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九条会からの刺客

石嶺を追い詰めた荒垣だったが……。

とあるファミリーレストランで似つかわしくない格好の女性と、


またその女性と不釣り合いの普通の大学生が一緒の席で気まずい雰囲気を醸し出している。


「なぁ、あんたホントにあのバッグに録音データ入ってたの知らなかったの?」


エミは泣いている。


「知らないわよ。


なんで〜。なんで私を置いていったのよ〜。」


完太呆れたように、耳の穴をほじくる。


(あんなやつが、あんた1人に本気になる訳ねーだろ。二十歳の俺でも分かるわ。)


エミ「ねぇあの人(荒垣)は誰なのよ。あんたたちは誰なの?ヤクザ?

あの録音データはなんなのよ?」


(この女、ホントに何も知らねーんだな。)


完太「何も知らないなら用はないよ。帰ろ。」


「え?私…麻布のマンション帰っていいのかな…」


(知らねー知らねー。)


「何にせよ、あの男とはもう会わない方がいいんじゃないか?鍵だけ部屋に置いてきたらいいんじゃね?


じゃあ俺もう行くから」


女が何か言っているが、振り向かずにファミリーレストランを後にした。




そして、時を同じく

荒垣はというと…


(なんだ?ここは?)


追いかけてきた石嶺の車が止まった先は

建築現場だ。


「バタン」


車から降りる石嶺。


左手にはバッグを持っている。


荒垣も車から降りる。


若衆は車から降りてきていない。


「どうしたんですか?こんな人気のない所で止まって。ここでいきなりパーンなんてやめてくださいよ。」


「馬鹿言え。俺がそんなリスク犯してお前を殺った所で何の得があるんだよ。

まず、このバッグの中身を何処で知った?

何処まで知ってる?」


「さぁね。ただ、俺も怖がりなんでね、ここにくるまでに九条会の方には連絡させてもらったよ。

九条会は3年もの間、必死に探してたんだ。

それこそ、アンタ殺してでも手に入れたいんじゃないか?」


「フン。どうやらこのバッグの中身が何なのかも知ってるみたいだな。

九条会に連絡したのはハッタリだろ?

ここで九条会がこのバッグを手に入れたらお前ら黒金組には何も入らん。

いいとこ、九条会に恩を売れるくらいで、今と何も変わらんからな。」



荒垣が悟られまいと平静を装い


(よく分かってらっしゃる。御名答。そう、九条会の上に行くのが目的だからな。九条会に先越される訳にはいかねーんだよ。)



「何が目的だ?

どこからこのバッグの中身を知ったのか知らないが、お前ら末端の組が扱える代物じゃねえぞ。


かと言って、ここまできたらお前も引けねーよな?



どうだ?取引といこうじゃないか。


荒垣〜。


3年もの間、組の為を思って一言も言い訳せずにムショにぶち込まれたんだろ?

組織への功労として、1年1000万の3年3000万でどうだ?

悪くないだろ?

コレで今回の件は忘れてくれたら今日の非礼は許すとしようじゃないか。」




荒垣の表情が強張る


(3000万だと?相当いい条件だ。石嶺がそこまで出すと言う事は九条会の麻薬ルートに絡んでるのか?

億単位の金が石嶺の懐に入っているってことか…。


もしくは、この場を何とか見繕って、録音データを別の場所に隠すのか?

その後に取引の話はシラを切る可能性もある。)


荒垣が思考を巡らしている束の間に


「パシュ!」


荒垣「!?」「なんだ?」


音のした方を見ると、石嶺の運転手だった若衆の手には拳銃が握られていた。


「ガハッ!」


血を吐いて、膝を付く石嶺。


心臓に命中している。


荒垣「なんだてめぇ」


運転手に詰め寄る。


若衆「おっと、それ以上近づくなよ。」


そう言うとその男は石嶺の方に歩いていき、もう一発

膝をついてる石嶺の頭を撃ち抜いた。


「パシュ」



お読みいただきありがとうございます。

面白ければ評価していただけると励みになります。

第一部も残り2話です。最終話は明日の12日夜8時10分に投稿したいと思います。

2部も書いていきたいと思ってますのでよろしくお願いします

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