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埴輪と旅する女①【会津若松編】  作者: Mikiko


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第097回

 『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。

 この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。

https://mikikosroom.com/archives/51901892.html


 なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。

 フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。

 特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。


 なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。

https://mikikosroom.com/archives/24257587.html


挿絵(By みてみん)

み「進学塾だな。

 やっぱ、会津高校は名門なんだ」

ハ「あんたも、こういうとこ通たんか?」

み「高3の夏休みだけね。

 東京で。

 でも、ほとんど出席しなかった」

ハ「何しとったんや」

み「ほんと、何してたんだろうね。

 記憶に残ってるのは、田無で畑を見たことと……。

 多摩の方の高層団地を見に行ったことくらいかな」

ハ「何しに行ったんや?」

み「それが不明なのじゃ」

ハ「アホとしか思えんで」

み「同意せざるを得ん」


挿絵(By みてみん)

み「ここは、朝、走った道かな?

 広くて気持ちがいいや」

ハ「人がおらんのが気持ち悪いがな」

み「地方都市なんて、みんなこんなもんでしょ。

 新潟も、混んでるのは通勤時間の新潟駅だけだよ。

 日曜日なんか、自転車で走ってても、ほとんど人を見ないからね」


挿絵(By みてみん)

み「まっすぐ行くと新潟か。

 この自転車なら、行けそうだよね」

ハ「乗り逃げやがな」


挿絵(By みてみん)

み「おー、懐かしや。

 朝見たタチアオイじゃ」

ハ「朝は何の草かわからんかったやろ」

み「街を見聞して、それがわかったんだから……。

 有意義だったじゃないの。

 会津見聞録だよ。

 咲いてるとこも見たかったな。

 でもこれって……。

 酔っ払いには、使い道があるよね」

ハ「どんな使い道や?」

み「茎かき分けてさ……。

 頭突っこんで、ゲロ吐くの」

ハ「バチが当たるで。

 徳川さまの」

み「徳川の紋は、『双葉葵』でしょ。

 これはタチアオイなんだから、関係ないって。

 それに、ゲロは肥料になると思う」

ハ「よういわんわ」


挿絵(By みてみん)

み「さてさて、電動自転車の返却のお時間だ。

 でも、スゴいよね。

 乗り回してたわけじゃないけど……。

 まだ、95%も電気が残ってる」

ハ「買い物くらいの用やったら……。

 毎日乗っても、1ヶ月くらい保つんちゃうか」

み「だよね。

 やっぱ、退職したら、1台おごるかな。

 車を売っ払えば……。

 年間の維持費くらいで、これ1台買えるでしょ」

ハ「せやけど……。

 新潟は、1年中乗れるわけやないやろ」

み「それなのよ。

 雪が積もったら、どうしようもない。

 タイヤが空転して、進まなくなるんだから。

 ま、冬はネットスーパーだね」


挿絵(By みてみん)

み「おー、いっぱいロッカーがある」

ハ「ここやなかったやろ」

み「見ただけ。

 犯罪に使われそうなロッカーだよね」


挿絵(By みてみん)

ハ「カメラ、付いたるがな」

み「カメラがあったってさ……。

 ニット帽かぶって、サングラスにマスクしてたら、誰だかわからないでしょ」

ハ「コロナのせいで……。

 そないな格好しとっても、あんまし目立たんなったわな」


挿絵(By みてみん)

み「ここここ。

 やっぱ、目立つとこが一番安全だよね」

ハ「鍵、無くしとらんやろな」

み「ギク。

 そういうこと言うなよ。

 どこだったかな」

ハ「ストリップ、始めなや」

み「あ、あったあった。

 良かったぁ」


挿絵(By みてみん)

み「お、ちょうどいい待合室があった」

ハ「帰るんは、バスやなかったんか。

 立ち蕎麦でも食うんかい」

み「あの立ち食い蕎麦、ぜったい美味しいよね。

 でも食べない」

ハ「なんでやねん」

み「ここで、お土産の撮影をしたいの」

ハ「バスの中ででけるやろ」

み「バスの中では、窓の外を見てたいじゃない」

ハ「子供やがな」


■立ち食い蕎麦

 昔は、新潟駅のそこここに、立ち食い蕎麦のお店がありました。

 ホームはもちろん、構内にもありました。

 構内のは、改札を通らないで食べられました。

 食べようと思えば、いつでも食べられたんですよね。

 でも、お昼を食べない習慣になって以来……。

 きっかけがありませんでした。

 東京では、何度か食べたことがあります。

 ほぼ必ず、天玉蕎麦でした。

 わたしは、ラーメンもそうですが、汁を残せないんです。

 丼の底を見ないと気が済まない。

 でも、東京の蕎麦の汁は、ちょっとしょっからいです。

 黒い汁ですからね。

 新潟も同じだと思います。

 でもその汁も、玉子を溶くと、苦もなく飲めるようになります。

 苦もなくどころか、美味しくてとても残せません。


 新潟駅で、最後まで残ってたのは、1番線ホームの立ち食い蕎麦だったでしょう。

 1番線以外のホームのお店は、当然、ホームの真ん中にありました。

 でも、1番線だけは違いました。

 1番線の片側は線路ですが、その反対側は改札です。

 お店は、その改札側の建物に組みこまれるかたちであったんです。

 ホームには突き出てないんです。

 なので通行の邪魔にもならず、いい案配のお店でした。

 ほぼ毎朝、電車を降りると、その前を通って改札に向かってました。

 旅行者らしい人が、大きなバッグを傍らに、お蕎麦をすすってました。

 朝食なんでしょうね。

 うらやましかったです。

 その日、会社に行かなくていいわけですから。


 1度、食べてみようと思ってるうち……。

 新潟駅の全面高架化工事で、閉店になってしまいました。

 また、体験せずに終わってしまったと残念に思ったものです。

 またというのは、新潟交通の路面電車や笹団子パンも……。

 未体験のまま消失してしまってたからです。


 でも、新潟駅の立ち食いそば屋さん、復活したんです。

 2階の構内です。

 改札を通らなくても食べられます。

 でも雰囲気は、古き良き国鉄時代のものからは、大きく変わってしまいました。

 昔のお店は、どこも口頭注文でした。

 でも、この新しいお店は、タッチパネルの券売機。

 こちら(https://www.andkomachi.com/article/1097343)が新しいお店です。

 奥に椅子が見えますから、座っても食べられるようです。

 しかし、値段を見てびっくりしました。

 天玉蕎麦が、なんと620円でした。

 わたしが東京で食べてたころは、この半分くらいじゃなかったんじゃないでしょうか。

 620円出すんなら、普通のおそば屋さんで食べられたと思います。

 バスセンターのカレーで有名な、「万代そば」さんではいくらなんでしょうね?

 券売機の画像を探したら……。

 「野菜天ぷら玉子そば」というのがありました。

 430円でした。

 これが、立ち食い蕎麦の適正価格ですよね。

 食べるんならやっぱり、万代そばにします。


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