第32話 王都騎士団の異変
前回のあらすじ
研究会活動→ウッドゴーレム→王都騎士団登場
寮でのんびりしすぎたために、いつもの集合場所に遅れるエルクとクラウ。しかし、今日遅れたのはメルとエネの方だった。エルク達も遅れてはいるのだが、それよりも遅れたのだった。遅れた理由はエルク達と同じで、王都騎士団の様子を見ていて遅れたそうだ。
「やっぱり珍しいよな~ 王都騎士団だもんな~」
「初めて見たよ! 鎧が揃っててカッコいいよね」
「王都騎士団って、危険なモンスターが出現したときとかに王の命で出動するんだよね? っていうことは、何か現れたってことだよね!? 大丈夫かな!?」
「王都騎士団って強いんでしょ? なら大丈夫でしょ!」
クラウとメルは王都騎士団を見れたことでテンションが上がっており、エネは王都騎士団がこれから討伐しに行くモンスターのことで心配している。エルクはというと、冷静を保ってはいるが、王都騎士団にもモンスターにも興味津々である。
エルク達が学園に着く頃には、王都騎士団は既に見えなくなっていた。学園に着き、教室に入れば予想通り王都騎士団の話題で騒いでいた。どこから仕入れた情報なのかは分からないが、王都騎士団が向かった先はこの王都の周辺の森だという。モンスターは森の中を駆け回って特定の場所に棲み処を作ってはいないようで、どこに居るのか分からないため、王都騎士団も多く出ているようだ。
エルクはその相手がどんなモンスターなのか気になって仕方がないが、できることは何も無いため、早く王都騎士団の報告を聞きたいと思っていた。
学園の授業はいつも通り進み、エルクはいつも通り暇だった訳だが、今日の先生の様子が少し変だった。いつもはその日にあったことを話しながら授業をするような人が、朝の王都騎士団のことに何も触れずに授業が終わってしまったのだ。
「何か変だったな」
「そう?」
クラウは若干気付いたのかメルに対して違和感を訴える。
「クラウも気付いた?」
「『も』ってことはエルクも何か思ったのか?」
「何となくだけどね。多分、王都騎士団に何かあったんじゃないかな? この学園はなぜだか知らないけど情報が回ってくるのが早いからね」
「王都騎士団に何かって?」
「それは分からないけど、良いことではなさそうだよね」
「そうだな、王都周辺の森は危険かもな」
エルク達が話をしていると、エネが近づいてくる。
「どうかしましたか?」
「ん~ 俺とエルクの感じたことなんだけどさ___」
クラウが先程話した内容をそのままエネに伝える。これに関してはエネも少しだけ違和感を覚えたようだったが、そこまで気にすることもないと思っていたようだ。
「ちょっと見に行こうよ!」
「何言ってるんだ! もしかしたら王都騎士団よりも強かもしれないんだぞ」
~王都周辺の森
王都騎士団は平均して冒険者よりもかなり強く、騎士団に入るためには試験があり、その試験に受からなければ入団することはできない。王都騎士団に入れれば人生は安泰と言われるほどである。
そんな王都騎士団は目標のモンスターを探すために森には5人1組で入っていき、森をくまなく探していた。森に入ってすぐには別の組とすれ違うことがあったが、時間が経つごとにすれ違う回数が少なくなっていることに騎士団全員が気付き始めていた。
とある騎士団の組
この組の隊長はガウンである。イェール村でエルク達に会っているベテランの風格を持つ男だ。前回のイェール村ではただの偵察ということで派遣されたが、今回は王都を脅かすモンスターの討伐という任を与えられている。
「先程から分かっていると思うが、他の組と会わなくなってきている。全員警戒せよ!」
「他の組が少なくなっていることを本隊は知っているのでしょうか?」
「分からん。一度本隊に合流して確認を仰ぐ! 警戒して行くぞ!」
「「「「はっ!」」」」
騎士団本隊 本部
森に入った騎士団が交代の時間になっても帰ってこないことに、ざわつき始めていた。そこに初めてガウン達の組が本隊に合流した。
「ガウンか! よくぞ戻った! 森の中はどうなっている!? お前達以外が帰って来てないのだ!」
「やはりか…… 森に入ってすぐは他の組と何度もすれ違っていたが、奥に進むにつれ時間が経つにつれ他の組と全く会わなくなってしまった。警戒しておいた方がいいぞデイビス。この森に現れたモンスターは思っているよりもかなり強大かもしれん」
デイビスというのは今回の王都周辺に出現したモンスター討伐の騎士団団長である。ガウンとデイビスは騎士団入団が同じ時期で仲が良い。
「お前がそこまで言うとはな。確かにここに戻ってきたのがお前達だけしか居ないことを考えると…… 今回は危険だな……」
「ばらばらに探していては、個々に潰されてしまうぞ!」
「それもそうだな、探索は進まないが全部隊で森に入ろう」
デイビスの言葉により本隊が森に入っていった。案の定探索が進まず、脅威とされているモンスターに遭遇することができない。そして時間が過ぎていく。
~学園 従魔専門教室
授業が全て終わり、エルク達は今日の研究会についてソウとの集合場所に歩きながら話し合っていた。
「森って危険かな?」
「どうだろうな~ 王都騎士団が森に行ったなら大丈夫だとは思うけどな」
「でもまだ何の情報も聞いてないわよ?」
「もしかして、王都騎士団が負けたり……?」
「それは無いだろ~ 王都騎士団だぜ?」
今日の研究会の活動案が2つあり、1つ目は森へ行ってテイムすること。2つ目は従魔寮でのんびりすることである。
1つ目の森へ行ってテイムはエルクが推していて、まだ従魔を増やしたいとのことで、これにはクラウ達も賛成している。反対意見としては王都騎士団がまだ帰ってきていないということで、森は危険かもしれないという。
2つ目の従魔寮でのんびりというのは、昨日の内にエルクとクラウのテイムしたウッドゴーレムによって小屋が建てられているはずなので、その中で従魔について観察したり、触れ合ったりするだけである。これには反対意見は出なかったが、まだ従魔の数が足りないとエルクが言う。エルクが言うには様々な種類のモンスターが揃ってからやるべきだと。
そんなこんなで、まだ纏らずにソウとの集合場所に着く。ここでエルクが悩んでいても仕方が無いと言って、今日の活動はソウに決めてもらうということになった。
「ということで、ソウ! 決めていいよ~」
「そうだね~ じゃあ森に行こ! 私も新しいモンスター見てみたいし、エネのテイム見てみたい!」
「えぇ~ 私の!?」
「はい! 決まり~! じゃあ今日も森へ出発だ~」
活動が決まってからの動きは早かった。エルク達は従魔寮に行きウルとダクトを連れて、クラウとメルはウルフ、エネはカマキリを連れて行く。エルクがダクトを連れて行く理由は、ポーションを作るにしても材料がないと作れないため、森で採取させることが目的である。
従魔達を連れて城門に着く、既に顔なじみとなった門番の人に挨拶して森へ向かう。門番は最初こそエルク達に驚いていたが、2度目以降となればエルク達が連れている従魔に慣れるものである。森へ向かおうと門を出たところで門番が口を開く
門番「今日は朝から王都騎士団が森に入ってるから、モンスターは狩りつくされてるかもしれんぞ! まだ帰ってきておらんのでな、詳しくは知らないが、こんな長い時間森に入っているのは初めてだ。気をつけていくんだぞ!」
「忠告ありがと~」
「行ってきます!」
そういって森の中へ入っていくエルク達。森に入ってからすぐにエルク達に忍び寄る影があった。
王都騎士団の平均ステータス
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王都騎士団 戦士
HP :1500
MP :300
攻撃力:750 + 250
守備力:700 + 400
素早さ:600
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王都騎士団 魔術師
HP :650
MP :1750 + 450
攻撃力:220
守備力:300 + 150
素早さ:550
魔法 各属性(火、水、土、風、光、闇)のうちどれか
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