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31 カレンダーを眺めながら

今年も冬至を過ぎてあと少し。

一年を振り返ったお話しです。

 12月も残り10日をきった。今年もまた1年が終わる。

 バイクで始まって、バイクを中心に過ごした毎日。

 いろんなことがあったな…‥

 始まりは1月1日の早朝、スーパーシェルパで行った渡良瀬遊水地。

 目の前に広がる(よし)の原の向こうに昇ってくる初日(はつひ)()は、いつも以上に鮮やかな色に見えた。ただ、寒過ぎて震えが止まらなかったけれど。

 3月は、スーパーシェルパのシートに小さな裂け目ができているのを見つけ、どうしようかと(あわ)てた月だ。

 結局、シートのスポンジが(いた)んでしまう前にと、大きなホチキスとドライヤーを手に、自分でシート皮の張り替え作業をおこなった。結果、思った以上に上手くいき、今でもシートにシワは出ていない。

 5月になると、家族に内緒で仕事を休み、スーパーシェルパで海を見に行った。いつもなら仕事をしているはずの時間に1人と1台、ただ黙って海を(なが)めているのは不思議な気分だったな。

 7月からは新たな相棒、スーパーカブが私の毎日に加わった。自分でシートやマフラー、タイヤを変更し、オリジナルのスクランブラー仕様に仕上(しあ)げた。

 周りからは「また買ったの!」などと言われたが、どれも全く性格の違う3台。そのバイク達の存在は、いつも私の生活に光を生み出してくれる。さすがにこれ以上は増やせないが、新たな相棒は、田んぼ道の似合う頼れるヤツだ。

 そして秋が来て、今年ようやく小学生になった息子や3年生の娘と、一緒にタンデムで出かけるようになった。

 2人でバイクに乗るのはとても新鮮な体験だった。

 インカムを付け、目に映る景色や体に感じる風を共有しながらバイクで走る。その楽しさは、1人でバイクに乗る楽しみとはまた別のものだ。

 かつて私が父のバイクの後ろに乗って感じた気持ちを、今の私がバイクに乗って感じる風を、子供達は感じてくれただろうか。

 何もかもが便利になっていく今の世の中。

 子供達が大人になる頃には、クルマすら人間が運転する必要が無くなっているかもしれない。

 そんな時、(なつ)かしく思い出せる、風と背中の記憶になれただろうか。

 そうなれていたら、私としてはとても嬉しい。

 楽しい、良い1年だった。

 風に()れる桜を(なが)めた春も、陽射しに焼かれながら向日葵(ひまわり)の鮮やかな黄色に目を見張った夏も、紅葉に赤く彩られた山々に(いだ)かれて走った秋も、身を切るように冷たい空気の中で咲く寒桜(かんざくら)の姿に感動した冬も、バイクと共に過ごした1年が今年もまた終わる。

 あと数日…‥、そしてまた新たな年が始まる。

 きっと私は来年の1月1日も今と同じように、冷たい風が吹く冬の路上を相棒と共に走り、震えながらどこかで朝陽を(なが)めているだろう。

 相棒と共に迎える新しい1年の始まり。

 でもそれは、いつもと何も変わらない、走り続けた先にある日々の中の1日。

 終わらない毎日。

 走り続ける日々。

 カレンダーの数字が新しくなっても、私達がやることはきっと変わらない。

 ヘルメットをかぶり、アクセルを開き、フロントタイヤで目の前の空気を切り裂いて加速する。

 世界を置き去りにし、その加速の中で、後方に飛んでいく世界をより強く認識する。世界の色を鮮やかに感じる。

 私達はバイク乗りだ。

 カレンダーが変わっても、昨日も、今日も、そして明日も、走り続ける。

バイクと過ごすいつもと変わらない毎日。

きっと来年も同じようにバイクと共に過ごすと思いますが、いつでも新しい発見があるのがバイクの楽しみ。

来年も楽しい一年にしたいですね。

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