39 バイクを楽しもう
私は2輪の免許を取ってまだ二年ちょっと。
それまでは原付が私にとってのバイクでした。
そんなことを思いながら書いたエピソードです。
誰かが言った。
「バイクに排気量や車格の優劣は無い」
その通りだと思う。
大型バイクだからといって偉い訳ではないし、原動機付自転車だからといって卑屈にならなければいけない訳でもない。
大型の良さは普通二輪免許しか持っていない私には解らないが、中型には中型の、原付には原付の良さがある。そして、それらは個性ではあっても、優劣ではないのだと私も思っている。
たとえ排気量が49ccしかなくとも、一度アクセルを開けばそれは空気を風に変え、私達に感動を与えてくれるのだ。
私はバイクの免許をとってまだ2年ちょっとしか経っていない。
免許をとった経緯については過去のエピソードをご覧いただくとして、それまでは50cc未満の原動機付自転車が私にとってのバイクだった。
初めてバイクを運転したのは20年以上前。まだ学生だった。
親戚の家の物置から緑色のスクーターを引き取ってきて、足代わりにした。ヤマハのパッソルだ。
懐かしい。本当に、自転車のように何の気無しに乗ることが出来た。
2台目のバイクは、マニュアルミッションに乗ってみたくて、バイト代を貯めて買ったホンダ・NS-1。
2ストローク単気筒のこのバイクは、とにかく元気で楽しかった。バイクに乗る楽しさを教えてくれたのは、きっとこの1台だろう。
そして随分と期間が空き、3台目のバイク。父が買ったまま、乗りもせずに実家の納屋でホコリをかぶっていたホンダ・Dioチェスタ。
今時の典型的な買い物用スクーターで、アクセルレスポンスは鈍く、スピードも出なかった。しかし、大きなメットインスペースとカバー付きの前カゴが付いていて、バイクでありながらたくさんの荷物が乗る便利な1台だった。
4台目のバイクは、チェスタに乗るようになったことで再びマニュアルミッションに乗りたくなり、ヘソクリで購入したホンダ・XR50モタード。
非力ではあったが、マニュアル車の面白さ、バイクとしての楽しさがしっかりとつまった1台だった。このバイクに乗ったことで、今のバイク生活への扉が開いた…‥と言えなくもない
この後、2輪免許を取得し、50cc以上のバイクに乗り換えるのだが、原付しか乗れなかったあの頃も、今ほどのめりこんではいなかったとはいえ、バイクに乗ることは楽しかった。
NS-1は例外として、パッソルもチェスタもXRも、非力でスピードこそ出なかったが、乗ればとても楽しかったのだ。
思い返してみると、あの頃も暑い寒いに関係なく、乗りたいと思った時にバイクに乗っていた。
なんだ、同じじゃないか。
あの頃はクルマが好きで、エネルギーをそちらに多く割いていたから、今のようにバイクにのめりこんでいなかったというだけで、やっていることはそれほど変わらない。
あの頃から充分、バイクを楽しんではいたのだ。
バイクのための時間と気持ちの絶対量が多くなかった為、現在のように色々なモノに気が付くことは出来なかったが、それでもバイクに乗ること自体は好きだったし、楽しんでもいた。
今は250cc、110cc、90ccと3台の相棒達と共に、バイクのある毎日を楽しんでいる。
バイクで走ることだけではなく、バイクに乗って見る景色、木々や花々、神社や古い建物など、色々なものを見て、あの頃以上の何かを感じられるようになったと思う。
でも、あの頃から知っていて、今も変わらないものもある。
風だ。
パッソルに乗ってバイトに通っていた夜も、NS-1で農道をカッ飛んでいた頃も、チェスタでノンビリと買い物をしていた日も、XRで田んぼ道を走っていた時も、それらは全て風の中の記憶だ。
いくらアクセルを開いても60kmも出ないチェスタでも、50ccのクセに100km近いスピードが出たNS-1でも、それは同じだ。
今も、250ccのスーパーシェルパで、110ccのアドレスで、90ccのスーパーカブで、それは感じることが出来る。
バイクに優劣は無い。
あるのはそれぞれの個性と空気を風に変える力。
内燃機関を抱いて、2つのタイヤで風の中を加速する。
それがバイク。
そこに排気量や車格の優劣は無い。
あるのは、私達がそれを楽しめるかどうか、ただそれだけだ。
排気量や車格に差があっても、走り出せばそれはバイクとしての魅力をちゃんと発揮してくれるものです。
原付よりは普通二輪の方がラクですが、原付にも良いところはたくさんあって、比べることははっきり言って不毛です。
同じ風を感じながら走るものに違いはありませんからね。




