第10食 ドーナツ
翌朝、シャロは鳥や虫の鳴き声と木々を渡る風の音で目を覚ました。
葉のベッドの上には朝露がきらきらと光り、森の天井からこぼれる光が降り注いでいる。
眠気を払うように体を伸ばすと、昨日の戦いの疲れがまだ少しだけ残っているのを感じた。
それでも、穏やかな目覚めだった。
横を向くとアグニが布団にくるまり、気持ちよさそうに寝息を立てている。
寝相は悪く、布団のあちこちから四肢が飛び出していた。
「むにゃ……まだ食べられるゾ……」
時折寝言を言っているのを聞いて、シャロは小さく笑った。
魔物になってから初めての仲間。
人間の頃のように、誰かと一緒に眠り、朝を迎える。
それだけのことが、こんなにも心を温めるなんて。
ほのぼのとした気持ちに包まれていると、アグニがもぞもぞと動いた。
やがて薄く目を開け、寝ぼけた顔でシャロの方を見た、次の瞬間。
「ま、魔物!?」
叫びながら、アグニは反射的に飛び起きる。
嫌な予感が走る。
『まさか、寝ぼけてる!?』
シャロは慌てて跳んだ。
直後、鋭い平手の一撃が飛んできて、シャロの身体をかすめる。
「すばしっこい奴だゾ!」
アグニは次々に重い一撃を繰り出し、シャロを攻撃してくる。
『やめて!早く目を覚まして!』
咄嗟にシャロは荷物をツタで持ち上げ、頭上でぶんぶんと振って見せた。
アグニの動きが止まる。
彼女はぱちぱちと瞬きをし、少しずつ昨日の記憶を思い出していく。
「それは確か……そうか!シャロ!シャロだな!」
そして自分が何をしようとしていたのかに気づいた瞬間、彼女は衝撃を受ける。
「ア、アタシ……今……寝ぼけて……あ、危うく恩人を叩き潰すところだったゾ!本当にごめんナ!」
勢いよく頭を下げるアグニ。
『全く……』
シャロは呆れ半分、安堵半分で小さくため息をつき、こくりと頷いた。
その後、二人は近くの川へと向かった。
清らかな水が岩肌を滑り落ち、朝の光を反射して眩しい。
アグニは両手で水をすくって顔を洗う。
「冷たくて気持ちいいナ!」
シャロも手を伸ばし、顔を洗う。
水を飲み、軽く朝の支度を整えた二人は、再び森の奥へと足を向けた。
思わぬハプニングがあったものの、今日も新しい一日が始まる。
シャロはツタで荷物を持ち上げ、アグニは大きな荷物を肩に担ぎながら、ダンジョンの奥へと歩き出した。
***
木々の間を渡るようにして、低く地響きのような音が響いた。
シャロが歩みを止めると、アグニの耳がぴくりと動いた。
「……誰かが戦ってる音だナ」
遠くで金属がぶつかり合う乾いた音と、魔力の爆ぜる音がする。
焦げたような匂いが風に混ざって届いた。
シャロは耳を澄ませ、音のする方角を探る。
森の奥、ほんの少し開けた場所からだった。
アグニと視線を交わす。
彼女も真剣な表情で頷いた。
二人は音を立てないように慎重に木の陰へと進み、草の隙間からそっと覗いた。
そこでは、二人の冒険者が魔物と戦っていた。
一人は鋼の鎧に身を包んだ剣士の男性。
長剣を握る腕はたくましいが、すでに血と泥にまみれている。
もう一人はローブ姿の魔法使いの女性。
杖を振るたびに炎がほとばしるが、その表情は苦痛に歪んでいた。
そして、彼らの前に立ちはだかるのは、二匹のワイルドボア。
体長はシャロはおろかアグニの身丈をもはるかに超え、刃のような牙を持ち、突進一つで木をへし折るほどの力を秘めた魔物。
その巨体が唸りを上げ、突進してくるたびに地面が震え、落ち葉が舞い上がる。
「ぐっ……来るぞ!」
剣士が叫び、剣を振り上げた。
だが、ワイルドボアの突進は速すぎた。
剣がかすっただけで、そのまま彼は吹き飛ばされ、背中から木に叩きつけられる。
「《ファイアー・ボール》!」
轟音と共に炎の弾丸が放たれ、もう片方のワイルドボアの胴体に命中した。
しかしそれでも怯むことなく、ワイルドボアはそのまま炎をまとった体で突進してくる。
「があっ!」
女性の身体が宙に舞い、地面を転がる。
杖が手から離れて草むらに落ちた。
「危ない!助けるゾ!」
次の瞬間、アグニが叫んだ。
シャロはこくりと頷き、跳ねるようにして草むらから飛び出す。
戦場に突如現れたその姿に、冒険者たちもワイルドボアも一瞬動きを止めた。
「な、なんだ!?また別の魔物か!?」
剣士の青年が驚きの声を上げ、剣を構え直す。
だが、その魔物ことシャロは二人には目もくれず、一直線にワイルドボアへと向かっていった。
ワイルドボアも一直線に突進してくる。
けれど、シャロの姿はもうそこにはない。
『《リーフ・カッター》!』
――ヒュッ
音もなく、風を切る。
すれ違いざまに閃く緑の刃。
鋭い刃のような葉っぱがワイルドボアの分厚い皮膚を浅く裂いた。
血が滲み、ワイルドボアが怒りの咆哮を上げる。
「ガオオオオッ!!!」
その足が、地面を抉る。
怒りに燃える目が、シャロを捉えた。
だが、シャロは知っていた。
ワイルドボアは確かに強靭で、素早く、破壊力も脅威的だ。
けれど、動きが単調という弱点がある。
つまり、動きが読める。
力で押し潰し、角で貫く。それ以外の行動は取れない。
シャロは草の上を滑るように走る。
突っ込んでくる獣の軌道を読み、わずかに体を傾けて避ける。
ドンッ――!
巨体がすぐ横を掠め、突風がシャロの髪を乱す。
すれ違いざま、再び葉の刃を振る。
シャッ――
小さな傷が増える。
怒りで我を忘れたワイルドボアは、さらに速度を上げた。
「ガアアアアアアッ!!!」
剣士が息を呑む。
「速い……!!」
しかし、シャロの動きはそれを上回っていた。
根が地面を滑り、柔らかく弾むように足を運ぶ。
突進を紙一重で避け、その度に刃が閃く。
剣士も魔術師も目を見張った。
彼女の動きは、まるで森の風そのもの。
流れに逆らわず、力を受け流し、必要な時だけ鋭く切り返す。
ワイルドボアの額に、次第に焦りが見え始めた。
突っ込めば空を切り、すれ違えば傷を負う。
「グウウウッ……!」
呼吸が荒くなり、足がもつれ始める。
その巨体に、疲労が蓄積していくのが見て取れた。
シャロは一歩、二歩と距離を詰めた。
そして、次の突進を読んで――低く身を沈める。
突っ込んできたワイルドボアの下をくぐるように滑り抜け、
振り返りざまに、鋭く葉の刃を振るった。
「――――ッ!!!」
乾いた音。
ワイルドボアの動きが止まり、目を見開いたまま地面に崩れ落ちる。
剣士が呆然と呟く。
「嘘だろ……俺達があれだけ苦戦した相手が……!」
魔術師も、息を呑んだまま動けない。
あの猛獣が、あんな小さな魔物1匹に倒されるだなんて。
だが、戦いは終わっていなかった。
少し離れた場所で、もう一匹のワイルドボアが暴れていた。
その前に立つのは獣人アグニ。
アグニは両腕を広げ、なんと突っ込んでくるワイルドボアを正面から受け止めた。
ドゴオッ!
地面が抉れ、土が舞い上がる。
アグニとワイルドボアの筋肉がぶつかり合い、衝撃波が広がった。
「馬鹿な……正面から受け止めただと!?」
剣士が唖然とする。
「無理よ!あんな突進をまともに受けたら……!」
魔術師が思わず叫ぶ。
だがアグニは、両足を地にめり込ませながら、笑っていた。
その顔には余裕が見える。
「ふんっ!その程度カ!」
ワイルドボアがさらに力を入れるものの、これ以上はビクともしない。
「いっけええええっ!!」
アグニが吠えるように叫び、全身の筋肉を爆発させた。
その瞬間、ワイルドボアの巨体が、宙に浮いた。
「なっ……投げた!?」
剣士が声を失う。
巨大な獣の身体が、アグニの腕で放物線を描く。
森の木々をなぎ倒しながら、轟音を立てて地面に叩きつけられた。
「トドメだっ!」
アグニは足に力を溜め、思い切り跳ぶ。
そして、拳に力を入れると、拳が白く光り始める。
魔力を極限まで拳に込めた必殺の一撃、名付けて
「《オーラ・ナックル》!」
ドゴオオッ!!
アグニの渾身のパンチがワイルドボアの頭に直撃する。
轟音が鳴り、ワイルドボアは動かなくなった。
「ふっふっふっ……どうだ!アタシの勝ちだゾ!」
……それを見た冒険者二人は、完全に言葉を失っていた。
魔術師が小さく呟く。
「まさか……助けてくれた、のか……?」
剣士は剣を下ろし、しばしシャロたちを見つめた。
そこには敵意はなく、ただ静かな決意と確かな強さがあった。
「ああ、大丈夫だったカ?」
アグニは笑顔で話しかける。
隣にはシャロも一緒だ。
「はい……ありがとうございます」
「ありがとうございます……助かりました……」
二人の冒険者がお礼を言う
「気にするな!困ってる奴は助けるのが当然だゾ!」
胸を張って笑うアグニ。
燃えるような紅の瞳が、陽光を受けて煌めいた。
その言葉に、シャロも静かに頷く。
「俺はユーリ、見ての通り剣士です」
「アンナといいます。魔術師です」
「アタシはアグニ!そしてこっちがシャロだゾ!」
アグニはシャロを指さし、そして豪快に笑う。
それを見てユーリとアンナも、少しだけ緊張を解いたように微笑み返した。
ぐうううっ……
「あっ!」
冒険者の二人が同時にお腹を鳴らす。
「お腹が空いたカ!丁度いい!飯にしよう!シャロ!頼むゾ!」
アグニの言葉に無言で頷いたシャロが、そっとワイルドボアの死体に手を触れる。
彼女の指先から柔らかな緑光がじわりと広がっていく。
その瞬間、ワイルドボアの死体から芽が次々と顔を出した。
みるみるうちに若芽は成長し、穂を実らせ、小麦へと姿を変えていった。
「なっ!植物が一瞬で……!?」
ユーリが驚きの声を上げた。
さらに他の植物からは卵が、まるで果実のように実り出した。
「植物なのに卵……!?」
アンナの目も丸くなる。
シャロは特に気にせず、静かに収穫を始める。
まるで日常の作業のように、淡々と、流れるような動きで。
「ハッハッハ!びっくりするよナ!アタシも最初はびっくりしたゾ!」
アグニが豪快に笑いだす。
──そして、料理が始まる。
シャロはいつものように小麦に向かって念じると、小麦から殻が外れ、すり鉢に向かって飛んでいく。
シャロは集めた小麦を麺棒で粉に挽く。
小麦粉ができたら、それを木の器に移し、卵を割り入れる。
「まさか……料理……ですか?」
アンナが思わず口にする。
「そうだゾ!シャロは料理が上手いんだ!」
アグニが嬉しそうに胸を張る。
「料理する魔物って……聞いたことが無い……」
ユーリが驚愕の声を出す。
「あの魔物……一体何者なんですか?」
おずおずとアンナがアグニに尋ねる。
「シャロの事か?ん~~~」
アグニは腕を組み、少しの間考えた。
「わっかんない!アタシも出会ったばかりだからナ!」
そして、そう明るく答えたのだった。
そんな中、シャロは小麦粉と卵を混ぜ合わせる。
そこにミルク、砂糖、塩、油を順に加え、淡い色の生地を丁寧に練り上げていく。
生地がしっとりとまとまると、彼女は麺棒を取り出し、木の板の上で均一に伸ばしていく。
「すごい……まるで人間の職人みたい……」
アンナが見惚れたように呟く。
「魔物なのに、なんて繊細な……」
ユーリも頷きながら呟いた。
シャロはただ静かに作業を続ける。
リング状に整えられた生地が、次々と木の板の上に並べられていった。
そうしたら今度は藁を敷き詰め、火打石で点火する。
鍋に油を注ぎ、温める。
温度を確かめたシャロが、慎重に生地を油の中へと入れる。
じゅわっ、と音が響いた瞬間、甘い香ばしい匂いが森の中に広がった。
「いい匂いがしてきたナ!」
アグニが鼻をひくひくさせる。
ユーリとアンナも思わずごくりと喉を鳴らした。
焦げないように慎重にひっくり返すと、黄金色に輝く輪が出来上がっていく。
やがて鍋から取り出されたそれは、ふわりと湯気を立て木皿の上に積み重ねられた。
シャロは砂糖を手に取り、それを上から優しく振りかける。
「おおっ!今回はドーナツなんだナ!」
アグニが目を丸くして叫ぶ。
その光景を見つめながら、ユーリとアンナはただ言葉を失っていた。
数分前まで命を賭けて戦っていた森の中が、いつの間にか甘い香りに包まれている。
魔物が植物を生やし、目の前で人間のように料理をしている。
世界の常識が、ゆっくりと書き換えられていくような不思議な感覚に包まれていた。
シャロは焼きあがったドーナツを木皿に丁寧に並べていく。
表面はこんがりと黄金色、砂糖が陽光を受けてきらきらと輝き、ふわりと立ち上る湯気が森の空気を柔らかく包んでいた。
アグニは待ちきれないといった様子で皿をのぞき込む。
「シャロ!もういいか!?食べていいか!?」
シャロが頷くと、アグニはまるで弾かれたように手を伸ばした。
「いただきまーすッ!」
豪快にドーナツを掴み、かぶりつく。
さくっ、ふわっ。
歯が生地を噛みちぎる音が小さく響いたかと思うと、彼女の表情がぱっと明るくなる。
「う、うまあああああいっ!!!」
その叫びは森の奥まで響き渡った。
「外はカリッとしてるのに、中はふわっふわだゾ!しかも甘い!香ばしい!うおおお!これはたまらんゾ!」
アグニが幸せそうに目を細め、頬をふくらませながら次々と頬張る姿はまるで子どものようだった。
一方、目の前でその様子を見ているユーリとアンナは唖然とした表情を浮かべていた。
「あの……これ……本当に食べて大丈夫なんでしょうか……?」
「た、多分……大丈夫、なんじゃないか……?」
ユーリは、皿の上で湯気を立てるドーナツを見つめ、微妙な顔をしている。
魔物が魔物から作った食べ物、そう聞けば、普通は警戒するのが当然だった。
けれど、甘く心地よい香りが理性をくすぐり、胃袋がぐぅと鳴ったのも事実だ。
「おい!お前らも食え食え!シャロの料理は美味しいんだゾ!」
アグニが満面の笑みでドーナツを食べながら話しかける。
「ほら!遠慮すんナ!食ったら分かるゾ!」
ユーリとアンナは顔を見合わせ、小さく頷き合う。
「じゃあ、少しだけ……」
「うん……いただきます」
おそるおそる、アンナがドーナツを口に運ぶ。
噛んだ瞬間、ふわっとした柔らかさと、口いっぱいに広がる甘い香り。
そして──想像を遥かに超えた美味しさ。
「!?な、なにこれ……!?」
驚きの声を漏らすアンナ。
その隣でユーリも同じようにかぶりつき、目を見開いた。
「おいしい!」
二人は感動に震えながら、次のひと口、また次のひと口と手を伸ばす。
シャロの生やす食材はどれも最高級レベルの品質はあり、シャロ自身の調理スキルも相まって、非常に美味な料理となっていた。
そして、不思議なことに疲れていた体が少しずつ軽くなっていく。
魔力が満ちて行き、視界が鮮明になるような感覚。
まるで、食事そのものが癒しの魔法であるかのようだった。
「な、なんだこれ……こんなドーナツ、地上でも食べたことないぞ……!?」
「甘いのに食べやすくて、しかもなんだか、身体の奥から力が湧いてくる……!」
二人の顔には笑顔が広がっていた。
「だろ?だろ!?シャロの料理は最高なんだゾ!」
それを見たアグニが胸を張って笑う。
「シャロは魔物だけどナ!料理にかけちゃあ天才級なんだゾ!」
「確かに……魔物だとかどうでもいいくらいに美味しいな」
その言葉にアンナも笑い、もう一口ドーナツをかじった。
一方のシャロは、そんな二人の反応を見て、ほんの少しだけ口元を緩めていた。
静かに自分の分のドーナツを手に取り、一口かじる。
ふわりと広がる香り、じんわりと舌に広がる甘さ。
──やっぱり、美味しい。
『うん、うまくできた』
やがて全員がドーナツを食べ終える頃には、森の空気はまるで昼下がりのカフェのように穏やかだった。
アグニは満腹そうにお腹をさすりながら笑い、ユーリとアンナもすっかり打ち解けた表情をしていた。
「美味しかったです、ごちそうさま、お代はいくらになりますか?」
「えっ?」
ユーリがリュックから財布を取り出すと、アグニが驚いた表情をする。
「ダンジョンにお金なんて持ってきてるのカ?」
そんな言葉にユーリとアンナは顔を見合わせ、優しく説明をする。
「ええ、ダンジョンで他の冒険者に助けてもらう時、例えば回復魔法をかけてもらうとか、食料を分けてもらうとか、そう言う時にお金を支払うんです。何事もタダって訳には行かないので」
その説明を聞き、なるほどとアグニは納得したようだ。
『これも常識だよ……』
隣でシャロが呆れた表情をしていた。
「改めて、おいくらでしょうか?」
そう尋ねるユーリ。
「シャロ、いくらぐらいがいいカ?」
アグニは困ったようにシャロに耳打ちする。
シャロは少し考えると、ツタで地面に数字を書く。
3000
「3000エンス!?シャロ、それはちょっと高すぎないカ!?」
アグニが驚き狼狽える。
地上のドーナツはおよそ1個300エンス。
ユーリとアンナは合わせて6個ドーナツを食べてるので 1個の値段は500エンス、倍以上の値段だ。
「ダンジョン価格って奴ですよ。危険な場所での取引ですからね、むしろこのぐらいなら安いぐらいです」
驚くアグニに対し、ユーリが丁寧に説明する。
「そ、そうなんダ……」
ユーリの言うように、本来ダンジョンでの取引はかなりの高額で行われる。
命がかかってる為、高い値段を吹っかけても断る人は少ない、まさしく「足元を見た値段」
地上の倍額ぐらいならむしろ安いぐらいだ。
ましてやシャロの料理は絶品、地上でも中々食べられないようなものだと考えたら、なおさらだ。
「本当にありがとうございました、このご恩は忘れません」
こうしてユーリとアンナは代金を支払い、深く頭を下げると、ダンジョンの入り口へと歩いて行った。
「……なぁ、アンナ」
「うん?」
「今の……夢じゃないよな?」
「ううん、たぶん……本当にあったことだと思う」
アンナがそっと微笑む。
「また機会があったら食べてみたいね。あの不思議な魔物の、不思議な料理を」
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