第136話 呼び出し。
かなりの体調不良によって更新できませんでした。
申し訳ございません。
翌日の朝となり品川、南雲、吹雪は付近にある松屋で朝食を取っていた。
「……あ、悪い。弟子から連絡入ってた。ちょっと外出るわ」
「あぁ」
店内では通話ができない為、ここはマナーを尊重し、店内から出る。
店内へ出て、スマホを操作し折り返し電話をしてみる。
暫くしたら通話が繋がる。
「おう、どうした? なんか覇気で分からねぇ事でもあんのか?」
機嫌よく品川は電話に出て、用件を尋ねた。
「お久し振りですね、品川修二さん」
聞いたことある声だった。
銀行強盗を撃退した後に、自分自信が不快や嫌悪感になるぐらい、聞きたくない声だった。
「……一応聞いておこうか……木戸に何した?」
おびただしい程の殺気を纏った口調で、電話の主へ尋ねた。
「まだ彼女には何もしていません。けれど、お連れさんは人間だったので、少し痛めつけました」
堂々と桐崎が傷つけられたと聞いて、品川の怒りで指圧と握力は強くなり、右手に持っているスマホは大きな亀裂が入った。
「……そうか。じゃあ俺から始末される覚悟はできてるって事で良いんだな? 今、木戸と桐崎さんを解放して、二度と関係持たねぇなら半殺し程度ですませてやる」
「なるほど……それより、まだ朝食を取っていませんね? 今から指定するホテルに私達はいます。そこで一緒に食事しませんか?」
「ふざけてんのか?」
「いえ、ふざけていませんよ。アナタを少し挑発しています。今、私達のカードはアナタより切り札が多い。幾ら瞬間移動最強である神崎忍でも人質もいますからね……」
「大人しく従えと?」
「そうですね。アナタが冷静な人間か熱い人間なのか、どちらか判別する必要がありますからね。そうじゃないとアナタを雇った時、何処に所属してもらうか決めないとなり……」
あまりにも限界を越えた怒りが吹き上がり、握力で携帯電話を破壊してしまった。
「……しまった。何処のホテルか聞くのを忘れてたぜ」
品川は粉々になった携帯電話を拾い、なんとかホテルの手掛かりを探そうとする。
そんな時、付近にあった公衆電話から呼び出し音が鳴り響き、関係ないだろうと思ったが、ここは好奇心が勝り、受話器を上げて出るのだった。
「いやいや、まさか自分の携帯電話を潰すとは思いませんでした。その公衆電話までは壊さないでくださいね、ホテルの場所を言えなくなりますから……」
「だったら早く言いやがれ、前置き長いんだよ。このボケ!」
「……人質があることを忘れないでくださいね? では、銀座ホテルの屋上で待っています。ホテルの係員には話を通していますので……それでは」
ブツリと通話音が切れる音が聞こえ、品川は受話器をソッと置いた。
今すぐにでも、目前にある公衆電話を投げて蹴りで破壊したいと思ったが、公共の物であるためできなかった。
「……」
品川は今すぐにでも人を殺しそうなオーラを発しながら、煙草を咥えてジッポライターで着火し、歩きながら喫煙する。
目的地はムカつく相手が待つ、銀座ホテルまで……
「お兄さん、お兄さん!」
そこへスマホをカメラモードで品川を撮影しながら近づく若者三人がいた。
「ここ法律によって、路上喫煙駄目なので止めて貰ってもいいですか?」
多分、動画サイトとかに乗せる者達だったが、そんな事はお構い無しで無視し、品川は歩き続ける。
というより、眼中になかった。
「あの良い大人がルール守れないって、問題だと思うんですよ。こんな事を見て真似する子供がいたら問題なるので、今すぐにでも路上喫煙を……お兄さん? 耳ありますよね? 聞こえてないんですか?」
ここぞとばかりに初対面相手に挑発し、正義感を振りかざす若者一人。
けれども、品川は無視する。
「ちょっと止まって貰ってもいいですか? 少しインタビューさせてくださいよ。路上喫煙して罪悪感とか……えっ?」
更に挑発しようとすると、品川は若者が撮影しているスマホを反応できない速度で取り上げる。
「あの返してくれません? 窃盗になりますよ?」
食い下がる気はなく、更に法律を盾に若者は煽り立てる。
だが、そんな事なんて知るかという雰囲気で品川はスマホを片手で破壊した。
若者は有り得ない光景を見せられ、唖然とするしかなかった。
更に、粉々になったスマホの部品を手中に入れて、握力で塵へと変貌させる。
「急いでるので……」
粉微塵となったスマホを若者へ煙と一緒に吹き掛ける。
「なあ? これって器物損害になるんじゃね?」
「でもさ、証拠となる物が機械も使わず粉微塵にされてんだぜ?」
どうにもならない三人は、その場でずっと呆然とするしかなかった。
色々と何かしらに絡まれながらも品川は銀座ホテルへと辿り着いたのだ。
「……」
フィルターまで吸引した煙草を携帯灰皿へ捨て、また次の新しい煙草へ着火し、ホテル前で喫煙する。
「あのお客様、当店の前で喫煙は……ぐっ!」
ホテルのボーイが品川を注意しに来た。が、力強く右手で胸ぐらを捕まれて、身体を浮かされ、鬼の形相で睨まれ、動けなかった。
「……いる?」
「……えっ?」
小声で何も聞こえなくて、思わず聞き返してしまう。
「『アトラス財団』の奴は屋上の何処にいる?」
もはや鬼からの脅迫だった。尋常ではない品川の殺気にボーイは失禁し、涙目となっていた。
「品川修二様ですね?」
そこへ背後から、如何にもというサングラスと黒いスーツを身に纏った黒服がおり、殺意剥き出しの品川へ話しかける。
「『アトラス財団』取締役副社長がお待ちしております。もしここで騒ぎを起こされると、桐崎様と木戸様の安全が保証されません。なので、その無関係のボーイを解放してくれると助かります」
当たり障りもない説得により、品川はボーイを解放した。
ボーイはその場でへたりこみ、品川に対して畏怖で動けなかった。
「……案内を頼めるか……黒服さん」
ここは冷静となり、警戒したまま黒服に案内を頼んだ。
(良かった~! あの伊波一翔みたいなイカれた奴じゃなくて……)
黒服も内心はハラハラしており、もし伊波みたいな奴で、問答無用でボーイを殴り殺し、自分も半殺しされて副社長の前へ放り出されると思っていたのだ。
二人でエレベーターに乗り、長い距離を登る。
「……」
品川は壁へ凭れ、腕組みし、目を閉じていた。
「……」
黒服は会話がないので、かなり気まずいと思っていた。
「おい」
「はい、なんでしょう?」
ここで沈黙を破ったのは品川だった。
黒服は落ち着いた態度で対応する。
「『アトラス財団』のボスの名前を聞くのは駄目なのか?」
「いえ、問題ありません。聞きますか?」
「あぁ……」
「では……『アトラス財団』代表取締役の名前は高島陸です。副社長は虹矢清張、『覇気使い四天王』の一人と呼ばれております」
「『覇気使い四天王』? 三銃士なら知ってるが、四天王は初めて聞くな……」
「四天王も説明しましょうか?」
「えらく親切じゃねぇか? こっちは人質取られて殺気立ってんのに、呑気に味方の情報を垂れ流してんだぜ? 何か企んでのか?」
「……これは副社長には話しておりません。だから、品川様だけにお伝えします」
雰囲気は変わり、殺伐と緊迫した空気から真摯な空気へとなり、品川は黙る。
「社長である高島様は、品川修二様が凄く気になる模様で……」
「俺はホモじゃねぇぞ?」
誰もそんな話ではないのに、ここぞとばかりに馬鹿を発動させる。
「いえ、社長もノーマルな方です。社長は……」
エレベーター内で伝えられた物は衝撃的で、品川を驚愕させるには十分だった。
品川の思考回路は停止し、咥えていた煙草をポロリと落としたのだ。
「……それはガセじゃねぇだろうな?」
「私は使いの者です。真意は本人にあって確かめるしかありません……」
「……分かった、ありがとう……そろそろ到着するようだぜ」
エレベーターの到着音が鳴り、ドアはユックリと開かれた。
いかがでしたか?
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