第10話 入学準備4
前回のあらすじ
レベル上げに出発→洞窟に入る→モンスターの大群を倒す→全員レベルアップ
エルク達は洞窟を進んでいた。モンスターは群れで襲ってくること、単体が強いことが多くなってきていることにエルクもさすがに気付き始めていた。
「だんだんとモンスター強くなってない?」
「さきほど大暴れしたときよりも確実に強くなっているが、我らも強くなっているみたいでな、相手にならん」
「まだまだ余裕があるのだ! さっきのやつをもう一回やるのだ!」
「強くなってきてるッスけど、やっぱりウルの兄貴とドラゴが強すぎてなぁ~」
「僕達もかなり強くなったと思いますけど、まだまだですね」
体が軽いせいか、洞窟を進むスピードが速い。モンスターの襲ってくる頻度もだんだん多くなっているが、大した脅威ではないのが不思議だ。エルクはここら辺のモンスターがどのくらい強いのか知りたくなりモンスターを鑑定することにした。今目の前にいるのは蜂だ。ジャイアントビーというやつらしい。
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ジャイアントビー モンスター
レベル:12
HP :2400
MP :1200
攻撃力:850
守備力:430
素早さ:1050
魔法 無し
能力 飛翔 毒針強化 威嚇
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「こんな強かったの!? ウルとドラゴがあっさり倒すからもっと弱いと思ってたのに!」
さっきから襲ってくるモンスターはジャイアントビーだけでなく、他にも多数いるがそのどれもがジャイアントビーと同じくらいのステータスを持っていた。1回に襲ってくる数約30匹。エルクは、あの大群との先頭でレベルが上がっていなかったら、と考えると寒気がした。エルクのステータスもどのモンスターよりも高いがまだ有効な攻撃方法を持っていないため、ウル達にほとんど頼ってしまっている。戦闘においてエルクの出来ることといったら高が知れている。スラやライよりも役に立っていないだろう。エルクには自分がモンスターを倒さなければ、という英雄や勇者のような考えを持っていないから現状ウル達にまかせっきりになってしまっている。エルクはさすがに役に立てなさ過ぎるのも申し訳が無く、改善策を考えることにした。
「ん~ どうしたものか~」
『どうかしたのか?』
「いや~ 皆に任せっきりだからさ~」
『気にすることは無いと思うが』
『そうなのだ、任せればよいのだ!』
「なんとかしたいの!」
『今のところ余裕ッスから、気長に考えればいいッスよ!』
『そうですね。 能力的にみるとウルさんと同じように戦場を自由に駆け回ったほうがいいと思うんですが、囲まれたときに対応が必死になり___』
ライの考えはなかなか的を得ていた。エルクのステータスはウルと似ていて、スピードよりであるため、前衛や後衛といったジリジリと攻めて行くよりも、戦場を駆け回って戦うのが戦闘スタイルに合っているのだ。しかし、ウルのようにスピードが圧倒的でもなく、接近戦が得意というわけでもない。エルクはどちらかというと魔法使いと同じでMPが高い。ウルが接近戦で戦場を自由に駆け回るならば、エルクは中距離から魔法を放ちながら戦場を駆け回るのはどうか。というのがライの考えだった。
「そういう戦い方は良いと思うんだけど、僕は攻撃魔法持ってないよ? 空間魔法っていまいち分からないし」
『なら習得すればいいだけじゃないですか!』
「そんな簡単に使えるようになるわけ無いじゃん!」
『そうなのですか? その空間魔法っていうのは転移魔法みたいなものだと思うんですけど、もしかしたら魔法を受けると使えるようになるとかじゃないですかね?』
「そうなの? まだ使ったこと無いから分かんないや。魔法だって受けるの怖いし! まぁとりあえず次の戦闘では空間魔法ってやつを使ってみるよ!」
そういって洞窟の奥へ進んでいく、だんだん道が広くなってきていた。もうすぐ広間に出る兆候だ。広間には案の定モンスターが数多く居た。ウル達もかなり強くなっているが、モンスターも強くなっている。またさっきの大戦闘を繰り広げることになりそうだとエルクは思った。数秒後。
『突撃なのだぁぁ!』
『噛み千切ってやろうか!!』
エースの2匹は楽しそうだ。今もモンスター相手に蹂躙している。ついさっき始まったばかりだというのに、モンスターの数が減り始めていた。ドラゴの吐くブレスの威力が強力すぎる、ウルは戦場を駆け回っているがウルの体の周りには風を纏っていて触れただけで斬撃となるようだ。スラとライは宙に浮きながら、魔法を連射しまくっている。前までは魔法を1つずつ放ちそれを連続で放っていた。それでも脅威だったのだが、今は魔法を複数同時に放ち連続で放っている。敵モンスターからすれば脅威でしかない。エルクは空間魔法で戦場を跳びまわっていた。ライの読み通り、空間魔法で転移ができた。エルクは広間の端から端まで何度も転移で跳んでいた。それでもエルクの攻撃方法は投げることと格闘しかないため、あまり活躍ができていなかった。
30分戦ったことだろう。あらかたモンスターを倒し終えて休憩に入ろうとしていた。この広間にいたモンスターの数は700~800匹だっただろう。それを30分で倒し終えてしまった。恐ろしい戦力アップだ。しかも今の戦闘でもレベルがあがっているとこは間違いない。敵モンスターもそれなりに強かったからだ。経験値はたっぷりとあった。ウルとドラゴが戻ってきて、数分。
『何か奥から来るぞ!』
「え?」
そういった瞬間洞窟の奥から巨大なモンスターが現れた。その巨体はエルクの身長を5倍するほどだった。腕は長く太い、どうみてもゴーレムだった。動きは遅いが、体のどの部分もでかいため、避けるのは難しそうに見える。エルクは鑑定をした。
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アースゴーレム モンスター
レベル:75
HP :32000
MP :2050
攻撃力:25500
守備力:30700
素早さ:1200
魔法 ???
能力 ???
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「えぇ!? 無理でしょ!? こんな強いのアースに迫る勢いだよ!」
『これは・・・ やりがいがあるな。さっきまでは準備運動といったところだったしな!』
『真正面から叩き潰すのだ!』
『エルクの兄貴! ここはおいら達に任せるッス!』
『物理攻撃には強そうですが、魔法ならどうですかね!』
エルクは勝てないと思い、逃げようと言ったが、ウル達従魔全員に反対されてしまった。それになぜだか、あのゴーレムに勝てそうな予感がしている。エルクは直接攻撃しかできないため注意を引く役目になった。
「じゃあ! 行くよ!! 転移!!」
『眷属召喚!』
『限界突破!』
エースの2匹はそれぞれ固有能力を放った。
ウルの固有能力「眷属召喚」は、ウルと同じ種族であるウルフが多数出現し、そのまま相手に飛び掛っていく能力である。出現したウルフ達のステータスはウルの強さに応じて変化する。鑑定した強さはウルとほぼ同等のステータスだった。そして出現した数およそ50匹。
ドラゴの固有能力「限界突破」は、ドラゴ自身の能力を格段に上昇させる能力である。上昇率はドラゴの能力によるが確実に2倍を超える。体格も変わり、先程よりも大きくなっていた。
そしてあっという間に戦闘が終了した。なにしろ固有能力を2匹も使ったのだから。エルクは戦闘中スラとライを一緒に連れて転移しまくっていた。転移したところで、スラとライが魔法を放ち、ゴーレムがエルク達に攻撃を仕掛けようとする。しかしエルク達が転移してしまい、また別の方向から魔法を放つ。転移の魔法を十分に活用した戦闘だった。ウルの戦い方は先程となんら変わらず、戦場を駆け回りゴーレムに噛み付く、引っかく等眷属と共に真正面に立たず後方もしくは左右からの攻撃で圧倒した。ドラゴはというと、真正面に立ち塞がり、接近戦で圧倒した。ゴーレムのパンチを尻尾で弾きそのまま尻尾で攻撃。ゴーレムの蹴りを真正面から受け止め押し返す。怪獣の戦いだった。
ゴーレムを倒した後は休憩をして、また奥へ進もうとしていた。
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