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共闘死守

あらすじ

御玉みたまの危機に、進次郎の捨て身の一撃でほむらに致命傷を負わせ撃退したのであるが、

激闘の末に進次郎が瀕死の重体となってしまう。

悲しむ御玉の涙が進次郎と神剣に吸い込まれ、『空斬刺鏡くうざんしきょう』が『完成された神器』へと覚醒する。


【山賀の里・聖櫃の奥の間(夜・月食)】

崩落しかけた奥の間。

御玉は、先端に美しい翡翠の宝玉が埋め込まれた聖なる杖

破邪顕正はじゃけんしょう』を構え、

進次郎は御玉から託された神剣

空斬刺鏡くうざんしきょう』を正眼に構えている。

対する焔(朱音)の手には、

地獄の業火が渦巻く獄炎魔槍『煉獄の咆哮れんごくのほうこう』が握られていた。

焔(朱音)「塵に還れ、大和の虫ケラども!」焔が魔槍を振るう。

爆音と共に、黒い炎の塊が龍のようになって二人に襲いかかる。

進次郎「御玉、合わせろ!」

御玉「はい……!」

進次郎が神剣『空斬刺鏡』で炎の龍を鋭く切り裂き、

御玉が杖『破邪顕正』から放つ聖なる光でその身を怯ませる。

見事な連携で焔を追い詰めていく二人。

しかし、神剣の鋭い一撃が焔の仮面を叩き割った瞬間、

その下に隠れていた「母・朱音」の素顔が露わになる。

朱音(焔)「う、うぐっ……御玉……助けて……」

一瞬だけ、母親の優しい声が混じる。

御玉「……っ! お母様!?」御玉の動きが完全に止まる。

それが焔の罠であることを見抜いた進次郎が叫ぶ。

進次郎「いけない、御玉! それは焔の幻惑だ!」

だが、一瞬の隙は致命的だった。

焔(朱音)の顔が歪んだ笑みに戻り、

魔槍『煉獄の咆哮』の先端から、

最大出力の獄炎が御玉の胸元めがけて突き出される。

御玉「あ……」精彩を欠いた御玉は避けることができない。

その時、黒い影が御玉の前に割り込んだ。

進次郎である。ズシャァッ!!魔槍の凶刃が、進次郎の胸を深く貫く。

鮮血が飛び散り、御玉の頬を濡らす。

御玉「進次郎ーーーーーーっ!?」

進次郎「がはっ……、まだだ……俺は、お前を、守る……!!」

重傷を負い、吐血しながらも、

進次郎の瞳の奥の「青い狼」の光は消えていなかった。

進次郎は己の体に刺さった魔槍を素手で掴んで固定し、

渾身の力で神剣『空斬刺鏡』を突き出す。

進次郎「おおおおおおおっ!!」神剣の刃が、焔の胸深くと突き刺さる。

聖なる輝きが焔の肉体を内側から焼き、

ルシファーの邪気が苦悶の叫びを上げる。

焔(朱音)「ぎゃああああああっ! 宿命の剣士め……! 覚えていろ、我が肉体が癒えた時、必ずやお前たちを、世界ごと消し去ってくれるわ……!」

致命傷を負った焔は、朱音の肉体を纏ったまま、

黒い霧となって夜空へと逃げ去っていった。

ゾンビ武士たちも泥のように崩れ落ち、あたりに静寂が戻る。

ドサリ、と進次郎がその場に倒れ込む。

御玉は杖を投げ出し、進次郎の体を抱き起こす。

御玉「進次郎! しっかりして、進次郎! 私のせいで……私のせいであなたが……!」

涙が御玉の目から溢れ、進次郎の胸に、そして彼が握る神剣『空斬刺鏡』へとボタボタと落ちていく。

その涙を吸い込んだ神剣が、淡く悲しい輝きを放ち始める。

進次郎、かすむ目で御玉を見上げ、

血で汚れた手で彼女の頬に触れようとするが、その手は力なく落ちていった。



この作品は「私にキスできますか?」の作中作品です。

付録ですので、とても緩く放置おねがいします。

今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


御玉みたま

なよ竹の巫女。

山賀サンガの娘・朱音あかね

孟竹林の「光る酒」を飲んで授かった神秘的な少女。

生まれた時から『龍神の翡翠』を握っていた。

神々しい美しさを持つ。


進次郎しんじろう

蒼き狼の剣士

腕に青い狼の痣を持って生まれた最強の忍び。

御玉と深く愛し合い、彼女から託された神剣を手に戦う。


ほむら

堕天使ルシファーの変異体

歴史上の悪女(趙姫、西太后など)に乗り移り、世界支配を目論んできた巨悪。

永遠の命を得るため、翡翠と「かぐやの血(御玉の血)」を狙う。


三蔵さんぞう

山賀の生き残り。御玉の最期を看取り、彼女の遺志を継ぐ忠実な仲間。


大和やまと

『日いずる国』の 『約束の地』であり、『その時を待つ場所』。大いなる平和を甘受する土地の意。


※山賀、伊賀、甲賀

四散したイスラエル10支族の末裔。山賀は神官兵団に近い。伊賀、甲賀は守護騎士団に近い。主に忍びである。聖櫃アークとその中の秘宝「十戒の石板」を守る。


※守人

四散したイスラエル10支族の末裔。蝦夷を目指し、『始まりと終わりの地』であるアンヌプリにて、『 守人』となった。武装した山伏のようなイメージ。


※龍神の翡翠

善悪の根源にて真実の結晶体。『最後の審判』であるグレート・リセットを引き起こす事が可能な唯一無二の宝石。


※『空斬刺鏡くうざんしきょう

神剣。神託を得て御玉みたまが打った剣。

『無』をも切り裂く『絶空ぜっくう』を起こす。

他の忍びは刀だが、これは直剣である。


※『破邪顕正はじゃけんしょう』。

御玉みたまの聖杖。

不正な教えや邪悪なものを打ち破り、正しい道、すなわち正義を明らかにする杖。

聖なる光を放ち、悪魔の闇を一瞬で払う。


獄炎魔槍ごくえんまそう『煉獄の咆哮れんごくのほうこう

ほむらの槍。

ソドムとゴムラの怨念の炎を纏っている。


※最後の審判

『始まりと終わりの地』アンヌプリにて引き起こせるグレート・リセット


※イオマンテの秘儀

守人の力によって作られる結界。


※なよ竹の巫女

御玉みたま


※蒼き狼の剣士

進次郎




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