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5月28日 夜

 将来の選択肢を増やすためにプログラミングの勉強を始めた。

 単純に面白そうだと思ったからで、仕事に繋がらなかったときは趣味にしてもいいなという感じで。

 基本機能は無料で使えるプログラミング言語を選んでインストールし、動画サイトで初心者向け動画を見ながら実際にプログラムを打ちこんでいく。

 2時間近い動画を見終わって時計を見ると、もう5時だった。昼食を食べてすぐに始めたから4時間経っている計算だ。動画を止めて自分も打ち込みをしていると再生時間の倍くらいかかるということか。

 スマホを見ると、あさみと美奈子からライムが届いていた。二人ともグループではなく個別ライムだ。通知内容はスタンプが送られましたになっているから要件はわからない。先にあさみの画面を開く。


【今からりょうちゃん家(ち)行ってもいいでしょうか。】


 送信時間は30分前。30分ならセーフか、と思って【オッケー】と送る。

 次に美奈子からのメッセージ。


【実家から大量に野菜が届いたんだけどもらってくれない?

 にんじん、枝豆、みょうが、新玉ねぎ

 一種類でも一個でも助かるんだけど】


 以前、いつも余ってしまうから友達に配っていると聞いたことがある。その友達に俺も加わったということか。

 これはこれで嬉しいと感じる。


【いただくよ。全種、少量で。】


 と返した。あんまりたくさんもらっても仕方ないから。

 返信はすぐに届いた。


【月曜持ってく。よろしく。】


 これにカワウソがありがとうと言っているスタンプが付いてきた。

 こちらもお礼のスタンプを送る。



―***―



 10分も待たずにあさみがうちに着いた。

 俺の返信を待たずに動き始めていたのだろう。

 もう合い鍵作って渡してしまえばいいのではないだろうか、と思った。

 さて今日はどんな愚痴かと思って聞けば、この間の誕生日前日のことについて、彼氏は開き直っていたらしい。珍しくあさみが怒っていた。


「だから今日もぎゅってして!」


 どストレートに要求される。勢いに任せて言っているようだが、俺の理性をそんなに信用してくれているのだろうか。


「オッケオッケ。」


 俺はなんでもないことのように言ってあさみを抱きしめた。

 心臓は早鐘を鳴らしているが、これは伝わらないといいけど。


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