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辺境の村のモンスターテイマー  作者: スルメイカ
第一部・王都学園編
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第49話 監視する者

前回のあらすじ

妖精→兄目覚める→兄説得→転移

 エルクとクラウはエネ達が探していた人物を偶然見つけ、一緒にエネ達の元に転移した。


「っと、おっす!」


「兄さん!」

 

 エルク達が転移して早速エネが飛び付く。


「エネか! 大きくなったな!」


「今までどこ行ってたのよ!」


「はは、すまん」


 エネとその兄が感動の再開を果たしている間にエルクは次の行動に移っていた。


『皆聞いて!』


『何ッスか?』


『今から僕達を監視しているやつをあぶり出すから、協力してね!』


 エネの目的である兄の探索は解決したが、肝心のリザードマンの失踪については何も進展が無い。そんな状況の中、エルクがやろうとしていることはウルが単独で探し回っている監視する者を捕らえることだ。


 エルクがスラ達従魔に念話で作戦を伝える。準備が出来次第、作戦決行である。スラ達曰く少し準備に時間が掛かるようで、準備時間の間エルクはただぼーっと待っていた。


 そんなエルクの元に感動の再開を終えたエネとその兄が近付いてくる。


「エルクさん、本当に兄を見つけてくれてありがとうございます!」


「自己紹介が大分遅れてしまったな。俺はミルラ。君のおかげで助かったよ、ありがとう」


 満面の笑みのエネに手を引かれた兄の名はミルラというらしい。


「会えてよかったねエネ! 僕はエルクです!」


 エルクはスラ達の準備を待つ間にミルラという人物について詳しく話を聞いていた。ミルラはエネの兄であることは知っているが、それ以外のことは何も知らない。


 ミルラは冒険者をやっており、Bランク冒険者だという。普段はパーティを組んでギルドの依頼を受けているが、迷いの湿地に関しては1人で向かっていたようだ。職業はトレジャーハンターで小刀を主な武器として戦う。多少の魔法は使えるようだが、強化魔法以外はまず使わないそうだ。冒険者のランクはBだが、エネとソウ曰く5年前からBランク以上の技量はあったという。


 エルクはミルラを鑑定すれば能力なども分かるのだが、そこは自重していた。もしエルクが冒険者になればすぐにSランクまで上がるとミルラは言う。


『さあ、始めるぞ』


 ミルラと意見交換や情報共有等の有益な時間を過ごしていたエルクに一報が届く


「よいしょっと!」


 エルク達は座りながらミルラのことや、リザードマンに関する今後のことを話あっていたが、突然エルクが立ち上がる。


「どうした? エルク?」


 クラウが不思議そうにエルクを見るが、エルクはにやっと笑うだけで何も言葉を返さない。メル達も不思議そうにエルクを見ていると、エルクの左右にスラとライが飛んでくる。


「皆、ちょっとだけ騒がしくするよ!」


「は?」


 エルクが突然返事をしたと思ったら、応えになっていない返事が返ってきてクラウは思わず聞き返してしまう。しかし、それに反応せずエルクはいきなり姿を消す。


 エルクが向かった先、それはウルの場所であった。そのウルが居た場所、それはエルク達をずっと監視していた者のかなり後方だという。エルクには見えていないが、ウルには見えているらしい。


『エルクが消えた所為であいつはまたどこかに消えてしまうぞ』


『大丈夫、クラウ達を襲うなら今がチャンスだから』


 ウルがずっと探し回っていた相手は、逃げ足もかなり速いらしくウルでもなかなか捕まえることができないという。その状況を打開するためにエルクが取った行動はクラウ達を囮としてそいつの目を釘付けにしておくことであった。


『クラウっち達は本当に大丈夫ッスか?』


 モンスターを仕掛けているのは監視しているやつの仕業で、人間がモンスターに対して頑張って戦う姿が好きなやつだという。それを逆手に取り、クラウ達が頑張ってモンスターと戦っている最中に監視している者を捕らえる作戦だ。


 スラがクラウ達の心配をするが、エルク曰くここら辺のモンスターは余裕らしい。少なくともソウとエネのバジリスク、エネの兄が普通に戦うことができるため、危なくなったら助けに行くまでの時間は稼げるという判断である。


『そろそろかな?』


 エルクが合図を送る。それを見てラネが少しずつ監視者に近付いていく。


・・・・・


 エルクが転移してから数分後、クラウ達の元にモンスターが集まってきていた。


「エルクはどこ行ったんだ!?」


「分からないわ! でも何かやってるはずよ!」


 周りをモンスターに囲まれ始めたクラウとメルは言葉を飛ばしながら会話をする。


 その光景を遠くから見つめるものがいる


「くっくっく、人間とはなかなかに興味深い。1番不思議な人間がどこかに行ってしまったが、まあいい」


 クラウ達を遠くから見つめる者の独り言。


・・・・・


『ラネ準備は出来た?』


『いつでも大丈夫よ!』


『じゃあ行くよ! せーのっ!』


・・・・・


 クラウ達はモンスターに囲まれながらいい勝負を繰り広げていた。ソウとミルラの2人がそのスピードを活かしてモンスターを翻弄し、その間にバジリスクがメル達の前に陣取りモンスターの突撃を防いでいる。クラウとメルはお互いの従魔と共に連携をしつつ一進一退の攻防を繰り広げている。


 数分後、少し離れた場所からとてつもなく大きな爆発音と地震が起きる。その音が鳴ったとほぼ同時に霧が少しずつ晴れていく。


「エルクが何かやったな? 皆! もう少し耐えるぞ!」


 クラウがほぼ確信している予想を口にしつつ、この場に居る皆の士気を上げる。クラウは気付いていないが、この言葉で士気が上がっているのはメル達人間だけでなく、その従魔達にも影響があった。


・・・・・


 ドゴオォーーーン。


 とてつもなく大きな音を立てて、エルク達は一斉に動き出す。


 この音を発生させたのはライの仕業である。できるだけ空高くに浮かび、どこでもいいから全力で魔法を放っただけである。合図のためだけの予定だったが思っていたよりも音と地面への影響が大きかったことで、合図のためだけでなく、監視者を驚かせることに成功していた。


 次に動いたのはスラだ。スラの役目は監視者に見つからず、気付かれずに監視者の周り2メートルほどを指定して障壁魔法で囲うという地味な役割である。これをすることによって、もしどこかに逃げたとしてもスラの魔法が発動しているため、スラがどこで発動しているのか瞬時に分かるのだ。


 スラとほぼ同時に動いていたのがラネだ。ラネはずっと行動していたのだが、エルクからの「大きな音を合図に」という言葉で、本格的に動き出していた。元々はばれないようにゆっくりと罠を仕掛けていたのだが、音が鳴った瞬間から全速力で罠を仕掛けていた。


 最後になったが、エルクとウルは一緒に行動していた。その役目は監視者を捕らえることである。スラがばれないように近付いたことで、一瞬でスラの居る場所に転移する。転移した先にいるのはスラと、少し離れた所に監視者だ。エルクは転移したと同時にまた転移をする。次は監視者の隣である。


「なっ!? いつの間に!?」


 監視者は爆発音と地面の揺れが起きたときに尻餅を着くほど驚いていた。そして立ち上がって状況を確認しようとした瞬間、真横にエルクが現れたのだ。1番警戒していたはずの、さっきどこかへ消えたはずの人間がいきなり真横に現れる。


「ちょっと動かないでね!」


「くそっ! くらえ!」


 エルクが手を伸ばし、監視者を捕らえようとするが、監視者は魔法を放ち抵抗する。その魔法はエルクが転移と同時に発動した土魔法の鎧を吹き飛ばし、破片が周囲に飛び散る。そこでエルクも吹っ飛ぶのだが、監視者の真後ろにはエルクよりも警戒しなければいけない黒く大きな狼が迫っていることに気がつけなかったのだ。


「く、くそっ! 離せ!」


『っち、噛み砕いてやろうか』


 監視者は案外簡単に捕まり、現在はウルに抑え付けられている。予防線としてスラの探知障壁とラネの罠が無駄になってしまった。


「ウル! ナイスだよ!」


 吹き飛ばされたエルクが監視者に近付いていく。ちなみにスラとライ、ラネはクラウ達の手助けに回っている。ライは魔法を放った後すぐにクラウの助けに、スラもエルクが転移してきた後すぐに。ラネは罠を張りながらクラウの手助けに走っていた。


「さて、どうしてほしい? ねえ___」


 ウルに抑え付けられている監視者。監視者に対してエルクが問いかける。


「妖精さん?」

読んでいただきありがとうございます!


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