「邪魔なんて思わないよ!」
「やった! 少し待っててください! 準備してきます!」
「俺も準備してくるよ!」
そういって約数分後。それぞれが準備して戻ってきた。隣には従魔のレッサーウルフが居る。
「じゃあ行こうか~」
「エルクは何か狙いたいやつはいるのか?」
「ん~ 前衛が欲しいかな~」
「ざっくりとしてるな~まぁそんなもんか!」
数十分歩いたところでメルが足を止めた。
「スライム! 居た! 私スライム欲しいの! ちょっと待ってて! テイムするから!」
メルは従魔のレッサーウルフにスライムを足止めしてもらい、テイム魔法を放った。スライムの周りから鎖が現れ、スライムの体を覆っていく。数十秒後、スライムは動きを止めた。
「やった! テイム成功したよ!」
「おぉ良かったな!」
「すごい! 今の魔法何?」
「え? テイム魔法だろう? エルクはいつもどうやってテイムしてるんだよ?」
「手からビームみたいなやつ!」
「そんなテイム魔法聞いたこと無いです!」
「テイムするとき見せてくれよな!」
「良いモンスターが見つかればね!」
エルクはさっき見た鎖のテイム魔法をクラウとメルに聞いていた。普通のテイマーはまず鎖型のテイム魔法を覚えるらしい。次に包囲テイム、ほとんどのモンスターが包囲テイムで仲間になるといわれているらしい。ついでにビーム型のテイム魔法については聞いたことも見たこともないという。エルクは自分で気付いていないが話を聞きながら鎖型、包囲型のテイム魔法を習得していた。テイム魔法の包囲型には質があり、色で分けられているそうだ。緑色が1番発生しやすく、白色が1番質が良いらしい。質が良いと何が良いのか明確には分かっていないらしい。
話をしながら、森を散策。スライム、ゴブリン、ウルフ等が居たが蹴散らして進んでいた。村を出て2時間程経ったところで山が見え、山の麓からは山の中へと続く洞窟が見えていた。エルク達は洞窟の中へ入っていった。
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