闇の彼方から(8)
ーー第2ブロックの終盤まで後方の包囲陣が進んだのを見て、こちらは第4ブロックへ続く細長い通路に入る。
突入メンバーは僕、レイブレッド、ミクモ、イーゴン、アトス、ガイアブレード、ソレイユ、それに加え3人の部下だ。それぞれが警戒態勢のまま、通路を歩き出す。
「先程の奴が量産型であれば不味いが、今までそんな素振りはなかった。第一これほどの戦闘力があるというならば奴らがあれほどの被害を受ける前に出してきたろう」
ミクモが自信有り気に胸を張る。
「それは知性のあるものの考え方だ。奴らは虫だぞ? 慎重になるべきであろう」
ガイアブレードは、それを批判していく。彼に皮肉屋の面があるとは、意外だった。
「随分と、後ろ向きではないか?」
イーゴンが珍しげに、聞き返す。先程からガイアブレードが、消極的過ぎるのだ。
「ーー奴と交戦すれば分かる。あれはまだ、上がある」
「アトスにやられたのにか?」
「奴らはそれ以前に私とミクモの攻撃を防ぎきるだけの事があった。アトスが時間切れになれば、我々は死ぬと何故思い浮かばん」
「魔法使いだから、だろ。自分の限界を試したくなるって奴?」
レイブレッドが口を挟む。
「ーー理解に苦しむな。勝てる戦いならば高揚するが、怪しい戦いなど気が乗らん」
ガイアブレードはぶつぶつと、文句を言った。
「ーー士、アトス」
ソレイユが、アトスの袖を引っ張る。
「ーー何だ?」
「ーー面白い、ものだな。私の知らなかったものが、此処には多い」
自然な様子で、ソレイユは言葉を続ける。田舎出身なのだろうか。
「ーーまぁ、そうだな。確かにガイアブレードの中身とか、俺は気になっているが」
茶化すように、アトスが笑ってみせる。
「ーー私は元からこういう身体だ! 変な物扱いというのは心外だな!」
するとガイアブレードは聞こえていたのか、自身の装甲を叩きながらそう言い返した。
「ーーすまない。ただ、本当にこの世界は広いなとーー感じただけだよ」
ソレイユは何か思う事があったのか、遠い目になる。
「ーーあぁ。世界は、広いさ。これから色々、探せばいい」
アトスは意味深に頷き、また前を向いた。
第4ブロックの通路はまだまだ長く、開けた場所にはすぐに出られそうになかった。




