第31話 研究会の活動3
前回のあらすじ
研究会リーダー変更→新たなスライム→森にモンスター
~王都周辺の森
プロダクトスライムという新たなモンスターをテイムしたエルク達は次のモンスターを仲間にしようと森を進んでいた。エルクの従魔であるウルの活躍により、周辺のモンスターの位置が分かるのだが、どうせなら目新しいモンスターをテイムしたいエルクはまだテイムしたことの無いモンスターを探していた。
クラウ達はテイムできるモンスターに上限があるため、テイムするモンスターを探していた。クラウは約10体、メルは約12体、エネは約11体が自分の上限だと言っている。上限があるだけに仲間にするモンスターも慎重に選んでいるようだ。
エルクは新たに仲間にしたモンスターである。プロダクトスライムと同様に、生産系モンスターをテイムしたいと考えていた。
森を進むにつれて、モンスターの数も強さも増しているが、ほとんどがウルによって狩られている。エルク達がテイムしないと分かるとすぐに狩ってしまう。この森に存在するモンスターのほとんどはウルの強さの足元にも及ばない。
森には様々なモンスターが存在する。王都周辺には多くの種族が居るが、ほとんどが少数しかいない。スライム種やスネーク種、ボア種やホース種が王都周辺には多数生息している。エルクがテイムしたダクトはスライム種で数は多いが、個体によって違いがあるためレアなモンスターの内に入る。
森を探索して1時間程が経過し、昨日と同じく日が落ち始めてきたため、王都へ帰ろうとしていた。そのときウルが何かに気付く。森の奥からでかい何かが動いている。その全長は周囲の木々と同じ位あり、4~5メートル程である。このモンスターについてエルクは知っており、エルクの求めていたモンスターの内の1体でもあった。
森の奥から現れたモンスターの種族名はゴーレムである。ゴーレムといえば、石か岩でできた人形の形をしている者がほとんどだが、目の前のゴーレムは全身が木でできている。通称ウッドゴーレムだ。王都へ帰る前に出会えてエルクは嬉しそうにしている。ウッドゴーレムの数は5体居て、どのゴーレムもあまり変わらないため、1体を残して残った奴をテイムすることにした。
「俺もテイムする!」
「え!?」
『ウル! ストップ!』
ウルが3体切り裂いた時にクラウがテイム宣言をする。ウルは既に残っているゴーレムに近づいており、攻撃間近だった。寧ろ若干攻撃していた。2体居る内の1体は胴体に大きな爪跡が刻まれている。
「あちゃ~ じゃあ、僕がウルが攻撃しちゃった方をテイムするよ」
「いや、俺が言うの遅れたから俺が傷付きでいいよ」
「そう? いいの? じゃあ遠慮なく綺麗な方貰うね」
エルクが無傷のウッドゴーレムの前に立ち、傷が付いているウッドゴーレムの前にクラウが立つ。ウルは念のためクラウの安全確保に動いている。ウッドゴーレムの前に立った2人は揃ってテイム魔法を放つ。エルクはビーム型白色、クラウは包囲型緑色。
包囲型のテイム魔法はなかなか難しいはずなのだが、クラウは見事に成功していた。包囲型のテイム魔法は術式を組めれば後はお任せの簡単なテイムだ。鎖型のようにどこを縛って、というものが無いため発動できれば簡単にテイムができる。
エルクのビーム型も同様に当たれば勝手にモンスターの体を光が包み込んでいくため簡単にテイムすることができる。ビーム型に関しては発動することができるものが少ない。
「せ、成功したか!」
「こっちはオーケーだよ!」
「分かってるよ! っと、こっちも大丈夫みたいだな!」
「毎回名前を付けるのに困るんだよね~」
「カッコいいの付ければいいだろ! 俺はもう決めてるけどな~」
「男子2人ではしゃいでないで、帰りますよ!」
「やっぱりいつ見てもエルクさんのテイム魔法すごいな~!」
「2人共すごいな! ウッドゴーレムをあんな簡単に!」
「俺の方はエルクの従魔が体力削ってくれてたからな! 割とすぐにテイムできたよ。本当に凄いのは無傷のモンスターをテイムできるエルクのほうだよ!」
「いや~ そんなことないよ~ クラウだって包囲型だったじゃんか~」
男子2人はテイムできた喜びからか、浮かれていた。お互いに褒めあって、お互いにニヤニヤしながら王都へ帰っていく。女性陣は若干引きつつ一緒に帰っていく。
今日テイムできたのはプロダクトスライムのダクト、ウッドゴーレムのウーゴの2体である。なぜ生産系を仲間にしたかったのかというと、ダクトに関しては回復手段を増やすためのポーション作りをして貰い、クラウやメル達にポーションを持っていて欲しいから。ウーゴに関しては、従魔寮に小屋を作るためである。ウッドゴーレムの能力にはどの個体にも「木生成」と「建築」があり自身の体から木を作り出すことができる。現在の従魔寮はドラゴ達がそのまま見えているため、どんな噂が立つか分からない。変に噂が立って被害が出る前に小屋を建てて、ドラゴ達を隠さなければならない。その適役がウッドゴーレムだったわけだ。
王都へ帰り、従魔寮まで人通りが少ない道を進んでいく。それでもウッドゴーレムの大きさがあるため、誰にもばれずに進むことはできない。幸いウルに関しては、最近得た影魔法によりエルクの影の中に入って身を潜めているため、人に見られる心配は無い。
「じゃあ、また明日いつもの場所でね~」
「お疲れ様でした!」
「おっつ~ また明日ー!」
従魔寮の入り口に着き早速女性陣が寮へ帰っていく。エルク達はというと、こちらも早速小屋作りを始めていた。
「バオム頼んだぞ!」
「ウーゴやってくれ!」
2体のウッドゴーレムが木を生成しだす。そして器用に木々を組み合わせていく。ドラゴやライオ、グリフ等の大型モンスターと中型モンスターがいるため、相当大きな小屋を作らなければならないが、ウッドゴーレムは時間があればいくらでも木を作り出すことができる。そのため、時間のある今の内に作業を進めておきたいのだった。幸いにウッドゴーレムは2体居て、かなり建築スピードが速い。このまま進めれば日が昇る頃には屋根以外の部分が完成しているだろう。
エルクとクラウは日が落ちるまで、ウッドゴーレム達に指示を出していた。ある程度までくるとウッドゴーレム達は自主的に動き始め、淡々と小屋を作っていた。そうなればエルク達にできることは無く、明日の完成を待つのみとなった。
エルクとクラウは男子寮に帰り、今日の反省会を行っていた。
「思ったよりも研究会の活動ができていないよ! このままだと、ただテイムして従魔を増やしてるだけになっちゃうよ!」
「そうだけど、メル達にもテイムしてもらって従魔が増えないと何もできないだろ!」
「明日もこの調子じゃ、研究会として発表すること何も無くなっちゃうよ」
「そうだな~。あ、そういえば」
「どうしたの?」
「俺らテイマー以外にも従魔ってできるのかな」
「どういうこと? テイム魔法が使えなきゃモンスターが従魔になることなんて無いでしょ?」
「従魔譲渡がある。これは必ずしも渡す相手がテイマーじゃないといけないなんてことは無いはず」
「ほぉほぉ!」
「明日、何でもいいからモンスターをテイムして、ソウさんに従魔譲渡してみよう!」
「ほほぉ~! 楽しそうだね! やってみようか!」
この後いろいろと研究会でやりたいことの案が出たが、熱中しすぎてメモをとっていなかったため、次の朝にはほとんど忘れているのだった。
朝がやってきた。寮の外が騒がしい。
「エルク! 起きろ! 外の様子が変だ!」
「ん? 変って?」
「王都の騎士が隊列を組んで歩いている。王都周辺で何かあったんだ!」
「ほ、本当だ! あれが噂の王都騎士団か~」
「何のんびりしたこと言ってるんだよ! 王都騎士団が動くって事は相当強いモンスターが現れたって事だぞ!」
「え! そうなの!? どんなモンスターかな~見てみたいな~!」
「お前って奴は…… まあいい、とにかく学園行くぞ!」
「あ! もうこんな時間か! 急げ~!」
このときはまだ王都に危機が迫っていることなど知らずにいた。
エルクがテイムしたウーゴの能力
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ウーゴ 従魔 ウッドゴーレム
主 :エルク
レベル:1
HP :3000
MP :850
攻撃力:2250
守備力:2300
素早さ:250
魔法 木
能力 木生成 建築 自然治癒 木融合 木操作
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