3月15日 雨
「ねー。」
「ん?」
「りょうちゃんは彼女つくらないの?」
「んー…?」
「彼女。」
「いやー…いたらいいなとは思うけど。」
「良いと思う娘いないの?」
「いないように見える?」
にこっとして言う。
「あ、いるの!?」
「いるように見える?」
変わらない笑顔で言った。あたしのことをおちょくっているだけらしい。
あたしはため息をつきながら言う。
「なにそれー。」
「でもいいの? 俺に彼女できたらこうやってあさみの愚痴聞くこともできなくなるかもよ?」
「あ、それ困る。」
「そこは嘘でも別にいいよって言ってくれよ。」
「嘘は嫌いだもん。」
「あ…。そっか、ごめん。」
「謝ることじゃないよ。冗談でしょ?」
「いや、デリカシーなかったかなと思って。」
「んーん。でももったいないなー。りょうちゃんいい人なのに。」
あたしが背伸びしながらそう言うと、りょうちゃんはあたしから視線を外して言った。
「…俺さ、結構軽く見られるんだよね。」
「あー…言ってる意味はわかるかも。」
「結構一途なんだぜ?」
「うん。そんな気がする。りょうちゃんてまっすぐしてるもんね。あ、でもまっすぐではないかも。」
「持ち上げといて瞬時に落とすってすごいなお前。」
「あ、ごめん。でもそうじゃなくてね、なんていうか…寄り道も一休みするんだけど、目的地はずっと同じっていうか…そんな雰囲気を持ってると思って。」
「目的地ってどこにあると思う?」
「え?」
「あ、いや、なんでもない。そう、俺そういうやつなんだよ。まっすぐだけどまっすぐではない!」
「拾うとこ違うよー。」




