8月30日 雨
夏休みも半分過ぎた。
毎晩飲んだり歌ったりとか、海行こうとか、グランピングとかBBQとか、そんな派手なグループが楽しむようなことは一つもしていない。
お誘いは結構あった。あんまり仲良くない娘からもライムが届く。人集めを頑張ってるんだろうね。
でも仲間内でやるならいいけど、知らない人とBBQなんてただの合コンじゃん。
あたしはやだ。
だから今月は集中講義に使った。数日間、丸一日授業を受け続ければ単位がもらえるってやつ。テストはあるけど、時間かけて調べたりするレポート作成がないから普段の講義より楽だった。
あとはお盆に帰省して、家族と花火大会に行ったくらい。バイトがあるからすぐまた戻ってきちゃったけど。
そして今日もバイト。
今日は7時間勤務だから中休憩があって、今がその休憩中だ。
「そーだ、あさみちゃん。」
スマホをいじっていたバイト仲間から話しかけられた。
同じ学部の同級生で、入学したてのころはよく話していた。なんとなく苦手で疎遠になったけど、今もこういう日は言葉を交わす。
「しんご君から聞いたんだけど、彼と付き合ってるってホント?」
「そうだけど。」
「へぇー! ホントなんだ。しんご君の素行も知ってるんだよね?」
「……」
素行って。こういう言い方がひっかかるからあまりこの人とは話したくないんだよね。
「答えないってことはやっぱ知ってるんだ。」
「だったらなに?」
「べっつに。あさみちゃんて可愛いけどサレ女っぽいもんね。あんまり人のことなんやかんや言わないけど、しんご君て外見以外に良いとこないからやめといた方がいいと思うよー。」
「そんなことないし。」
「そぉ? まーいいけど。」
彼女はそれきりスマホいじりに戻った。
やっぱ嫌いだ、この人。しんちゃんには外見以外に良いとこあるもん。優しいし、料理できるし、行動力あるし。他にもたくさん。
ってかサレ女って何よ、そんなの知らない。




