5月12日 晴れ
木曜午後の2つめの講義。
必修科目だから美奈子も取ってるけど、これだけはしんちゃんと隣り合って座ることにしている。進級のためには絶対に落とせないから、さすがのしんちゃんもこれにはしっかり出席する。
【今日もヒゲ】
とは言え、集中して講義を聞くわけではなく、ちょくちょく筆談が飛んでくる。
今日もノートをこちらに寄せてきた。
先生の顔を見る。
毎週のことだが、髭が伸びている。
誰かが月曜と水曜にしか剃らないらしいと言っていたが、そういう生き方なのだろう。
なんと返すべきか迷ってしんちゃんの顔を見ると、あごと首の境目のあたりに髭が残っていることに気付いた。
【しんちゃんもそり残し】
自分のノートにそう書いて見せる。
しんちゃんは鼻の下からほっぺ、あご…と手で触って確認しだした。
この隙にノートを埋めていく。この講義は毎年テストの内容が全然違うらしいから、ちゃんと勉強しないと。
10分も待たずにまたしんちゃんからノートが寄ってきた。
わざわざページをめくったようで、真っ白いページの端っこにあたしへのメッセージだけが書かれている。
【20日 ご飯作るから食べに来て】
…今月の21日はあたしの誕生日。その前の日の夜のお誘い。
そっか、祝ってくれるんだ。
【うん 楽しみにしてるね♡】
自分のノートに書いてしんちゃんに寄せると、しんちゃんが歯を見せてにやっとした。




