第3話 死後の世界が異世界だったようです
主人公が5歳になれば物語が動き出します。序盤は主人公無双に見えますが5歳になると主人公は絶望します。本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。
ご留意ください。
8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。
――生後、一週間。
俺は現在、美人侍女さんと美人乳母さんにお世話されながら、すくすくと育っている。
……控えめに言って、幸せです。
どうやら俺は、死後の世界で王子様に転生したらしい。
新生児――というか乳幼児の視力はまだ安定していないらしく、俺が周囲の状況を把握するために頼れるのは、主に耳だった。
視界はぼんやり。
身体は自由に動かせない。
喋ることなんて当然できない。
――つまり、やることがない。
なので俺は、この一週間で聞き取った情報を整理することにした。
まず俺の名前。
アンティクイランド王国第一王子。
レノウィウス・ゲンス・デイ・アンティクイランド。
……長い。
めちゃくちゃ長い。
次に父。
アンティクイランド王国第二代国王。
アウレリウス・ゲンス・デイ・アンティクイランド。
プラチナ色の髪に、翡翠色の瞳を持つイケメンらしい。
次に母。
アンティクイランド王国第一王妃。
リウィア・ゲンス・デイ・アンティクイランド。
水色の髪と、泉のように美しい瞳を持つ美女。
……両親の顔面偏差値、高くない?
そして叔父。
アンティクイランド王国王弟。
公爵兼宰相。
カシウス・ゲンス・デイ・アンティクイランド。
プラチナ色の髪と灰色の瞳を持つ――
デブ。
……。
いや、違う。
失礼だ。
王弟殿下だぞ。
そして最後。
俺が出生直後に「そこのジジイ」と呼んだ人物。
アンティクイランド王国初代国王。
マグヌス・ゲンス・デイ・アンティクイランド。
プラチナ色の髪。
立派な髭。
そして――マッチョ。
……。
おじい様。
あのときは本当にすみませんでした。
まさか初代国王陛下だとは思わなかったんです。
そんなこんなで情報収集を続けていると、さらに驚くべきことが分かった。
どうやら俺には――
言語理解のチートがあるらしい。
周囲の人間が話している言葉が、普通に理解できる。
文字についてはまだ視力の問題で確認できないが、少なくとも会話は完全に理解できている。
神様がくれた転生特典なのだろうか。
だとしたら――
「ありがとうございます、神様」
……まあ、喋れないので心の中だけど。
そんなわけで。
俺はしばらく、美人侍女と美人乳母に甘やかされながら成長することにした。
――そして。
三年の月日が流れた。
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三歳になった。
つたないながらも会話ができるようになり、歩くこともできる。
そして何より――言葉が分かる。
前世の知識もある。
そのおかげで、俺は周囲から「かなり優秀な王子」と思われているらしい。
まあ、当然と言えば当然だ。
中身は17歳の高校生。
しかも一応、歴オタだ。
三歳児と比べれば、そりゃあ賢く見える。
ただし。
「能力を隠しておこう」
なんて余裕は、今の俺にはない。
この世界の貴族社会では――舐められたら終わりだ。
王族だからといって、何もできない人間だと思われれば、たちまち政治的な立場を失う。
だから俺は、むしろ逆にしている。
自己顕示欲全開。
「俺はこんなことができるぞ!」
くらいでちょうどいい。
……まあ、三歳児なので限度はあるけど。
そんな俺のもとに――今日、家庭教師がやってくることになった。
名前はセドリック。
王都にある王立貴族学院の教師らしい。
どんな人物なのか。
俺は専属侍女のマリアーネと、執事のゼバズに聞いてみることにした。
ちなみに、この世界では「メイド」ではなく「侍女」と呼ぶらしい。
マリアーネ。
通称、マリー。
茶色の髪と瞳を持つ、可愛らしい少女だ。
まだ十代前半。
母上付きの専属侍女で、俺から見てもかなり信頼できる人物である。
少し抜けているところはあるが、明るくて話しやすい。
そしてもう一人。
執事のゼバズジャン。
四十五歳くらいの中年男性。
灰色の瞳に短髪。
顎と口元から伸びた髭が、なんともダンディーなイケオジだ。
ただし。
名前はセバスチャンではない。
ゼバズジャン。
……。
この名前をつけた父親には、一度どういうセンスをしているのか問いただしたい。
そんなくだらないことを考えながら、俺は二人に尋ねた。
「ねえね、まりー、ぜばず。せどりっくって、どんなひとなの?」
先に答えたのはゼバズだった。
「はい。セドリック様は、第一王妃殿下のご推薦によって王立貴族学院の教師になられた、法衣貴族マスドリート子爵家の次男でございます」
なるほど。
母上の推薦。
つまり――
「母上の派閥の人間か」
王族社会の人間関係は、思っていた以上に複雑らしい。
「専門は歴史と国家体制とのことでございます。今回は第一王妃殿下のご指名により、殿下の家庭教師を務められることになったそうです」
「なるほど」
……歴史と国家体制。
俺の得意分野じゃないか。
そして、ふと気になることがあった。
「おうりつきぞくがくいんって、なにー?」
今度はマリーが答えてくれた。
「王立貴族学院とは、十一歳から十五歳までの五年間、貴族のご令息やご令嬢が通う教育機関です」
「へー」
「ただし、教育費は非常に高額です。そのため、すべての貴族が入学できるわけではありません」
「そうなの?」
「はい。例えば騎士家の長女である私のような者には、とても払える金額ではありませんので……」
マリーは苦笑する。
「教育費を払えない貴族家の男性は、十一歳から十五歳まで王宮などで文官見習いとして働き、その後、十六歳から十八歳まで王立士官学校へ進学することになります」
「女の人は?」
「女性の場合は、私のように王宮へ侍女見習いとして仕える者もおります」
なるほど。
貴族といっても、家格や財力によって進路が違うのか。
そして――
「王立貴族学院では、社交も学びます」
「しゃこう?」
「はい。貴族同士が交流し、婚約などが決まることもございます」
「……なるほど」
俺は納得した。
要するに――
婚活会場。
いや。
もっと正確に言えば、政略結婚のための顔合わせの場か。
すると、今まで黙っていたゼバズが口を開いた。
「そして殿下の場合は――王太子の座を巡る派閥争いの場にもなるでしょう」
「……」
そうだった。
俺には――弟が二人いる。
しかも腹違い。
第一王子である俺。
第二王子。
第三王子。
そして――
王弟である叔父、カシウス。
この国では、庶子であっても王位継承権を持つ。
現在の王位継承順位はこうなっている。
第一位――第一王子、レノウィウス・三歳。
第二位――王弟、カシウス・二十五歳。
第三位――第二王子、ルキウス・二歳。
第四位――第三王子、エドリアン・一歳。
……。
ややこしい。
そして何より厄介なのは――
それぞれの継承権保持者に、それぞれ支持する派閥が存在することだ。
つまり。
まだ俺が三歳だというのに。
すでに王位継承争いは始まっている。
負ければ――
良くて追放。
悪ければ、命すらない。
「…………」
背筋が寒くなった。
転生して三年。
ようやくこの世界にも慣れてきたと思っていた。
だが――
俺は王子だ。
しかも第一王子。
前世の俺とは、背負っているものが違いすぎる。
「……気を引き締めないとな」
三歳児らしからぬ決意を胸に、俺は今日の家庭教師を待った。
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そして、昼。
コンコン。
扉が叩かれた。
「殿下、セドリック様がおいでになりました」
マリーの声が響く。
「どうぞ」
俺が答えると、扉が開いた。
入ってきたのは――
茶色の髪。
黒い瞳。
三十代前半ほどに見える男性だった。
彼は俺の前まで歩み寄ると、深々と頭を下げた。
そして。
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り――」
……長い。
「氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
まだ続くのか。
「初めまして。私はマスドリート子爵家次男、王立貴族学院教師、セドリック・デイ・マスドリートと申します」
ようやく終わった。
「あなたとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
なるほど。
これがこの世界の貴族の挨拶か。
俺は必死に覚えた母上との練習を思い出す。
そして――
「アエテリアの大地に秩序をもたらす氷雪の女神、グラシエルの祝福を、恭しくも賜り――」
俺も同じように口を開いた。
「氷雪の女神が紡ぎし白銀の糸が、今ここに触れ合えたことに感謝いたします」
セドリックの目が、わずかに見開かれる。
「初めまして。私はレノウィウス・ゲンス・デイ・アンティクイランドという」
少し舌足らずながらも、言葉を続ける。
「そなたとの出会いが、グラシエルの御心に適うものでありますように」
言い切った。
……よし。
噛まなかった。
実はこの挨拶。
母上に何度も教えてもらったのだ。
母上は中央宮殿の離宮に住んでいる。
俺は第一王妃宮。
そのため、普段から会えるわけではない。
だからこそ、数少ない母上との時間を使って、必死に覚えた。
セドリックはしばらく俺を見つめていたが――
やがて微笑んだ。
「そのお年で、この挨拶をすべて言い切ることができるとは……感服いたしました」
よし。
褒められた。
ならば、ここは礼を言おう。
「ありがとうございま――」
……いや。
待て。
王族の言葉には、力がある。
俺が「セドリック先生と呼びたい」と言えば、それが本人にとっては命令に聞こえてしまう可能性がある。
そこで俺は、一応言葉を選んだ。
「せどりっくせんせい、とよばせていただけませんか?」
言った。
……。
しまった。
王族のお願いは、実質的な強制になってしまう。
だったら――
「ことわっていただいても、かまいません」
これで少しはマシだろう。
……焼け石に水かもしれないが。
セドリックは一瞬だけ驚いたような顔をした。
そして――
「ご自由にお呼びください」
そう答えた。
……。
まあ。
それしか選択肢ないよね。
俺は心の中で苦笑しながら、話題を切り替えた。
するとセドリック先生は、何冊かの教材を机の上に置いた。
「では、早速ですが――現在の読み書きと計算の能力を確認させていただきます」
そう言って、一枚の紙を差し出す。
「こちらの問題を解いていただけますでしょうか」
「はい」
俺は紙を受け取った。
……。
どれどれ。
三歳児向けのテストか。
俺は問題をざっと眺め――
サクサクと解いていく。
前世で高校生だった俺にとっては、簡単すぎる。
あっという間に最後の問題まで終わった。
「お願いします。セドリック先生」
紙を差し出す。
セドリック先生は、受け取った答案を見て――
「…………」
固まった。
そして。
「お早いですね……」
目を見張る。
「少々、お待ちいただけますか?」
「はい」
セドリック先生は答案に視線を落としたまま、一問ずつ確認を始める。
俺はそんな彼の様子を眺めながら、ふと思った。
……これ。
もしかして。
三歳児としては――
ちょっとやりすぎたか?
答案を確認するセドリック先生の表情が、少しずつ変わっていく。
そして俺は――
この日。
初めての家庭教師に対して、とんでもない第一印象を与えてしまったことを、
そして、俺をこの先で待ち受けている単純な能力だけで乗り切れることができない世界があることを俺は
まだ知らなかった。
本編に入るのはまだ先です。序盤は主人公無双に見えますが5歳になると主人公は絶望します。
本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。
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8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。




