10月3日 曇り
「木曜の2コマの講義、先輩から過去問もらったから送るね。」
あたしとりょうちゃんが二人で取ってる講義の過去問画像をライムで送る。
これはしんちゃんも美奈子も取っていない。
「お、サンキュ。」
「もう10年くらい同じ問題使ってるらしいよ。」
「10年はすごいな…って1問だけ?」
「そうそう。自分なりの考察書けば良いんだって。授業聞いてればなんとかなりそうだよね。」
言いながらりょうちゃんのスマホの画面を見ると、左上にシンデレラと書いてあった。そこはトーク相手の名前が表示されるところだ。
「ってりょうちゃん、あたしのことシンデレラって登録してんの?」
「あ、まぁ、そう。これって解答例はないの?」
「あるにはあるけど、誰かとかぶったらマズいかと思って見てないよ。自分の言葉で書いた方が安全じゃない?」
「ふむ、それもそうか。出席で6割とか言ってたよな?」
「言ってた。テスト4割だから、全部出席として…テストで75点取れば秀(※最高評価)かな?」
「微妙なラインだな…。」
「だね。でも優は取りやすいよ。」
「うん、優で満足しとくかって感じだな。」
「それで、シンデレラってどういうことかな?」
笑顔で聞く。あたしのことを馬鹿にしているんならお仕置きせねばなるまい。
「いやー…よく思い出したな。」
「今さっきのことだからね。ほら、話をそらさない。」
「や、前にさ、絵本あったじゃん。」
「ウチに?」
「うん。そんときに変えてそのままなんだよねー。」
苦笑いで言われる。
冗談口調じゃないし、嘘でもないような気がする。
「え、なんで?」
「なんでって…なんとなく。」
「なんとなく?」
「そう、なんとなく。」
「……」
「そんな目で見るなって。本当、大した意味はないから。」




