5/17
4話
「谷川ってさ、意外と面白いよな」
関根くんが言う。
「意外ってなに」
すぐ返す。
その返しが面白かったのか、関根くんは少し笑う。
「静かそうなのに、ツッコミ鋭い」
「……普通だし」
「普通は今そこ返さないだろ」
「そう?」
「うん、ちょっとズレてる」
「そうかな?」
「そうだよ」
また笑う。
「でもさ」
関根くんが続ける。
「そういうとこ、ちょっとおもしろい」
「ふーん」
興味なさそうに返したつもりなのに、
少しだけ、その言葉は残る。
また別の日。
「谷川、それ違くない?」
「どこが?」
「そこ」
「……ほんとだ」
「気づくの早」
「関根くんが遅いだけ」
「うわ、出た」
笑い声。
また別の日。
「谷川ってさ」
「なに」
「なんか、ちゃんと見てるよな」
「何を」
「人とか」
「……普通じゃない?」
「いや、それが普通じゃないんだよ」
言われても、よくわからない。
でも――
なんとなく、少しだけ嬉しい。




