アークの喪失
あらすじ
母親が憑依されたのを知った御玉は苦戦し、
結界を破られ聖櫃は破壊されてしまう。
【山賀の里・聖櫃の奥の間(夜・月食)】
激闘から続く激しい爆発音と怒号が遠くで響く中、
重々しい石の扉が乱暴に押し開けられる。
進次郎と御玉が息を切らせて飛び込んでくる。
進次郎「御玉、こっちだ! 聖櫃は――」進次郎の言葉が凍りつく。
奥の間に安置されていた、世界の均衡を保つための『聖櫃』。
そこを護っていた強固な光の結界は、すでに無惨にも引き裂かれていた。
部屋の中央には、変わり果てた姿の母・朱音(焔)が立っている。
その足元には、真っ二つに叩き割られ、
神秘の輝きを失ってただの石片と化した『契約の石板』が転がっている。
破壊された石板から、黒い煙が呪いのように立ち上っている。
御玉「ああ……そんな……『契約の石板』が……!」
御玉はその場に崩れ落ちそうになり、絶望に目を見開く。
焔(朱音)「ハハハハ! 遅かったな、なよ竹の巫女よ! 大和の『大いなる平和』など、この石板とともに今、完全に潰えたのだ!」
焔(朱音)は狂おしく笑いながら、割れた石板をさらに踏みにじる。
その肉体からは、結界を破り石板を破壊したことで、
さらに強大になった地獄の氷と炎のオーラが溢れ出ている。
進次郎、御玉をかばうように前に出ながら、腰の剣を抜き放つ。
その腕の『青い狼の痣』が、激しい怒りに呼応するように青く脈打つ。
進次郎「貴様……御玉のお母様の体を弄び、大和の希望まで奪うとは……絶対に許さん!!」
焔(朱音)「許さぬ? 命を賭して護るべきものを失った虫ケラが、何をするというのだ」
焔(朱音)が右手をかざすと、破壊された石板の破片が空中へと浮かび上がり、
鋭い刃となって進次郎と御玉を狙う。
月食の赤黒い光が、破壊された奥の間を不気味に照らし出す。
この作品は「私にキスできますか?」の作中作品です。
付録ですので、とても緩く放置おねがいします。
今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※御玉
なよ竹の巫女。
山賀の娘・朱音が
孟竹林の「光る酒」を飲んで授かった神秘的な少女。
生まれた時から『龍神の翡翠』を握っていた。
神々しい美しさを持つ。
※進次郎
蒼き狼の剣士
腕に青い狼の痣を持って生まれた最強の忍び。
御玉と深く愛し合い、彼女から託された神剣を手に戦う。
※焔
堕天使ルシファーの変異体
歴史上の悪女(趙姫、西太后など)に乗り移り、世界支配を目論んできた巨悪。
永遠の命を得るため、翡翠と「かぐやの血(御玉の血)」を狙う。
※三蔵
山賀の生き残り。御玉の最期を看取り、彼女の遺志を継ぐ忠実な仲間。
※大和
『日いずる国』の 『約束の地』であり、『その時を待つ場所』。大いなる平和を甘受する土地の意。
※山賀、伊賀、甲賀
四散したイスラエル10支族の末裔。山賀は神官兵団に近い。伊賀、甲賀は守護騎士団に近い。主に忍びである。聖櫃とその中の秘宝「十戒の石板」を守る。
※守人
四散したイスラエル10支族の末裔。蝦夷を目指し、『始まりと終わりの地』であるアンヌプリにて、『 守人』となった。武装した山伏のようなイメージ。
※龍神の翡翠
善悪の根源にて真実の結晶体。『最後の審判』であるグレート・リセットを引き起こす事が可能な唯一無二の宝石。
※『空斬刺鏡』
神剣。神託を得て御玉が打った剣。
『無』をも切り裂く『絶空』を起こす。
他の忍びは刀だが、これは直剣である。
※『破邪顕正』。
御玉の聖杖。
不正な教えや邪悪なものを打ち破り、正しい道、すなわち正義を明らかにする杖。
聖なる光を放ち、悪魔の闇を一瞬で払う。
※獄炎魔槍『煉獄の咆哮』
焔の槍。
ソドムとゴムラの怨念の炎を纏っている。
※最後の審判
『始まりと終わりの地』アンヌプリにて引き起こせるグレート・リセット
※イオマンテの秘儀
守人の力によって作られる結界。
※なよ竹の巫女
御玉
※蒼き狼の剣士
進次郎




