闇の彼方から(4)
滞りなく明け方に現地部隊と合流し、こちらに回してもらえる手はずのそこの一小隊と合流する。
「よろしくおねがいします、ミラカナ様。私どもはミラカナ様の護衛の為に、派遣されておりますので」
5人の兵士が、整列する。各自鎧を着ているが、僕など一瞬で消し飛ばしてしまいそうなほどに遥かに厚みのある筋肉を誇っている。
ーー物量戦ではないため、出来る人間が少数居れば、よいのだ。
「ーー彼らはいずれも面構えから分かる、相当出来ます。安心でしょう」
ミクモが、告げた。
と、そこで唐突に木の上から飛び降りてくる、ガイアブレード。どうやら潜んでいたようだ。
「デルテ・アルベルト・イズン様は来られぬ。上との会議との事だ。その代わり、私は全力を持って事に当たらせて貰う」
ガイアブレードはそう告げた。
「ーー上席は欠席ですか、天下のガイアブレードが入れば安心って事じゃないですかね」
少しして、僕の一つ席次の下、レイブレッド=マルバードと竜人のイーゴンが続いてくる。
「そのつもりで居てくれていい。ノルドシュトルムとやらは全て私が葬ってくれる」
イーゴンが何事かを言おうとしたが、ガイアブレードがそう遮って答えてきた。
「ーーこの国に対して、忠誠はあるのかい、あんた」
「私は面白いから戦っている。私の答えはそれでは不服か?」
瞬間横に居たミクモの顔がみるみる歪んだが、僕が慌てて背中を引っ張って止めた。
「ーーさて、つまらない話は後にして、包囲が完了したとの情報だ」
唐突にガイアブレードがこちらに話しかけてくる。
「ーーどうやって連絡をとったんだ」
「機械、というものがある。私が連絡装置を包囲部隊長に持たせて居てな。私だけが認識できるそこからの信号弾と心得てくれてよい」
そう言い終えると、僕の方を見てくる。
「指揮は一任するが、大将首が出てきた場合、好きにさせてもらいたい」
ガイアブレードは、視線の見えない兜でこちらをみる。
「貴様」
「ーー構わない」
「ミラカナ様」
「この戦い、被害がどうなるかは分からん。手馴れているガイアブレードに任せたほうがいい」
僕はそう言ってミクモの肩を押さえると、突入班に向き直り、命令書を出す。
【今回の僕、いえ私たちの任務は昆虫人間を討伐する事並び、5ブロックある、施設の制圧だ。後詰めの部隊である100人がやりやすいよう、威力偵察並びに首級の捕捉を第一とする。繰り返すが、無理はしてはいけない。諸君らは歴戦の戦士であると見受けるが、それでも強敵と遭遇した場合自分の命を優先し、ガイアブレード、イーゴン、ミクモの3人に任せる事。今回に限っては無理をして戦い命を落とすと後方部隊の士気にも関わると思え。生き延びたら褒美として、いい酒をこちらから手配する】
5人に告げる。
「分かりました、了解です」
「もったいないお言葉」
それぞれが頭を下げてくれる。
「ーーよし、行くか」
さぁ、アトス、見ていてくれ。 僕の指揮をーー。




