第139話 アトラスの四天王 その2
まだまだ忙しい中ですが、頑張って更新します。
「さてと、かなりスッキリしたし。忍も早く決めちまえよ」
品川は立ち上がり、忍へ竹島との早期決着を求めていた。
「あぁ、暫く楽しんでから終わらせ……戦闘機?」
忍は音速でこちらへ向かってくる物体音が聞こえ、次に正体を言い当てた。
「戦闘機? 誰が派遣したんだ!」
虹矢も心当たりがなく驚愕に染まっていた。
竹島の方へ向いても、分からないという表情だった。
「まさか……」
どうやら忍だけは心当たりがあった。
すると戦闘機が屋上ギリギリまで接近し、煙幕を上げ、何もせず何処かへ飛び去った。
「F-15イーグル……何もしなかったじゃない。何かを置いて行きやがった!」
忍は先程、戦闘機が接近した場所を注目した。
三人も気になり注目する。
「……」
煙幕が晴れるとそこにはフード付きの黒い外套を纏い、ペストマスクで顔を隠し、品川達よりも少し小柄な人物が立っていた。
遠目で分かるのは、黒い長袖のジャンプスーツ、ゴツゴツとしたホルターストラップのコルセット、指なしグローブだった。
「……目標発見、それと同時に悪魔二体発見」
変声機で男女を判別ができない。けれど、最後に言った物は品川は理解できなかったが、忍はできた。
「やはり『B.N.A』かよ! おい品川! とにかくダークネスホールに入れ! 逃げるぞ!」
珍しく冷静な忍が取り乱し、撤退を選んでいたのだ。
「あ? なんでだよ!? 相手、小僧一人だけじゃねぇかよ!」
「そいつだけは別だ! 魔界連合より質が悪すぎる……品川!」
忍が指摘するも遅く、ペストマスクの人物は品川との瞬時に間合いを詰め、躊躇なく首もとへコンバットナイフで裂こうとした。
「!」
だが、急にペストマスクの人物は行動停止し、独り言を始めた。
「でも、コイツから悪魔の反応が……なんか馬鹿そうだから、すぐにでも殺せる……最悪、私にそんな事言う? ……分かった。このマヌケみたいな顔の奴は殺さない……けど、あのマヌケグラサンは殺しても良いよね?」
品川に興味なくしたペストマスクは、標的を忍へ変更した。
「……了解」
ペストマスクは了承得られて、歓喜な声を上げて忍へ襲撃する。
「おい、待てよ! このマヌケマスク小僧」
そこへペストマスクの左肩をガッチリと右手で掴み、相手にされなかった事に気分を害した品川は、突っかかる。
「止めろ品川! ソイツは冗談抜きで……!」
忍が必死に停止を求めるも……既に遅く、品川はペストマスクに左の脛を蹴られ、激痛でバランスを崩し、掴んでいた右手を離してしまった。
そして品川の右腕を両腕で掴み、華麗に背負い投げした。
「その薄汚い手で触るな……悪魔」
触れられたのがスイッチとなり、さっきまで無機質な声色は、嫌悪感へ変わっていた。
「さて、馬鹿は倒れたから次は君の番……何、君? もしかして馬鹿じゃなくてイカれてる?」
ペストマスクは驚愕したのは、背後から諦めずに立ち上り、鼻血を垂らしていた品川にだった。
「おい、待てよ。ここまでしておいて、はい忍に鞍替えっていうのは、ちょっとおかしくねぇか? もうちょっと俺と遊んでいけや」
「……何度やっても無駄なのに。嫌いだよ、そんな無意味なことを繰り返す馬鹿は」
「無意味って思うのはお前だけだろ? こっちは脛蹴られて、更には転倒させられたんだ……俺の気が晴れねぇよ!」
瞬間だが、ここまで負傷されたので実力は高いと判断し、四肢へ覇気を纏う。
手加減はしているが、直に太陽の熱が当たるのでコンクリートは溶けていた。
(覇気を失ったとは聞いたが、とても空白があるとは思えない……というより、前に会った時より強くなっている!)
完全に蚊帳の外である竹島は、品川の覇気に注目し、底知れない成長で驚愕していた。
「馬鹿野郎! 今は逃げろって言ってるのが分からねぇのか! 『B.N.A』は悪魔専門の始末屋集団だ。少し人間止めてるからって、お前ごときが勝てる相手じゃねぇ!」
「――そこまで言わなくていいじゃん……」
忍がいつもの感じで、罵倒しながら止める発言に、効いたのか品川は落ち込んでしまう。
やりすぎたという表情を浮かべた忍。
「……相手になんないよ」
「なんだと?」
気を取り直し、品川は相手されないと分かると、理由だけは聞こうと睨み付けながら尋ねた。
「だって敵と対面してる時に、余裕こいて他と話てる時点で相手にならない……!」
ペストマスクが余裕こいて説明していたら、品川は顔まで接近し、綺麗で素早い左アッパーを繰り出していた。
けど、やはりプロなのか品川の攻撃は華麗に回避され、更には瞬時へアームロックされた。
(う、嘘だろッ!)
これには品川も内心驚愕しかなかった。
「君、ウザイから腕折るね。この部分は人間の腕だから簡単に折れるよ」
本気でペストマスクは品川の左腕を折りに掛かった。
(ヤベェ! ここで左腕折られたら、『アトラス財団』と喧嘩できなくなる!)
事の重大性に品川は脱出を試みる。が、気持ちは焦り、更には力が入らない。
「人間相手なら楽だよ。だって、押さえる所を押さえたら、こうも簡単に動けなくなるから」
ペストマスクは更に膂力を込めて、明日の方へ曲げる。
「や、止めろ……」
苦悶の表情を浮かべて、品川は停止を求める。
「動くなよ。動くと更に怪我増えるだけだよ。このまま折られて再起不能になれ……!」
ペストマスクは何かに気付き、急ぎ品川から離れた。
「ちっ! あわよくば首ごと飛ばせると思ったのに……」
先程まで停戦を求めていたが、流石に品川が再起不能となると困るので、横槍を入れる忍だった。
「忍……すまねぇ」
解放された品川は忍へ申し訳なさそうに礼を述べた。
「……もう自棄だ。ここで、あの小僧をぶちのめすぞ」
「二人で一人をボコボコにすんのは、気が引けるけど……そうも言ってられねぇ」
「まあ、いいか。少し計画とズレはあるけど、二人の悪魔を殺せたら問題はなくなる」
「なあ? なんでコイツ、俺達のことを悪魔って呼んでんだ?」
「お前の右腕と俺の両目が魔力を発しているのを感知してんだろう。ソイツ等の技術力は底知れねぇよ……」
「成る程、閻魔さんの力でか……え? お前の両目って閻魔さんの?」
今まで知らなかったので、品川は若干ドン引きしながら尋ねた。
「移植方法を聞きたいか?」
流石に忍も移植のことを思い出しただけで、身震いし、テンション低めで質問を返す。
「いやいい。なんかロクなもんじゃないって、お前のテンションで分かった……来るぜ!」
品川の表情は険しくなり、忍へ合図を送る。
そして合図通りにペストマスクは仕掛けてき た。品川なんか目もくれず忍へ一直線で向かっていた。
「久し振りの悪魔狩りだ!」
ペストマスクは走りながらマントを広げ、ホルスターに入っている無数のダガーを引き抜き、素早く忍へ投擲する。
だが、忍は回避せずダガーは透過させた。
「……舐めているのか?」
あまりにもヤル気のなさにペストマスクは呆れていた。走りながらも隠し持っていたカランビットナイフを両手で取り出し、忍へ攻撃を仕掛けようとする。
「甘いな」
それを阻止するように忍はワープし、ペストマスクの両腕を掴んだ。
「へぇ~やるじゃん」
「俺ごとやれ! 品川!」
拘束したペストマスクを無視し、忍は上空へ顔を向け、合図する。
「うぉぉぉぉぉッ!」
品川は右足を大きく頭まで上げていた。
そして雄叫びと同時に、ペストマスクへ向けてかかと落としを繰り出した。
品川の足がセメントと接触すると、亀裂が大きく入り、巨大なクレーターを作り上げ、更にはホテルを大きく揺らす。
「ちっ、逃げやがった」
品川は悔しい表情を浮かべて、背後へ振り向いた。
「……」
ペストマスクは透過できない忍を瞬時に蹴り上げ、品川の攻撃が接触する前に回避していたのだ。
「流石、『B.N.A』って所だな」
「まあ、いいよ。いいコンビネーションだし、少し僕も焦った。だから、もう油断しないから本気でいくよ?」
ここからが本番となるのだ。
いかがでしたか?
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