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最高の金庫番

石嶺の動きを毎日監視し続けた荒垣たちは、愛人のエミがどうやら録音データを持っているのでは?と疑い始めるが……


荒垣が満面の笑みで完太の肩を叩く。


「カーカッカッカッ」


独特な笑い声が店内に響く。


「分かるだろ。ボン。

この女に近づいて何とか麻布のマンションに入ってくれ。」


「え?・・・・」


間の抜けた声を出した完太に荒垣は肩をすくめる。


「って言うのは無理なのは分かってるよ。

それをお前に頼む訳じゃねーよ。大学での動きをチェックして、毎日連絡して欲しいんだ。


大学内だけでいい。

外に出たら、また別の連中が尾ける。」


グラスをテーブルに置き、荒垣は続ける。


「この女はな、


元々「リビエラ」のホステスだったんだよ。

しかも、ナンバーワンでも何でもない。

大して人気のない、どこにでも居るような女だった。」



「なんでそんな女に石嶺は入れ込んでるんすかね?」


荒垣が膝を叩く。


「そこなんだよ。たまたま好みの女だったとは考えにくい。石嶺がこの女を囲ってる理由があるはずなんだ。

まずその理由を洗う。」


完太が前のめりになり、


「なんか面白そうっすね。探偵みたいで。

でも、直接石嶺にアタックしたいっすけどね。」


荒垣が深いため息をついて


「あ〜聞いたぞ。ケン坊にもそんな事言ってたらしいじゃねーか。直接稲葉組に乗り込むとかなんとか。

俺たちの世界は気に入らないからって手を出したらダメなんだよ。


まぁいい。お前の能力はいずれ役立つ時が来る。

それまで探偵ごっこだ。」


「・・・了解っす。」


翌る日。


大学内でエミを詮索する。


エミの名前は本山エミ23歳。後から分かった事だが、最近急に羽振りが良くなったらしい。ブランドモンを身に付けて、性格まで派手になったとか。


荒垣の調べですでに学校内での学部、サークルは調べ済みだ。本物の探偵に調べさせたようだ。


教えてもらった教室に向かう。


(いたいた。分かりやすく派手な格好をしている。)


髪は黒髪だが、身に付けている物が大学生のソレとは明らかに違う。


大学内での監視を続ける。


見た目とは裏腹に、授業もしっかり出て、格好以外は至って普通の生徒だ。


そして、1週間が過ぎた頃、荒垣から連絡が入る。メールだ。


(ご苦労さん。この1週間でお前が送ってくれた写真の中に気になる事がある。今日の夜でもまた城蘭に来てくれ。そこで話す。)


歌舞伎町の城蘭に着いた。


また荒垣は瓶ビールを3本空にしている。


(一体何時から飲んでるんだよ)


「おーよく来たな。食え食え。

え〜。炒飯、餃子、ラーメンと〜」


(それは絶対なのか?酢豚とか食べれないのか?)


「1週間ご苦労だったな。」


「うす。ところで、何だったんすか?写真の中に気になる事って。」


「ああ、この1週間で石嶺はあの女と夜に2回会ってる。

今週だけじゃなく、先週も先々週も会った時に必ずエルメスのバッグを石嶺に一旦預けるんだ。

時間にしたら数秒だけど、毎回必ずエルメスを一度手に取るんだ。

それに。大学でエルメスは少し不釣り合いだろ?

格好はそのギャップを無くす為にわざと派手にしているのかもな。」



完太が首を傾げる。


「ん?。それがどうしたんです?石嶺がプレゼントしたバッグを大事に使ってるだけじゃないんですか?」


「あぁ、そうだな。だが、考えてもみろ。数ヶ月前からオヤジは石嶺の周りを探ってた。行動パターンとして、愛人との麻布マンション以外に定期的に通ってる所が無いんだよ。

九条会も黙ってる訳じゃない。裏で血眼になって録音データを探してる筈だ。

九条会に至っては3年も探してるんだ。

それでも見つからないという事は録音データを定期的に移動してると考えた。しかもその録音データは勝手に離れて、勝手に近づいてくるんだ。分かるだろ?」


「あ!。まさか・・・。」


「ああ。そうだ。あの女のバッグだよ。

常に大事に持ってるあの中に隠されてる筈だ。

だから「リビエラ」でも人気のなかったホステスなんだよ。

自分の思い通りに動かせて、金で囲える平凡な女を選んだんだよ。」


「しかもバッグは多分改造されてる。

生地の裏側…普通では絶対に触らない場所に隠してある筈だ。」


完太の動きが止まる。


「じゃあ…エミは?」


「あぁ、何も知らねえ。」


即答だった。


「自分が運んでる事すらな…。

攫われて、脅されようが、なにも吐けねぇ。

そういう意味じゃ、あの女は最高の金庫番だ。」



「じゃあ、あの女からバッグ盗んだらいいじゃないすか。」


「まぁそうなんだが、それには確固たる確証が欲しい。盗んでありません。でしたじゃ、それこそ俺たちは終わりだ。そこは慎重にいきたい。」




「じゃあどうするんすか?」


完太が問い詰めると


荒垣がニヤリと笑い、


「石嶺に・・・。録音データを自らの手で取り出させるんだよ。」



お読みいただきありがとうございます。面白ければ評価していただけると嬉しいです。

1部は全19話となります。もう書き終わりましたので、これから毎日投稿したいと思います。20時10分頃。

2部も書いていきたいと思ってますのでよろしくお願いします

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