第4話 護衛騎士と夕食への招待
主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。今後登場する第二王妃のおかげで無双気味の主人公が5歳で絶望します。無双系というイメージが粉々に砕け散ると思うので乞うご期待!序盤は主人公無双に見えますが5歳になると主人公は絶望します。主人公無双とかご都合主義とかは抑えたいのでお願いしますっ見捨てないでください。
8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。
「読み書き、計算――全問正解です」
セドリック先生が答案を確認しながら言った。
まあ、そうだろう。
問題のレベルとしては、小学校低学年くらい。
前世で高校生までやっていた俺に解けないはずがない。
……とはいえ、三歳児が解く問題ではないけど。
「では、次は――」
俺がそう尋ねようとすると、セドリック先生が口を開いた。
「本日の授業は、顔合わせと能力把握のみと予定しておりましたので、本日はここまでとさせていただきます」
「あ、はい」
「氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、再び触れ合うこともあるでしょう」
なるほど。
これは「またお会いしましょう」という意味の挨拶らしい。
最初に会ったときの挨拶が「初めまして」。
最後に交わす挨拶が「また会いましょう」。
この世界では、女神グラシエルと「白銀の糸」というものが、日常の挨拶にまで深く関わっているらしい。
俺は教わった通りに頭を下げる。
「ありがとうございました、セドリック先生」
「こちらこそ、ありがとうございました」
こうして、セドリック先生は第一王子宮を後にした。
……さて。
セドリック先生は、俺のことをどう評価したのだろう。
そんなことを考えているうちに、時刻は夕方へと近づいていた。
今日は俺の三歳の誕生日。
そして――離乳食を卒業する日でもある。
その記念として、父上から招待状が届いていた。
内容は簡単。
「今夜、一緒に夕食を食べないか」
……というもの。
そういえば。
俺は父上の顔を、ほとんどまともに見たことがない。
生まれたばかりの頃は視界がほとんど安定していなかったし、父上の姿もぼんやりとしか認識できなかった。
だから、今日が実質的に「父親の顔を初めて見る日」と言ってもいい。
そう考えると、少し緊張する。
――なんて考えていたら。
「殿下~!」
マリーの声が聞こえた。
「お着替えをいたしましょうね~」
「…………」
嫌な予感がする。
ニマニマと笑いながら近づいてくるマリー。
その背後から、何やら禍々しいオーラが立ち上っている気がする。
俺は一歩後ずさった。
「マリー……?」
「はい?」
「俺は着せ替え人形じゃないぞ」
「まあまあ、そんなこと言わずに~」
「ちょっ――」
そして。
しばらく後。
「…………」
鏡の前に立つ俺。
「…………」
「どうですか、殿下?」
「…………」
……。
このショタコンがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
いや、違う。
落ち着け。
マリーに悪意はない。
たぶん。
侍女って……恐ろしい。
それはさておき。
俺は鏡に映った自分の姿を改めて確認した。
雪とも銀とも言えない――プラチナ色の髪。
そして、泉のように澄んだ碧い瞳。
白い肌。
「…………」
あ。
俺、かわいい。
前世の自分とは比べ物にならない。
この顔なら――
将来、さぞかしイケメンになることだろう。
……まあ、三歳児の今から将来の顔を心配する必要もないか。
そして衣装。
白を基調とした王族用の正装。
肩には小さな青いマント。
頭には王子用の簡素な銀冠。
胸元には、王家の紋章が刻まれたブローチ。
白銀の地金で形作られた盾型のブローチ。
その中央には、氷雪の女神グラシエルを象徴する雪晶。
さらに、その中心には――
澄みきった泉を思わせる碧い宝石が一粒、嵌め込まれている。
窓から差し込む光を受けるたび、宝石が淡く輝く。
まるで凍てついた大地の奥底から湧き出る、清らかな泉のようだった。
「すごい……」
思わず呟く。
それを聞き取ったマリーが答えた。
「王族のみが身につけることを許されたブローチですからね」
「……え」
俺は改めてブローチを見る。
「それ、絶対高いやつじゃん」
「はい」
即答だった。
……ですよね。
そんなことを考えていると、部屋の扉が開いた。
入ってきたのはゼバズだった。
「殿下、間もなくご出発のお時間でございます」
「うん」
「それと――本日付で就任される、殿下の護衛騎士をご紹介いたします」
護衛騎士?
俺がそう思っていると、ゼバズの後ろから二人の男が入ってきた。
一人は、俺より少し背が高い程度の少年。
そしてもう一人は、明らかに成人している青年だった。
二人は俺の前まで歩み寄ると、跪いた。
「こちらが、本日付で殿下の護衛騎士となられるお二人でございます」
先に青年が口を開いた。
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り、氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
長い。
やっぱり長い。
「初めまして。私はイルシエス騎士家当主、第一軍団騎士団所属王国上級騎士、グラフィル・デイ・イルシエスと申します」
なるほど。
上級騎士。
「あなたとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
続いて、少年が頭を下げる。
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り、氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
また同じ挨拶。
「初めまして。私はアトラシート伯爵家長男、カイリール・デイ・アトラシートと申します」
……伯爵家?
しかも長男。
つまり――次期当主じゃないか。
母上。
一体どれだけ張り切ってるんだ。
俺は二人を見ながら、ゼバズに尋ねる。
「カイリールは、そんなにえらい家の子なの?」
「はい」
ゼバズは淡々と答えた。
「アトラシート伯爵家は代々、アンティクイランド王国中央軍第一軍団軍団長、中央軍副総司令官、そして軍務卿を務めてきた名門でございます」
……。
「軍のトップじゃん」
「はい」
「その息子?」
「はい」
……。
母上。
本当にどれだけ張り切ってるんですか。
ゼバズはさらに続けた。
「法衣貴族においては王弟宰相閣下に次ぎ、財務卿を輩出するペクーニア伯爵家と並び、法衣貴族の頂点に位置する家でございます」
「…………」
なるほど。
つまり――
将来の軍務卿候補。
俺が王太子、あるいは国王になれば、その側近になる可能性が高い。
三歳の俺には、あまりにも重い人間関係だった。
だが――
王族として生きるなら、避けては通れない。
俺は二人に向き直った。
そして、覚えたばかりの挨拶を口にする。
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り、氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
三歳児らしい、少し舌足らずな声。
それでも最後まで言い切った。
「初めまして。わたしは、れのうぃうす・げんす・でい・あんてぃくいらんどという」
二人を見つめる。
「そなたらとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
そして――
「これから、よろしくたのむ」
二人が頭を下げる。
「はっ」
……うん。
こうして俺は、二人の護衛騎士を得た。
そして俺たちは第一王子宮を出て、馬車へと向かった。
_______________________________________
馬車が動き出す。
王族の居住区域は、どうやら王都の中でも少し高い場所にあるらしい。
俺は馬車の窓から外を覗き込んだ。
「わぁ……」
思わず声が漏れる。
白い石畳。
その上を走る馬車。
白い城壁に囲まれた王族居住区域。
そして、そのさらに外側には――
広大な屋敷が立ち並んでいた。
近くにある屋敷ほど大きく。
遠くへ行くほど、小さくなっていく。
その先には、さらに別の城壁。
「広い……」
そして、右手の奥。
そこには――
海が見えた。
「海……?」
どうやら王都は湾岸都市らしい。
俺が夢中になって景色を眺めていると、ゼバズが説明してくれた。
「王都レクィエリアは、大陸屈指の交易都市でございます」
「交易都市……」
「はい。大陸中の物資が、この王都へ集まってまいります」
なるほど。
港湾都市。
王都。
交易の中心。
……かなり重要な都市だな。
「また、ここは氷雪の女神グラシエルが、我らアンティクイ民族の安息の地としてお与えになった土地であると伝えられております」
「神話かぁ……」
俺にはまだよく分からない。
前世では完全に日本人だった俺が、異世界の神話を聞いている。
人生、何が起きるか分からないものだ。
まあ――
詳しい話は、夕食の席で聞けばいいか。
そうこうしているうちに、馬車が速度を落とした。
御者の声が響く。
「到着いたしました」
「もう?」
早い。
ゼバズが馬車の扉を開ける。
そして俺を抱きかかえて外へ出た。
「わぁお……」
思わず変な声が出た。
目の前に広がっていたのは――
中央宮殿。
第一王子宮を見たときも驚いた。
だが。
これは、その比ではない。
白大理石の列柱。
巨大なドーム。
幾重にも連なるアーチ。
精巧な彫像。
まるで古代ローマ建築を思わせる、壮麗な宮殿だった。
三階建ての巨大な建物。
その正面には、広大な石造広場が広がっている。
そして、その中央には――
氷雪の女神グラシエルを象った巨大な噴水。
その周囲には、宮殿近衛兵が整然と並んでいた。
……圧巻だ。
そして。
その列から、一人の男が歩み出てきた。
二十代半ばほど。
――巨漢。
しかも、身につけている軍装は見るからに豪華だ。
肩にはマント。
全身から、ただ者ではない雰囲気が漂っている。
俺の後ろに控えていたグラフィルとカイリールから、わずかに驚きの声が漏れた。
「……!」
その男は俺の前まで来ると、片膝をついた。
そして――
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り、氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
聞き慣れた挨拶。
「初めまして。私はアトラシート伯爵家当主、アンティクイランド王国中央軍第一軍団軍団長、中央軍副総司令官、軍務卿を務めさせていただいております」
そして――
「グラトール・デイ・アトラシートと申します」
……ん?
アトラシート。
その名前に聞き覚えがある。
「あなたとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
俺は後ろを振り返る。
カイリールを見る。
そして――
「……お父さん?」
「はい」
ゼバズが答えた。
「カイリール様の父君でございます」
……やっぱり。
まさか、こんなところで会うとは。
俺も急いで挨拶を返す。
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り、氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
三歳児の舌には、やっぱり長い。
それでも最後まで言い切る。
「初めまして。わたしは、れのうぃうす・げんす・でい・あんてぃくいらんどという」
そして。
「そなたとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
言い終えると、グラトールはわずかに目を見開いた。
「……」
そして口元を緩める。
「愚息を、どうぞよろしくお願いいたします」
俺も答える。
「いや、こちらこそ」
……。
あれ?
なんか普通に会話できてるな、俺。
三歳児としてどうなんだ、これ。
グラトールは一瞬だけ目を伏せた。
その指が、ほんのわずかに動いた。
どうやら、俺の受け答えに驚いたらしい。
しかし、すぐに表情を戻す。
「どうぞこちらへ。ご案内いたします」
そう言って、グラトールは立ち上がった。
俺たちはその後に続く。
――そして俺はまだ知らなかった。
この日の夕食が。
俺の人生において――
王子としての運命を大きく動かす、最初の一日になることを。
主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。今後登場する第二王妃のおかげで無双気味の主人公が5歳で絶望します。無双系というイメージが粉々に砕け散ると思うので乞うご期待!序盤は主人公無双に見えますが5歳になると主人公は絶望します。主人公無双とかご都合主義とかは抑えたいのでお願いしますっ見捨てないでください。
8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。




