闇の彼方から(9)
ーー道すがら、骨のカケラのようなものが落ちている。今更なので皆驚きもしない。
「ーー人間? 犠牲者、か?」
ミクモがちらりと骨を見たが、
いや、人のものではないと見える
イーゴンが口を挟んだ。
「分かるのか?」
「小動物のものだな、臭いが違う」
イーゴンはそう言うと、恐らく大型の犬か、と継ぎ足す。
「ーーこちらの分析でも日はそう古くない。となると第4ブロックでは戦闘も激しくなるだろうな」
ガイアブレードが相槌を打った。
程なくして、30段ほどの階段が一つあり、そこを越えると天井も40m……高く開けたところに出る。
ーー間接照明こそあるものの、既に敵地の奥だ。
「敵意、殺気がそこらじゅうからあるな。挑む準備はいいか?」
「私は問題ない」
「俺もだ」
「僕も」
「ならばーー行くぞ! 突入後にすぐに伏せるがいい!」
口々に言い、飛び出す。
すぐに上空から大量の敵が、降ってきた。
「まずは数を減らすぞ!」
「吹き飛ばすっ!」
アトスとソレイユがそれぞれ手を添え、上に巨大な魔法を放つ。
それにより数割の敵が爆散したものの、さらに多勢が降って来る。
「対空砲設置!」
レイブレッドが背負っていた荷物から小型の対空砲を取り出し、上空を迎撃する。
【超速・ローラークラスター!】
ガイアブレードの背中から2個の戦輪が飛び、さらに敵を切り裂いて減らしていく。
ーーこれ以上は、あとは自力だ。
「行くぞ皆!」
イーゴンが翼をはためかせ、飛び上がる。
訳の分からない敵の数だ。やってやるしかない。
「総力戦だ!」
僕はそう宣言し、自らも銃を構えた。
血で血を洗う、という戦いだ。
1時間近くにわたる戦闘の末部下の3人はそれぞれ死んでいき、常人である僕とレイブレッドがやや負傷、他は無傷といった具合だった。
「ーーこれで、第4ブロックもーー」
ミクモが呟いたその時、地鳴りがする。
「振動感知ーー爆発ではないようだが」
ガイアブレードが呟き、
「魔法でもないようだがーー地震か」
アトスがそう唇を噛み締める。
「嫌な予感はするね」
ソレイユが前を見たところでーー。
バキリと、地面が割れた。
「ーーっ!」
煙をあげながら地を割って出てきたのはーー。
さっきの怪物であった。だが、その身体はさらに大きくなっていた。
「話に聞いた奴か!」
イーゴンが叫ぶ。
身の丈は馬車どころか、城壁よりも高い。
大人10人分をゆうに越える身体だ。
「ーーっ、まだ、こっちにくると言うのか」
怪物が、唸る。




