14_ダンスパーティーなんて無理(4)
フレスベルは、どういいだそうか迷っていた。
クォーツの研究室で、二人きりになり、創立祭のエスコートをクォーツが申し出てくれたのだ。
フレスベルは、それを受けた。
(わたし、社交はおろか、ドレスも靴ももっていないわ。)
さらにいうならば、
(お化粧もしたことない。)
(ファラに会ってきれいに切ってもらえるようになって、
無意識だったけれど、櫛に魔法をかけるまで、ずっと毛虫だったもの。)
(創立祭までに、本で勉強したらいいかな。)
(でも、クォーツなら聞いてくれるかな。)
クォーツは、フレスベルがこちらを向くまで待っていた。
「どうした?いってごらん。」
クォーツは、想像はついていたが、言わなかった。
(自分ができないことをはっきり言われて嬉しい人なんていないだろう。)
フレスベルはもじもじして言った。
「…わたし、ダンスを見たことがないの。
パーティーの想像はつくのだけれど、それだけ。」
(がっかりしたかな。)
フレスベルは小さい自分より身長が高いクォーツを窺いみるように見上げた。
クォーツはフレスベルがかわいらしくて、回答も忘れてしまった。
思わず目を、クォーツはそらす。
「…がっかりした?」
フレスベルはまだまだクォーツを見上げる。
「違う、違う。そんなことない。」
あせったあとに、コホン、と一息つくクォーツ。
「問題ない。もしもの時のために、手は打ってある。」
「そうなの?」
フレスベルは、お礼より前に驚きの方が強かった。
「きっと、創立祭パーティーの場にふさわしい僕らにしてくれるよ。」
フレスベルは、少しひっかかった。
「してくれるって?」
「あてがあるんだ。」
クォーツの声は自信を感じさせる。
「あとね、クォーツは、問題ないよ。きっと。」
フレスベルは、少し口をとがらせる。
(わたしが足を引っ張るに決まっているもの。)
「いや」
クォーツは、ほほえむ。
「ぼくも、君からたくさん学ばせてもらうつもりだから。」
「そうなの?」
フレスベルは、また、お礼より先に驚いてしまったことを少し後悔した。
「気にしないで。ぼくがしたくてしてるんだから。」
「悪いけど、創立祭までの期間、学業に支障がない範囲に放課後は時間をもらうよ」
クォーツは楽しそうに言った。
フレスベルも、思わず笑みがこぼれた。
(クォーツは)
(本当にわたしと)
(楽しみたいと思ってくれているんだ。)
フレスベルは卑屈になっている場合ではないと、気づいた。
すぅ、と息をフレスベルは吸った。
「頑張ります!よろしくお願いします!」
フレスベルは、手を握りしめて声を出した。
(といいつつ)
(あてってなにかしら)
(なにをするのだろう。)
と思うフレスベルだった。
ありがとうございます。
今回は短めでした。




