二十九杯目
探索庁管理課の一室。
俺は柊さんが紹介したい人がいると言って部屋を出てから戻って来るのを待っていた。
ガチャ
「弥彦君待たせたわね」
柊さんの後ろには背が高く黒っぽい紫色の髪をした男性がいた。
「課長本当に俺がこんな弱そうなガキのお守りしなきゃならないんですか?
ステータス1300って小学生じゃないですか」
なんか会って早々に凄い言われようだが事実だから何も言い返せない。
でもこの人どこかで見たことあるような…
「なんだ?何も言い返さないのか?」
「ちょっと相馬君やめなさい!
ごめんなさいね。
これは部下の相馬拳也君。
弥彦君の担当兼指導係にしようと思うの」
紫髪で高身長…相馬…拳也…
「あっ!
もしかして[破壊者]の相馬拳也さんですか!?」
「お…おう」
「弥彦君彼のこと知ってるの?」
「もちろんです!
拳士で[破壊者]を知らない人なんていません!
拳士でありながらソロでBランクになったのは伝説ですよ!
致命傷を一度も負わずに現役を退いたのもかっこいいですしBランクに上がってすぐ引退されたので凄く残念でしたが探索庁に居られたんですね!
大ファンです!」
「ふーんお前中々見所があるな」
…相馬君て案外チョロいんだ
柊さんがなぜか冷たい目で相馬さんを見ている。
「担当兼指導係と言ってましたがもしかしてあの[破壊者]が俺に教えてくれるんですか!?」
「そうだ不本意だが課長の命令で仕方なくだがお前に戦い方ってもんを教えてやる。ありがたく思えよ。
それとその二つ名で呼ぶな!
俺のことは師匠と呼べ!」
「わかりました!師匠!」
……なんか上手くまとまってしまったわ。
まぁ嫌々やられるよりは良いんだけど師匠って自分から呼ばせるのってどうなのよ。
柊さんの目がさらに冷めていた。
「じゃあせっかくだしこの後一緒にダンジョンに向かいましょうか。
弥彦君もそれでいい?」
こっちとしては願ってもないことだ。
初めてのダンジョンは一人では不安があったが師匠と柊さんが付いてくれれば安心でしかない。
「こちらからお願いしたいくらいです。
よろしくお願いします」
こうして三人で初めてのダンジョンに向かった。
探索者としてようやく一歩踏み出せる。
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