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氷の奇公子 ~変人王子の生存術~  作者: 佐藤湊
第1章 誕生と王国の影
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第8話 夕食会4 アエテリア大陸史

不味い。


高級ブドウと高級な香辛料で味付けした白鳥の肉。高級料理だけど、高い食材を使ったらなんでもおいしくなるわけではないのだ。しかし、この時代の美食とは素材の味を極限まで殺し魔改造したものらしい。


つまるところ...


この世界の貴族料理はくそ不味いということだ。




しかもこのままでは不健康な食生活で肥満になってしまう。しかしこの世界肥満は富と権力があることを誇示する方法であり、王子にもなると滅茶苦茶食べさせられるのだ。だから貴族、特に王族は肥満の人が多いはずなんだけど...


それはそれとして、食べなかったら、こいつは病弱だ、王太子には不適格だと評される。つまり、食べるしかない。せめてもの抵抗として運動をすることにしよう。




母上が口を開く。




「そのブドウの果実水、私のお父様の領地でとれたブドウを使っているの」




へえ




「ははうえのじっかはどのようなところなのですか?」




母上は答える




「わたくしの実家のウィーヌム子爵家はブドウの生産が盛んで高級ワインに加工されたりしているわ。」




子爵家?え、第二王妃って伯爵家だったよね。海峡を抑えている領地貴族のトップの。


俺は気になったことを聞く




「なぜ、母上は父上と結婚したのですか?」




おじい様が答える




「リウィアは女性騎士見習いだったのだ。5年前の帝国との紛争の際にリウィアがアウレリウスを助けたことで恋人関係になった。この噂が美談として広まってな。この頃はまだ独立したばかりで周辺国との関係が悪かったからの。アウレリウスには婚約者がいなかった。その時のこの美談だ。ここを逃せばこの国の次期王妃がいないという状況になりかねなかったからすぐに婚約させ、アウレリウスが20の頃に結婚させたのだ。」




なるほど。あれ?




「独立したばかり?」




おじい様が




「ああ、そなたはまだ知らなかったな。せっかくだ。教えておくか。」




こうしてアエテリア大陸の歴史を話し始めた。




_______________________________________________




アエテリア歴0年  アエテリア大陸に氷雪の女神グラシエルが降臨し、人々を生み出した。


アエテリア歴700年 大陸の東側から謎の遊牧民族がアエテリア人を攻撃し始めた。


アエテリア歴750年 大陸西海岸まで遊牧民の勢力が到達し、アエテリア諸国が滅亡し、


          アエテリア帝国(実質的な連合王国)が灼熱竜を信仰する遊牧民によって成立。


          旧アエテリア人は迫害された。


アエテリア歴950年 旧アエテリア人の武装勢力が大陸南西部地域の一部レクィエリアを占領


          旧アエテリア人は古き神の民、アンティクイ人と名乗ることを約束させられたもの                                                  


          アエテリア帝国の属国アンティクイ公国として安息の地レクィエリアを公都に建国


アエテリア歴1270年 アエテリア帝国が諸国連合との大戦に敗戦。この機に乗じてアンティクイ公国が


          アエテリア帝国から独立。アンティクイランド王国が成立


アエテリア歴1300年 レノウィウス・ゲンス・デイ・アンティクイランド誕生 


アエテリア歴1303年 現在


_______________________________________________


ええええええ、この国って新興国だったの?まあ、独立したばかりで周辺国との関係がよくなかった理由は理解できたけど。


俺はちょっと気になってたことを聞く。




「帝国に本気で攻撃されなかったのですか?」




「む?ああ。帝国も大戦の傷が深かった。紛争にはなったがすぐに終結したな。それに我が国が諸国連合と帝国をつなげている地域だったからな。諸国連合も勝ったものの大損害を受けたのだ。互いに戦いたくなかったのだろう。国家承認は早かったぞ。まあ、緩衝国家としてだがな。」




「なるほど。ありがとうございました。おじい様」




「うむ。孫が聡明で嬉しいぞ。」




父上が口を開いた




「5歳になれば、魔力測定がある。それまで勉学に励め。魔力測定が終わったら、国家収支報告の御前会議へ出席することを許す。」




「ありがとうございます。ところで魔力測定とは?」




「知らなかったのか?魔力測定は魔力を扱える量を図る儀式だ。魔力は体に纏わせることで武具や体を強化することができる。また、300年に1回ほど魔力を炎か氷に変化させ放つ魔法を使えるものも生まれる。灼熱竜を信仰していいるなら炎が、氷雪の神を信仰しているのなら氷が使えるそうだ。可能性は0に近いがな。武術の練習に並行して魔力操作の練習をするといい。魔力の量は人によって決まっているからな。その魔力の使い方が重要なのだ。」




「なるほど、ありがとうございました。」




夕食会は夜遅くまで続いたがもう俺がうとうとしてきたところで終了になった。



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