↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の奇公子 ~変人王子の生存術~  作者: 佐藤湊
第2章 巡り合うには遠すぎて
PR
85/354

第34話 突破

俺は正面が後退し始めたのを確認し、指揮官として残る諸侯騎士以外の


中央騎士100騎+諸侯騎士150騎の250騎を


エクウス伯爵と率い、こちらから見て左手にある森の中の道を進んでいた。


というのも、諸侯たちがプラエシディウム伯爵城に撤退したとき


エクウス伯爵の手勢が救援に駆けつけてくれたのだ。


これによってこちらの軍が600人~700人ほど増えた。


それに付近の傭兵をかき集めて+1200人


味方がこれによって約2000人ほど増えたのだ。これは大きい


こんなに多数の兵を神輿である俺が動かしていいのかと聞いたが


「総大将が直接兵を率いることは全く不思議なことではありません。」


と、返された。


また、俺が諸侯たちに提案した作戦は次のようなものだ


まず、軍の配置だ。


最も早く接敵する前列には正規の訓練を受けている常備兵を

右翼、左翼、中央に多めに配置。


その少し後ろにはまともな訓練を受けていない民兵と士気がすぐに崩れる傭兵を

両翼後方に配置。中央にはなし。


そして指揮官として行動する貴族、騎士以外の中央騎士100騎、諸侯騎士150騎を重装騎兵として温存


次に戦闘だ。


まずは何の変哲もない正面衝突を行い、しばらく戦闘を行う。


その後、中央を少しずつ後退させ、崩れたと見せかけて敵を誘引する。

重装騎兵が釣れたら大成功だ。


そして、誘引された敵兵を両翼後方にいる民兵と傭兵で左右からたたく。

誘引させた兵は前、左右から圧力がかかり、後退して立て直すのもままならないだろう。

圧死者も出るかもしれない。

しかし、最後は数で押し切られるだろう。


しかし、平原での戦いは時間稼ぎの為の戦いだ。


本命は_


温存していた重装騎士250騎の部隊による敵陣の強襲だ。


そのために俺は現在、国境に向かう森の中を進んでいる。


少し進めば平原方面か国境方面かの分岐があるらしい。


そこの平原方面の道を通り、敵陣後方に回り込む。


しかし、そこには恐らく敵部隊が配置されているだろう。


だから俺はそこを氷結魔法で攻撃し、混乱しているところを突っ切る!



「敵軍発見!歩兵、弩兵 計およそ300です!」


馬を駆りながら先行していたカイが報告する。


「そうか。ご苦労だった。あれは俺がやる。早々に突破するぞ!」


「しかし!危険ですぞ!」


「お止めください!殿下!」


カイとエクウス伯爵が言う。


「ここで犠牲を最小限にできなければ本陣の強襲の成功率が低くなる。

                       これは王族命令だ。下がれ!」


命令されては仕方されればどうしようもなかったのだろう。カイは下がった。


俺は神器の剣を抜き掲げ、詠唱を始める。


「アエテリアの大地に祝福をもたらす氷雪の女神よ。

 哀れにも神の御力に縋る我に神の祝福を与えたまえ。

  我が願うは『氷結』の祝福。

     我が祈りを聞き届け、

          御身が祝福を与えたまえ。」


詠唱が終了すると同時に、神器に俺の魔力が集結し、魔法陣が完成する。


神器を振りかぶると同時に命令する。


「かかれぇ!」


そして、神器から放たれた碧い球体が密集陣形になっていたエクィトゥム王国軍に着弾し


エクィトゥム王国歩兵は氷漬けになった。


そこに容赦なく俺の後ろから出てきたアンティクイランド重装騎士が突撃し、


氷漬けになったエクィトゥム王国歩兵を砕いていく。


そして後方に数列になって配置されていた混乱している弩兵に突撃する。


悲鳴とともに肉が切り裂かれる音が響き、俺たちはそのまま走り抜ける。


そうして俺たちは森に展開されていた部隊を突破した。


___________________________________________


エクィトゥム王国軍本陣の後方に回り込むことに成功した。


しかし、回り込んだ後方から見てエクィトゥム王国軍本陣より少し手前に

もう一つ小規模な陣があることが確認できる。


指揮系統が統一されていなかったのか?


俺は訝しむ。 今、俺たちが強襲しようとしている王国軍本陣はダミーか?


いいや、俺の罠にはまったのだ。そこまで読んでいるとは思えない


しかし、万が一という場合も


エクウス伯爵が俺に聞いてくる。


「どうなさいますか?」


エクウス伯爵が俺に提案してくる。


「両方潰しましょう。

私に諸侯軍の内の100騎ほど頂ければ、精々300ほどの護衛がいるだけの陣はつぶして御覧に入れましょう。もし、ダミーではなく指揮系統が統一されていないということなら、公爵の権力をもってしても下につけることができなかった存在ということです。どちらにしろ叩く必要があるでしょう。」


一理ある。 しかし...


「少なくとも1000人以上はいる本陣と思わしきものに残った150騎で強襲するのは難しいぞ。」


カイが言う


「それでももはや我々にはそれしか選択肢が残されておりません。」


俺も覚悟を決めるか。


深呼吸をして答える。


「分かった。それで行こう。」


そして命令する


「私に続け!」


「「「「「はっ」」」」」


そして全速力で馬を走らせる。


「では、ご武運をお祈りします!」


「こちらこそ!」


そうエクウス伯爵と言葉を交わし別れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。