焔(ほむら)の復活
あらすじ
世界支配を目論む焔が、
御玉の母である朱音に憑依し実体化する。
【山賀の里・朱音の庵(夜)】
直後しんしんと冷える夜。
御玉の母・朱音は、庵の奥で一人、静かに機を織っている。
規則正しいパタン、パタンという音が響く。
突然、激しい突風が庵の障子をガタガタと揺らす。
織り糸が不自然に凍りつき、パキリと音を立てて切れる。
朱音「……!?」朱音が手を止めると、
部屋の灯明が急に青白い炎へと変わり、そのまま消える。
闇に包まれる室内。床の隙間から、
まるで生き物のように蠢く、
不気味な黒い冷気(ルシファーの分身たる焔の邪気)が立ち上る。
朱音、恐怖に身を硬くし、立ち上がろうとする。
朱音「な、何奴……っ!?」黒い冷気は一瞬で人の形を成し、
変異したルシファー『焔』の歪んだ幻影となる。
焔の目は血のように赤く光っている。
焔の声「見つけたぞ……『かぐやの血』を宿す器の母よ」
朱音「ひっ……!」朱音が悲鳴を上げる間もなく、
焔の邪気が牙を剥くように彼女の胸元へと突き刺さる。
朱音の体が宙に浮き、激しく痙攣する。
朱音「ああああああっ!!」
朱音の瞳が、一瞬だけ地獄の業火のような赤色に染まる。
彼女の首筋の血管が黒く浮かび上がり、
頭の中に焔の邪悪な笑い声が響き渡る。
焔の声(朱音の脳内)
「この肉体、世界を焼き尽くすための最初の一歩として、私が貰い受ける……!」
ドサリ、と床に崩れ落ちる朱音。静寂が戻る。ゆっくりと立ち上がる朱音。
その立ち姿は、先ほどまでの慈愛に満ちた母親のものではない。
どこか冷酷で、威圧的な気配を纏っている。
朱音(焔)、自分の両手を見つめ、妖しく口元を歪めて微笑む。
朱音(焔)「ふふふ……素晴らしい。では、始めようか。我が最期の戦いを」
朱音(焔)の視線の先、窓の向こうの月が、
完全に黒く染まりきり、不吉な赤黒い月食と化す。
この作品は「私にキスできますか?」の作中作品です。
付録ですので、とても緩く放置おねがいします。
今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※御玉
なよ竹の巫女。
山賀の娘・朱音が
孟竹林の「光る酒」を飲んで授かった神秘的な少女。
生まれた時から『龍神の翡翠』を握っていた。
神々しい美しさを持つ。
※進次郎
蒼き狼の剣士
腕に青い狼の痣を持って生まれた最強の忍び。
御玉と深く愛し合い、彼女から託された神剣を手に戦う。
※焔
堕天使ルシファーの変異体
歴史上の悪女(趙姫、西太后など)に乗り移り、世界支配を目論んできた巨悪。
永遠の命を得るため、翡翠と「かぐやの血(御玉の血)」を狙う。
※三蔵
山賀の生き残り。御玉の最期を看取り、彼女の遺志を継ぐ忠実な仲間。
※大和
『日いずる国』の 『約束の地』であり、『その時を待つ場所』。大いなる平和を甘受する土地の意。
※山賀、伊賀、甲賀
四散したイスラエル10支族の末裔。山賀は神官兵団に近い。伊賀、甲賀は守護騎士団に近い。主に忍びである。聖櫃とその中の秘宝「十戒の石板」を守る。
※守人
四散したイスラエル10支族の末裔。蝦夷を目指し、『始まりと終わりの地』であるアンヌプリにて、『 守人』となった。武装した山伏のようなイメージ。
※龍神の翡翠
善悪の根源にて真実の結晶体。『最後の審判』であるグレート・リセットを引き起こす事が可能な唯一無二の宝石。
※『空斬刺鏡』
神剣。神託を得て御玉が打った剣。
『無』をも切り裂く『絶空』を起こす。
他の忍びは刀だが、これは直剣である。
※『破邪顕正』。
御玉の聖杖。
不正な教えや邪悪なものを打ち破り、正しい道、すなわち正義を明らかにする杖。
聖なる光を放ち、悪魔の闇を一瞬で払う。
※獄炎魔槍『煉獄の咆哮』
焔の槍。
ソドムとゴムラの怨念の炎を纏っている。
※最後の審判
『始まりと終わりの地』アンヌプリにて引き起こせるグレート・リセット
※イオマンテの秘儀
守人の力によって作られる結界。
※なよ竹の巫女
御玉
※蒼き狼の剣士
進次郎




