第140話 アトラスの四天王 その3
もう少ししたら余裕ができて、更新速度が早まると思います。
「最初に謝っておくよ。これって関係ない奴は無視しておくんだけど、こんなに邪魔されたら排除しないと、仕事できないからね。だから……そこのクソ赤髪、死んでも文句言うなよ?」
ペストマスクは分かりやすく殺気を漏らし、品川と忍へファイティングポーズを取った。
「……あ? テメェ、誰に向かって口きいてんだ? 死んでも文句言うな? 違うだろ……今から怖いお兄さんに捕まって、ケツを百発全力で叩かれんだよ」
「……なんか甘くないか? 俺だったら鼻フックさせて、大量出血しない程度に身体中を蹴って、痛めつけるんだがな」
「それはそれで酷くない? 何ナチュラルに人一人死にかけない拷問の提案してんの? 何、お前? 世紀末で育ったの?」
「品川よ。俺みたいな教会で産まれて育った人間になってみろ……こんなにも性格が歪むのは必然だ」
「おいおい、テメェの素行の悪さを産まれた場所の所為にすんじゃねぇよ。お前の性格の悪さは、産まれもってのやつだろ」
「その理屈となると、お前の馬鹿は産まれもってとなるな?」
危機的な状況なのに、協力する者同士が一触即発の状態へと発展した。
「何、コイツ等? 訳分かんない、急に協力したりして急に喧嘩し始めた」
「おい、ちょっとツラ貸せや。アッチで五年前の決着をつけてやるよ」
「ほう、やっと一匹しか悪魔を倒せない貴様が、俺に再戦するのか……身の程を弁えろ」
「おうおう、やっぱ強い人は言うこと違うな~? だったら今すぐにやろうぜ?」
「さっきの言葉を聞いてなかったのか? あぁ、すまない。身の程を弁える言葉を知らないのか。すまないな、今度は分かりやすく言うよ……ば~か~!」
忍は完全にイケメンがしてはいけない、ムカつく顔を品川へ向けた罵倒する。
相手の品川は弁護士がしてはいけない殺意に満ちた表情で睨む。
最早、今している喧嘩なんてどうでもいい状態だった。
「不快、さっきまで私に怯えてたのに……しかも失礼!」
ペストマスクから仕掛け、二人に接近する。
「食らわしてやるぜ! ウルトラ太陽拳!」
「マスクドガード!」
ただの右ストレートと、片方はただの闇を纏ったガードだった。
けれど、この意味のない喧嘩と行動が勝機を見いだした。
「!」
ペストマスクは大きな衝撃と激突し、大きく吹き飛ばされ、地面へ伏した。
(な、何が……!?)
訳も分からない内に負傷し、一体自分の身に何があったのか、うまく状況を飲み込めなかった。
「テメェふざけんな! ガードしてんじゃねぇよ! 防がれたら、次は蹴り繰り出すしかねぇだろ!」
そう言って品川は、言葉通りに蹴りを繰り出した。
忍は何も言わず、両手を下へ向けて再び防御した。
(でも、まだ動ける。何が起きたのか分からないけど、力の差ならこっちの方が……!?)
ペストマスクは力を振り絞り、起き上がろうとした。が、またもや腹部に猛烈な衝撃が走り、体は大きく跳ね、再び地面へと衝突した。
「……おえっ!?」
あまりにの衝撃だったので、ペストマスクは下だけ開き、嘔吐した。
「だ~か~ら~! ガードするなって言ってんだろう!」
「……NO!」
怒り狂う品川と英語で返答する忍という、カオスな空間へ様変わりした。
「ち、ちくしょう……い、一体……な、何が……」
ペストマスクは仮面を元へ戻し、立ち上がり、状況把握しようとする。
「もう許さねぇ! 連打だぁっ!」
更に怒り狂った品川が、無数の拳を忍へ向けて放った。
「ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほほい」
リズミカルに忍は品川の拳を両手でガードしていた。
すると品川と忍が互いに、攻撃や防御する度に、ペストマスクは何故か負傷していく。
(二人が喧嘩すると、必ず私の方へ衝撃が伝わってくる。これは風圧でも、脳による勘違いでもない。実際の殴られた痛みだ! あのサングラス悪魔は何もしてないガードしているだけ、あの赤髪の悪魔もガムシャラにサングラスへ攻撃しているだけ……一体何が……)
ペストマスクは何処からか繰り出されている不明な攻撃に、理解が及ばなかった。
「これでくたばれ!」
渾身の一撃右ストレートを忍へ放った。
「ふんっ!」
だが、いとも容易く忍に防がれた。
(集中しろ。何かしら、仕掛けはあるんだ……)
そう考えている最中、ペストマスクは大きく仰け反る形で、吹っ飛ばされた。が、今回は違い、身体を回転させ、威力だけは殺し、足で着地した。
「……早いな。普通なら気づかず終わる所なんだが、やはり『B.N.A』の兵士は違うな」
早い段階で気づかれたので、忍はペストマスクへ向けて会話する。
「……よくも、ふざけた真似をしてくれたな?」
明らかに怒りが露にし、殺意は更に高まった。
「どうする? あのトリックがバレて、なんか煽った形になったぞ?」
「……まあ、気にするな。トリックが分かろうと、もうこっちの勝ちなんだからな」
忍が手に持っていたのはペストマスクが落としたナイフで、ある人物の首元へ向けていた……虹矢だった。
「なんでソイツを捕まえて、そっちの勝ちになるの? 意味不明、理解不能」
「お前等が、あんな戦闘機出してまで、俺達ごとき相手する訳ないだろ? だったら、報酬が支払われてる依頼があったんだろ? 例えば……『アトラス財団』の副社長を救助しろとかな?」
「そ、そうなのか?」
虹矢は適当な見解をする忍の言葉を信じ、聞き返していた。
「アンタは黙ってろ、次喋ったら品川に本気で殴らせるぞ? ……どうだ? ここは交渉しないか?」
「交渉? 君は知ってるだろ、『B.N.A』が悪魔の交渉には応じない組織だって。だから、僕の命と引き換えでも、ソイツを連れて帰らないと駄目なんだよ」
(ヤベェ思考だな。忍の言う通り、『アトラス財団』より危ない組織だな……というより、今まで忍だから自然に思ってたが……コイツ、閻魔さんとか意味不明な組織に狙われすぎてね?)
今はそれどころじゃないだろうと、吹雪がいたら突っ込むのだろうが、そんなこと考えていても警戒していた。
「……おい、お前! 『アトラス財団』の組織の一員だろ。副社長が人質に取られているのに、傍観している場合か?」
ペストマスクは竹島へ向けて、自分の仕事について尋ねていた。
「……すまない、あまりにも神崎忍の戦いに見惚れていた。ここから通常業務に戻る」
誰でも出来そうな言い訳を並べてながらも、目は本気となり、戦闘態勢へと移った。
「そう言えば、まだ途中だったよな? ……テメェと喧嘩すんのは初めてだ。吹雪から聞いてるぜ、アンタの正拳突きはゲロ吐くくらい強いって……この前の借りもあるからよ?」
「安心しろ、今回はアフロ野郎は無しだ。貴様と正々堂々と戦えるぞ」
「なるほどね~……何が正々堂々だ? 俺を舐めてんのか!? コラァッ!」
ニヤニヤとしていた品川は、いきなり憤慨し走って、竹島の間合いまで接近すると飛翔して、右膝蹴りを繰り出した。
「ぐはっ!」
見事に膝蹴りは竹島の顎へクリーンヒットし、背中から大きく倒れた。
いきなりの不意打ちに対応できなかったが、まだ戦闘は続行できる状態なので、品川を睨みながら立ち上がる。
「人がどんだけ、裏切られたら痛い思いするのか……竹島権田っ! テメェが権力を引き換えに捨てた物の重みを、その身に味あわせてやるっ!」
「たかがチンピラ弁護士ごときがっ! 吠えるなっ!」
品川と竹島は同時に動き、素早く互いの右拳が激突した。
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