第2話 壮絶な産声
主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。
本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。
ご留意ください。
8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。
アンティクイランド王国。
アエテリア大陸南西部に位置し、四ヶ国に囲まれた緩衝国家。
その王宮の一室に、今か今かとその時を待つ者たちが集まっていた。
「陛下、もうすぐです!」
「殿下、どうかお気を確かに!」
「お湯を!」
「医師を呼んでください!」
慌ただしく人々が行き交う。
侍女たちが走り、医師が指示を飛ばし、普段なら静寂に包まれている王城の一角だけが、異様なほどの喧騒に包まれていた。
当然だ。
この日――
アンティクイランド王国に、新たな王子が誕生しようとしていたのだから。
そして。
「お生まれになりました!」
その一言が、部屋に響いた。
◆
「お生まれになりました!」
女性の声が聞こえた。
……生まれた?
ああ。
おめでとうございます。
――って。
そうじゃない。
「……ここ、どこ?」
声が聞こえる。
知らない声。
知らない場所。
知らない人。
そして――
「君、誰?」
……いや。
俺が聞きたい。
ここはどこだ?
俺は誰だ?
そもそも――
俺、どうなった?
確か俺はバスに乗っていて。
それで――
「……リア充爆発しろ」
……そうだ。
その直後だった。
何か物凄い音がして――
「おお!」
「なんと喜ばしい日だ!」
「我がアンティクイランド王国に、新たな王子が!」
「うっせぇ!」
思わず叫んだ。
――つもりだった。
しかし。
「…………」
誰も反応しない。
「おい!」
もう一度叫ぶ。
「そこのジジイ! 状況を説明しろ!」
……反応なし。
「聞こえてんだろ!」
「これで我が国も安泰だ!」
「だから、どこなんだよ!」
そこで俺は、ようやく違和感に気づいた。
――おかしい。
何もかもがおかしい。
目に映るものが、日本にいた頃とはまるで違う。
見たことのない服。
見たことのない家具。
見たことのない部屋。
そして、見たことのない人々。
……ここは日本じゃない。
そもそも――
「アンティクイランド王国ってなんだよ……」
聞いたことがない。
歴史オタクの俺が知らない国。
それだけでも十分におかしい。
「……待て」
俺は記憶を辿る。
バス。
昨日の告白。
美咲。
『それが、恋なのか分からないの』
そして――
『リア充爆発しろ』
轟音。
白い視界。
途切れた意識。
「…………」
嫌な予感がする。
まさか。
いや。
そんなわけ――
そのときだった。
「おぎゃああああああああああああああ!」
突然、部屋中に凄まじい産声が響き渡った。
「…………」
俺は固まった。
……ん?
誰だ?
赤ん坊でも生まれたのか?
いや、待て。
この声――
妙に近くないか?
「元気な男の子です!」
「第一王妃殿下、おめでとうございます!」
その言葉を聞いた瞬間。
部屋にいた者たちの表情が、一斉に綻んだ。
「おお……!」
「なんと可愛らしい……」
「殿下がお生まれになった!」
喜びの声が次々と上がる。
だが。
俺だけが、その場の空気についていけていなかった。
……第一王子?
誰が?
「…………」
嫌な予感が、ますます強くなる。
そして。
医師の腕から、第一王妃のもとへと小さな赤子が運ばれていく。
生まれたばかりの、男の子。
小さな身体。
小さな手。
小さな指。
王妃は疲労の滲んだ顔で、その赤子を優しく見つめていた。
「……この子が」
王もまた、我が子を覗き込む。
「私たちの子……」
その声には、隠しきれない喜びが滲んでいた。
「よく頑張ったな」
王が王妃に声をかける。
王妃は小さく微笑んだ。
「はい……」
そこに特別な力などない。
神の祝福が現れたわけでもない。
ただ――
一人の子供が生まれた。
この場にいる誰もが、そう思っていた。
――少なくとも。
この瞬間までは。
「…………」
俺は、その赤子を見つめていた。
いや。
正確には――
その赤子を見つめている、自分自身の視線に違和感を覚えていた。
視界が低い。
というか。
低すぎる。
「……ん?」
俺は自分の身体を動かそうとした。
腕を動かす。
……動いた。
だが。
「…………」
そこにあったのは、見慣れた高校生の腕ではなかった。
細い。
小さい。
あまりにも小さい。
「…………え?」
指を動かす。
ぷるぷると震える、小さな指。
俺はそれを見つめた。
そして――
恐る恐る、自分の身体へ視線を落とす。
小さな胸。
小さな腹。
何も身につけていない身体。
まともに動かすことすらできない手足。
「…………」
思考が止まった。
いや。
違う。
止まっている場合じゃない。
必死に考える。
俺は高校二年生だった。
17歳だった。
さっきまでバスに乗っていた。
そして事故に遭った。
なのに。
今の俺は――
「…………赤ん坊?」
声にした。
もちろん、まともな言葉にはならなかった。
「……あぅ」
自分でも驚くほど幼い声が出た。
「…………」
沈黙。
そして。
俺は悟った。
いや。
悟ってしまった。
「…………俺が……赤ん坊?」
誰も答えない。
当然だ。
俺は今――
生まれたばかりの赤ん坊なのだから。
「…………」
頭の中が真っ白になる。
そして、ふと聞こえてきた言葉が、追い打ちをかけた。
「第一王子殿下のお名前は――」
第一王子。
殿下。
つまり。
この赤ん坊は、この国の王子。
そして――
その赤ん坊は。
俺。
「…………嘘だろ」
前世では、どこにでもいる高校二年生だった。
佐藤湊。
17歳。
歴史オタクで、厨二病。
特別な才能なんて何もない。
それが――
「俺……王子になったの?」
誰にも聞こえない声で呟く。
いや。
そもそも、声にすらなっていない。
そして俺は。
ようやく理解した。
――俺、転生したのか?
「…………」
しばらく呆然として。
それから。
「…………俺は無視かよ!」
心の中で叫んだ。
もちろん。
誰にも聞こえなかった。
主人公無双ではありませんが、そう見える描写がしばらく多く出てきます。本編に入るのはまだ先です。主人公が5歳になれば物語が動き出します。
本作は少しずつ世界が広がっていく作品なので連続閲覧が重要になってきます。
ご留意ください。
8月9日~8月11日午前までにこの作品を読んで頂いた方にご連絡です。チャットGPTを直接使用することで、大幅に文章構成を修正しました。ご確認いただければストーリーがわかりやすくなると思いますので、任意で再度ご確認ください。




