第13話 王都へ向かう道2
前回のあらすじ
王都へ向かって出発→戦闘トーナメント開催
ウルVSドラゴの勝負は引き分けに終わった。次の対戦カードはエルクVSスラであった。
「ウルとドラゴの戦いであったんだけど、ルールを1つ加えようと思います! それは、残りHPが1割になった時点で負け! でどうかな?」
『なるほど! いいッスね!』
「ということで、始めますか~」
エルクVSスラの戦いが今始まった。
エルクの特徴は、ステータスは若干素早さが高いが、なんでも器用にこなせるタイプである。悪く言えば器用貧乏である。
それに対してスラはというと、守りの堅い魔法特化モンスターである。普通魔法特化型の人あるいはモンスターならば打たれ弱いはずなのだが、スラは魔法特化の弱点である打たれ弱さを守備力で補っている。それに加えて能力に物理抵抗を持ち合わせているためかなり打たれ強い。HPは低めなところが弱点だろう。
エルクの戦闘方針としては、スラに近づきそのまま近接戦闘で倒すことだけしかなかった。それ以外に攻撃方法が無いからである。スラは近づかれまいと魔法を放ち続ける。しかし、エルクの能力には魔法抵抗があるため、なかなか魔法が効き難い。両者共に苦戦を強いられていた。
打開策としてエルクが使い始めたのが、空間魔法だ。なぜ最初から使わなかったのかというと、空間魔法の存在を忘れていたのだ。移動のときに便利って事に印象が強すぎて、近くに跳べることを忘れていたのだった。
空間魔法を使い始めてからはかなり一方的な展開になっていた。スラが魔法を放てば、真後ろに転移し投げ飛ばす。起き上がったところに上からかかと落としをするなど全て物理攻撃で攻めていた。
もう少しで勝負はつくかと思われたところで、スラが3匹に分裂した。そして1体は平べったくなり、もう1体は棒状に。そして平べったかったやつは盾に、棒状のやつは剣になり中央の1体が腕を形成してまるで装備したかのようになった。
スラは近接戦もできたのだ。盾と剣は伸縮可能なようで自由自在に形を変えながらエルクを襲う。エルクは捌ききれずに転移で距離をとる。その瞬間、何十個もの魔法がエルクに向かって放たれていた。
決着はついた。
勝者。
エルク。
エルクが勝てたのは奇跡だっただろう。エルクに向けて放たれた魔法はエルクが転移するまでに何個も当たっていたが途中でスラの後ろに転移し、スラに向けてかかと落としを放つ。スラは魔法を放った後勝利を確信していたために油断していた。その油断がエルクの転移に反応できなかった。そして今まで防戦一方だった時間が長かったためHPが1割になり、終了となった。
『く、くそ~ もうちょいだったッス~~』
「スラ~! 最後のかなり危ないでしょ! 死ぬかと思ったぞ!!」
『エルクの兄貴なら大丈夫かな~ と思ったッス!』
次の戦いはライVSライオ
ライはかなりの魔法特化で、エルクの仲間の中で1番魔法を駆使して戦っているだろう。スラも魔法をよく使って戦っているが、ドラゴの横を通り抜けてきたモンスターに対して直接攻撃をしていたりすることがある。ライは近づいてきたモンスターに対しても魔法で対応している。近づかれると不利になるのだが、スラと同じで守備力が高く物理抵抗もあるためなかなか粘り強い。しかしライオに接近されればかなりの不利だろう。
対してライオは、最近仲間になったこともありまだレベルが低くステータスも他の皆と比べると特徴が少ない。エルク曰く、今大会のダークホースとのこと。基本的にはウルと同じ戦い方になるが、ウルと決定的に違うのは戦場を駆ける訳ではなく真正面から突撃する。まだウルとドラゴには程遠いが、そのうちウルより打たれ強く、ドラゴより早いなかなかの重戦士になることと予想されている。
「じゃあ~ ルールはさっきと同じね~ 行くよ~ 始め!」
始まった瞬間にライが魔法を複数一気に放つ。ライオは避けつつ接近する。全てを避けきれないため、多少は魔法を受けつつライに接近するが、ライの放つ魔法の弾幕に対応できていない。決着はすぐについてしまった。
勝者。
ライ。
ライオのHPが1割を切ったところでエルクが止めた。ライオはライの魔法弾幕を抜けることが出来ずジリジリとHPを削られ、そのまま終了した。
次の戦いはエルクVSライ
両者共に先程の戦いを勝利で収めた。エルクはスラと戦った時と同じように戦う。ライも同様で、両者共に戦い方が1つしかない。
そして、勝負が始まった。エルクは最初から転移でライの後ろに跳ぶ、跳んでくることを予想していたのか、ライは魔法を自分の周りに浮かべていた。その中にエルクが跳んで来てしまったのだ。逃げ場はどこにも無い状況でエルクはライに向かって突撃した。
ライはこれも読んでいたようで、目の前に土魔法で壁を作った。エルクは壁にぶつかりそのままライの仕掛けていた魔法の餌食になっていた。ライはそれでも魔法を放ちエルクの姿が見えなくなるほど土煙が揚がっていた。
ライは空中を浮かびながら魔法を放ち続けていたがいきなり上からかかと落としを受けてしまう。エルクはいつの間にか転移しライの上にいたのだった。ライは地面に激突し、地面が削れる。蹴り落としたエルクはかなりいい感じに決まったためやりすぎたかと思っていたが、落ちたライは、地上から魔法を放ってきていた。落ちた時の衝撃をライは能力の硬化により凌いでいた。エルクが転移で隙を突き、ライはどこからでも魔法を放つ。そんな戦いが続き
勝者。
ライ。
ライオと同じで結局魔法で削りきられた形で戦闘終了。ライの圧倒的な魔法の数にエルクの転移だけでは敵うはずもなく、エルクはHP1割になってしまったのだった。
「魔法撃ちすぎだろ~~!」
『それしか出来ませんからね! 仕方ないのです!』
エルクは悔しがり、ライは誇らしげだ。
次の戦いはスラVSライオ
スラとライオは燃えていた。先程負けたこともあるが、今のエルクとライの戦いを見てかなり燃えていた。スラは魔法が基本だが近接戦もできないこともない。ライオは近接戦で真正面から来るだろう。そんな両者の戦いが始まる。
「では~ 始め!」
ライオが駆け出した。なんとスラは魔法を放ちながらライオに向かって移動している。ライオはすぐにスラと接触した。それはスラも同様で、まさかまさかの近接戦になった。ライオが引っかき、噛み付き。スラが斬りつけ、魔法を放つ。ノーガードで殴り合っているようなものだった。そのためこの戦いはすぐに決着がついた。
勝者。
ライオ。
なぜスラは近接戦に真正面から挑んだのだろうか。近接戦ではライオの得意分野である。近接戦で戦わなければ勝負はどうなっていたか分からなかっただろう。むしろ、スラの方が有利であったかもしれない。
『くぅぅぅ~ このままでは全敗するッス~』
『なぜ我の土俵で戦ったのだ?』
『え? そのほうが面白そうだったからッスよ!』
『お主は変なやつだな』
『それほどでもないッスよ~』
この戦いをきっかけにスラとライオの仲が良くなったのでエルクは満足していた。長く戦っていたことと、消耗が激しいことで、今日の続きは明日へと持ち越しとなった。残る戦いは、エルクVSライオ、スラVSライの勝負だ。特別戦として、エルク・スラ・ライ・ライオVSウル、エルク・スラ・ライ・ライオVSドラゴの勝負も明日へ持ち越しとなった。明日には王都に着く予定だ。王都に着く前に残る勝負をしなければならないため、早く寝ることにした。
朝が来る。モンスターが襲ってくる気配も無く、王都へ向かう道を進む。勝負が控えているせいかウル達がずっとそわそわしていた。エルクはそんなに戦いたいのかと、思っていた。王都への道は特に何事も無く、王都が見えようとしていた。
そして王都まで数キロの距離で勝負の続きを始めることになった。
エルクVSライオ、スラVSライの戦いが始まる。
この戦闘トーナメントでもレベルは上がっています。
ライオはかなり優秀な前衛にするつもりです。
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