十七杯目
「はぁー…」
まさかあんなことになるとは…
確かに総合ステータス値は以前の倍近くまで上がってはいたけどこんなことになるなんて考えてなかった。
驚いていたのも束の間で俺が投げるのを見ていた体育教師に即座に連行され今は生徒指導室にいる。
体育は自習になった。
ガチャ…
体育教師の原先生が戻ってきた。
「嶺崎何か飲むか?
コーヒーかお茶しかないが」
「じゃあお茶をお願いします…」
「わかった」
コトッ
俺の前によく冷えた麦茶が出された。
ゴクッゴクッ
「ふぅー…嶺崎お前職業のこと隠してたのか?」
暑い外にいたから冷たいお茶が美味しい!
なんて思ってる場合じゃなかった。
「えーとですね…隠してたと言いますかなんと言いますか…
確かに隠してはいたんですけど…
こちらの想像の斜め上にいったと言うか…」
確かに俺は隠していたがそれは戦闘職なのにステータスが一般人と変わらないレベルでそれを周囲の人間にバレたくなかったからだ。
能力がないなら一般人として普通に高校に通った方がいいに決まってる。
それがラーメン食べたらなんか増えましたなんて言っても信じてもらえないし安易に言ってもいいものなのかもわからない。
「話せない内容なのか?」
「ちょっとどう話していいのか俺にもわからなくてですね…」
コンッコンッ
説明に悩んでいると扉をノックする音がした。
「どうぞー」
ガチャ
「失礼するよ」
入ってきたのは仙人かと思うくらい伸ばした白いお髭が特徴の校長先生だった。
「校長先生!
どうしてこちらに?」
「職員室で少し話を聞いてね…彼との話は私がしたほうが良いと思ったので来たのですよ原先生」
「そ、そうでしたか…わかりました」
「それでは嶺崎君…だったかね?
年寄りと少しお話しようか。
まず君に聞きたいのは今日起こった出来事は君の職業に関わっているのかだ」
優しそうな口調で話しているが眼光が鋭くて圧を感じる。
「はい…関わっています」
「そうか…なぜ戦闘職を発現した子どもは普通の子どもと一緒の学校に入らないのかは知っているかね?」
「はい。
戦闘職を発現した子どもはステータスが飛躍的に上がるので普通の子どもたちと少し戯れる程度でも怪我をさせてしまう可能性があり一緒にするには危険だからです」
戦闘職を発現した子どもたちの為に小中高一貫校が各都道府県に設置されている。
普通はそこへ入学するのだが俺は普通じゃなかったから…
「それだけが理由ではないが…まぁそれも理由の一つじゃな」
ん?なんか歯切れの悪い言い方だな…
「嶺崎君は小学校、中学校共に一般の学校を出ておるが今回のような騒ぎが起きたという報告は出てはおらん…
ということは何かしらの理由があって今回の騒動になったと言うことじゃな…」
「そうです。
隠していたのは事実ですがその力を使って誰かを傷つけようとか他人より優位に立ってやろうなんて思っていません」
「そうか…」
校長先生は少しホッとしたようで鋭い眼光が少し緩まった。
「それであの…俺はどのようになるのでしょうか。
何か罰でもあるのでしょうか?」
「……残念ながら退学じゃな」
「え…」
えぇぇぇー!!!




