第24話 従魔の戦い
前回のあらすじ
ディム山脈探索→洞窟→ドラゴン発見→ドラゴンの助け
エルクの転移で跳べるのは、エルクの従魔とエルク自身、そして了承を得た者しか跳ぶことが出来ない。モンスターが入り乱れるこの戦場では了承など取っていられるはずも無く、ドラゴン達を助けるためにはそれぞれの場所でドラゴンを助けなければならない。
そのためエルクとライオ、ウルとスラ、ドラゴとライの3組に分かれてそれぞれのドラゴンを助けるために戦う。
~ドラゴ&ライ~
モンスターの数 60
現在かなり厳しい状況にある。ドラゴンは傷を負っているが、幸いまだ戦う余裕があった。エルクと一緒に跳んできたドラゴとライはすぐさまドラゴンの元にたどり着いた。
ライはドラゴンの回復と魔法で牽制をし、ドラゴはライとドラゴンを守りつつ前線で戦っている。
『ドラゴ! 上から来るよ!』
『分かってるのだ! 正面にも、右にも左にも居るのだ! まずはこいつらをどうにかしないといけないのだ!』
ドラゴとライは苦戦していた。ドラゴが攻めに転じると後ろに居るライとドラゴンが危険になるため、モンスターの数がなかなか減らない。
ライも魔法を放ち空中から襲ってくるモンスターに対抗しているが、全てを打ち落とせるはずもなく、接近を許してしまう。その度にドラゴンが傷を負いながらライを守っている。このままでは助けに入る前と同じ状況でジリ貧だった。
ドラゴが前線で耐えているが時間の問題だろう。ワニの噛み付き、サイの突進、トラの爪による引っ掻き等様々な攻撃を食らっている。攻撃を受けるたびにブレスや噛み付き等で反撃するのだが、数が多すぎて手数が足りていなかった。
残りモンスター数 50
『このままでは危険なのだ!』
『まだ早いよ!』
『限界突破』
ライの注意を聞いていたが、ドラゴは奥の手を使う。一時的ではあるが全ての能力が倍以上に跳ね上がる。この状態のドラゴに勝てるのはこの場ではレッドドラゴンだけだろう。「限界突破」を使ったことでモンスターの数が多くても全てのモンスターに対して反撃が出来るほど素早くなり、モンスターを蹴散らしていた。
『敵の数が多いな。殺し切れんぞ』
『あれ!? まぁいいか。仕方ない。僕もいくよ! 賢者発動!』
限界突破中のドラゴの口調が変わったことにライは一瞬戸惑ったが、この状況では突っ込んでもいられない。そしてドラゴの限界突破の効果が切れた後、反動としてしばらく間ドラゴの動きが鈍くなるため、今の内にモンスターの数を減らしておきたいと思ったライは固有能力「賢者」を発動する。
ライの固有能力「賢者」は並列思考を超える何十、何百の並列思考を持ち、この戦いにおいて何をどうするべきかの答えを導き出す。それに加えこの場にいる全てのモンスターの動きを捉え、弱点を露出させる。ぶっ壊れ性能である。
固有能力を発動したライは、分裂し2体となって戦場を空中と地上に分かれて制圧しようとしていた。ドラゴがモンスターの中央を突破し、ライがドラゴの左右に居るモンスターを連続魔法により消滅させる。
空中を飛んでくるモンスターに対しては、空中に浮かんでいるライが全て打ち落としている。ライの手数は変わってないのだが、モンスターの弱点部位に弱点魔法を放つため、空中のモンスターも地上のモンスターも全てライの魔法によって消滅していく。
ドラゴとライの固有能力の効果が切れた。固有能力の反動によりドラゴの動きが鈍くなった。ライはもう既にMPが残っていない。回復するまでただこの戦場を見つめることしかできない。
残りモンスター数 3
囲まれていた状況から今は残り3体となったモンスター。1体をドラゴンが、残り2体をドラゴが相手をしている。1対1の状況ならばドラゴンが優位に戦える。ドラゴに関しては動きが鈍っているため、なかなか攻撃を当てられずにいた。しかし、ライがMPを少し回復したところで、一瞬で勝負がつく。
ドラゴが相手していた1体に対して魔法を放ち動きを止めた。その隙を見逃さずドラゴが追い討ちをかけ1体噛み千切った。1対1になればドラゴも余裕が出来る。そして決着がついた。
決着が付き他の仲間の下へ助けに向かおうとした時、ドラゴとライの体が光り輝く
~ウル&スラ~
少し時間を遡りエルクと一緒に転移したウルとスラは早速本気を出していた。そうしなければドラゴンが死んでしまうと考えたためである。既にドラゴンは虫の息である。
残りモンスター数 90
『ウルの兄貴! 本気でいくッスよ!』
『任せろ! 眷属召喚!』
ウルが眷属召喚によって出現した50体の眷属と共にモンスターを蹴散らしていく、その間にスラが3体に分裂し、3体全員でドラゴンに回復魔法を放つ。ドラゴン1体に対してモンスター90体に襲われてよくまだ生きていたとスラは回復しながら思う。何とか一命を取り留め、多少動けるようになったドラゴンは安心したのか、そのまま倒れてしまった。
ウルは眷属と共にモンスターを打ち減らしていた。眷属の能力はウルの能力によって変化するため、かなり強いのだが眷属1体でモンスター1体を相手するのが精一杯のようで戦況は拮抗していた。唯一ウル本体がモンスターを1体ずつ減らしていたので、転移して跳んできたときよりは絶望的な状況ではなくなった。
モンスターの数 70
『ウルの兄貴! おいらもやるッスよ!』
『期待しているぞ』
ドラゴンの回復を終えたスラが前線に突撃していく、そして、モンスターの死体の上に乗る。
『吸収ッス!』
スラの固有能力「吸収」
いつでも使える能力ではなく、吸収する対象が無ければ発動できないという、限定的な能力である。発動条件がある分、得る効果もかなりのものだ。吸収した対象のステータスを全て自身に取り込み、その分自身のステータスに加算する。そして吸収した対象が持つ魔法や能力を全て使うことが出来る。
今この戦場にはウルが屠ったモンスターが大量に転がっているため、3体に分裂したスラがそれぞれ吸収を行い3体それぞれが化け物じみた能力になっている。
転がっているモンスターを全て吸収し終えた3体のスラは1体がドラゴンを守り、1体が空中に最後の1体が地上に位置し攻撃を始める。地上にはウルがいるが、眷属召喚の反動により眷属の受けた攻撃が全て返ってきているため、動けずにいた。
ウルが動けるようになるまでの時間をスラがなんとしてでも稼がなければならないこの状況で、スラは楽しんでいた。周りを囲むモンスター達はスラの速度に全く追いついていなかった。空中に位置するスラからは雨のように爆撃が放たれ、地上にいるスラは四方八方にめちゃくちゃな魔法を放っている。ドラゴンを守っているスラはウルも含めて障壁魔法によってモンスターを近づけないように守っていた。
モンスターの数 15
しかし、そんな時間も長くは続かず効果が切れ掛かっていた。
『ウルの兄貴ぃ! そろそろ厳しいッス!』
『そうだな、そろそろ大丈夫だ!』
『ちょっと提案があるッス!』
転移してきてからずっとウルとスラは交代しながら戦っていたが、それは固有能力の効果によるところが大きかった。素の状態で戦っていては囲まれたときに対処ができなくなる恐れがあると考えたスラはウルにある提案をし、試すことになった。
その提案とは、先程と同じようにドラゴンを守りつつ戦うのだが、ドラゴンを守るのは1体のスラに任せ、2体のスラはウルに纏わり付き、体を変形しながらウルのサポートをするものだった。スラがエルク戦で見せた剣と盾の形になり、ウルをより接近戦でサポートする。ウルがモンスターから離れたときには、本来の姿に戻り魔法を放つ。スラは移動砲台兼ウルの防具、武器になっていた。
少し離れた場所から何かが大きく光る。それとほぼ同時にウル達の戦闘も決着が着く。ほとんどのモンスターが魔法やウルの眷属達により傷を深く負っており、倒すのは容易であった。
そしてウルとスラの体が光り輝く
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